『メゾン・フェルベール』のあるアルザス地方は、秋晴れの空の下、ブドウの葉も色づき美しい風景が広がる季節となりました。毎年秋には、アルザスワイン街道の村で新酒祭や収穫祭が開催されます。
そんなブドウやワインの収穫祭で盛り上がるアルザスからお便りが届きました。『メゾン・フェルベール』からアルザスの美しい四季とおいしい食にまつわるお便りをお届けする連載「カランドリエ・アルザス(アルザスのカレンダー)」 。今回は、秋の旬であるブドウや歴史あるワインについてお届けいたします。
「ブドウ畑の真珠」と呼ばれるアルザス・リクヴィル村と歴史あるワイン
アルザスには秋が訪れ、ブドウの収穫の季節となりました。すべての村々で、数えきれないほどの種類のブドウが収穫されます。
©Frantisek Zvardon
そのなかでも有名なのは、「ゲヴェルツトラミネール」というブドウです。このブドウでつくられたワインは、エキゾチックなフルーツのアロマが特徴的で、スパイス料理と組み合わせると、とても相性が良いとされています。また、ライチやローズの華やかな香りを持っているので、熟したマンステールチーズと一緒にペアリングするとおいしさがふくらみます。
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ドイツとの国境に近い場所に位置するリクヴィル村。フランスの最も美しい村協会が認定する「フランスの最も美しい村」のひとつにも選ばれ、その美しさから「ブドウ畑の真珠」と称される村。
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そんなリクヴィル村に1600年代に設立された『FAMILLE HUGEL(ファミーユ・ヒューゲル)』 は、アルザスの偉大なワインメーカーのひとつ。フランス国内の最高級レストランにリスティングされ、世界120カ国以上に輸出されています。
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秋はアルザスが誇るヴォ―ジュ山脈へ訪れるのに最適な季節となります。美しくひんやりとした森の空気を感じられ、赤や黄色に紅葉した木々が美しい森のなかのそこかしこに、中世の建物の跡を見つけることができます。
おすすめお菓子 byメゾン・フェルベール
©Bernhard Winkelmann.
『メゾン・フェルベール』の工房で作られるお菓子もすっかり秋仕様に。「Kouglof(クグロフ)」は、レーズンが入った王冠の形をしたお菓子で、フランスのアルザス地方の定番。私たちの父であるモーリス・フェルベールから受け継いだレシピで作った自慢のクグロフです。
スフレンハイム村で採れる粘土からできた型に生地を入れて、クグロフを焼き上げます。スライスされた一切れを軽く焼いて食べると、香ばしい香りが口いっぱいに広がり、とてもおいしいんです。朝食や日曜日のパーティなどでよく食べています。
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また、固くなってしまったクグロフはパン・ペルデュとしてアレンジして食べることもあります。パン・ペルデュとは、「ペルデュ」=「失われた」「駄目になった」という意味で、固くなってしまったパンのこと。 そんなパンをおいしく食べるために卵液と砂糖に浸して焼いた、フレンチトーストです。
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秋の半ばになると果樹園からはリンゴと梨が届きます。
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『メゾン・フェルベール』のアトリエでは、アルザス風のアップルパイと、焼きリンゴをたくさん作ります。甘く香ばしい焼きリンゴには、ドライフルーツとシュトロイゼルかクランブルを添えて。
(※「シュトロイゼル(Streusel)」は、ドイツ語で散らすという意味のドイツのお菓子製法。ポロポロとしたそぼろのような状態の、バター、小麦粉、砂糖などを合わせた甘いトッピング生地のことをいいます。)
おすすめのコンフィチュール byメゾン・フェルベール
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『メゾン・フェルベール』のコンフィチュールも秋にかけて新たなラインナップになっていきます。この季節のおすすめは、「ポム・オ・キャラメル(りんごとキャラメル)」。
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細かく刻んだアルザス産のリンゴを、透明なキャラメルソースで煮たコンフィチュール。クグロフで作ったパン・ペルデュに、少し重ためのクリームとこのリンゴとキャラメルのコンフィチュールを添えると、とてもおいしい一皿に。
美しい果物畑と気持ち良い秋空が広がるアルザスの風景を思い浮かべながら、旬のリンゴと甘さ広がるコンフィチュールを味わう。食欲の秋を存分に楽しんでみてはいかがでしょうか?
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