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    チーズマニア必見!本場フランスのおすすめチーズと食べ方

    チーズはフランスの食生活に欠かせないもの。フランスでは、デザートとしても日常的にチーズを口にします。

    そんなフランスで一番歴史のあるチーズといえば、「ロックフォール」と「カンタル」。どちらも約2000年の歴史を持ちます。

    チーズについて知ることはフランスの食文化の知識を得ると言っても過言ではありません。

    今回は、チーズが好きすぎてフランスへ留学し、現地で数百種類以上のチーズを食べ歩いたフードライターのOliviaさんがおすすめのチーズとその食べ方についてご紹介します。

    奥深いフランスチーズの世界を味わってみてください!

    パリマグ読者のみなさん、初めまして。フードライターのOliviaです。

    これまで仕事で海外におり、おすすめのレストランやカフェなどの記事を旅行者向けに執筆していました。コロナで外出ができなかったことをきっかけに、以前から興味があった発酵食の資格を取得し、発酵食の中でも特にチーズについて本格的に勉強をするようになりました。

    勉強していくうちにより知識を深めたいと思い、チーズのためにフランスへ留学しました。歴史的に古くから生産がされていたことはもちろん、肥沃な土地で酪農が盛んであるフランスには数多くのチーズが存在します。

    また、風土や製造方法も異なるため、各地域ごとに名産のチーズがありバラエティにも富んでいます。

    今回はその中でも、3つのおすすめフランスチーズの特徴とその食べ方をご紹介します。

     

    フランスの美食家の名から命名されたチーズ「ブリア・サヴァラン」

    最初にご紹介するのは、「ブリア・サヴァラン」というチーズ。
    ブリア・サヴァランにはフレッシュタイプと熟成タイプがあります。

    フレッシュタイプは、「ブリア・サヴァラン フレ」。
    熟成タイプは、「ブリア・サヴァラン アフィネ」と呼ばれています。

    「チーズのないデザートは目のない美女」という言葉を残したフランスの美食家、ブリア=サヴァランの名から命名されたチーズとしても知られているんです。

    熟成タイプの外皮は薄い白カビが生えており、キノコやナッツのような香り。クリームを添加した生地は口溶けが滑らかで、口の中にミルクの香りが広がるリッチな味わいです。

    私がフランスに留学をしたときのチーズレッスンで学んだ「ブリア・サヴァラン」のおいしい食べ方をご紹介します。

    まずは、ブリア・サヴァランをカットし、用意された食材を自分の好みで組み合わせます。私が組み合わせたのは、ブルーベリージャムとカボチャの種、クランベリージャムとクミン、プラリネジャムとレーズン、ブラックチョコレートとトリュフ。

    チーズは熟成タイプ「ブリア・サヴァラン アフィネ」を使用。特徴的な香りと滑らかな食感のチーズに他の素材を加えることで、よりチーズの旨みが際立ちます。

    個人的に好みだったのは、「プラリネ」のジャムとレーズン、ブラックチョコレートとトリュフの組み合わせ。

    プラリネはローストアーモンドをキャラメライズしたものです。
    私がチーズレッスンを受けたフランス南東部に位置する都市リヨンではそこに赤い色をつけ、パンやお菓子に多く使用します。

    プラリネのジャムとレーズンの組み合わせは、カリッとしたアーモンドと柔らかなレーズンの食感が楽しく、それぞれの素材がクリーミーなチーズと混ざり合って濃厚なチーズケーキを食べているようでした。

    もう1つは、ブラックチョコレートの苦みと香り高いトリュフが濃厚なチーズと合わさり、これまで味わったことのないリッチな味わいに。例えると、味も香りも一級品の高級なオードブルでした。機会があれば、ぜひこの組み合わせをお試しください。

     

    スモーキーな香りが引き立つ「ルブロション ド サヴォワ」

    次に紹介するのは、スイスとイタリアに接するフランス東部「サヴォワ」の標高1,000mにある高地牧場で育つ牛たちのミルクで作ったチーズ「ルブロション ド サヴォワ」

    14世紀ごろに飼育する牛の搾乳量に基づいて税金の支払いが義務付けられていたため、農民たちは支払いを逃れるために役人の前では一部の乳だけを搾り、そのあとに再度搾乳をしていました。

    こうした背景から「再び搾る」という意味で命名されたチーズが「ルブロション ド サヴォワ」です。

    熟成の際に使用するモミの木の一種であるエピセアで作られた棚を何度も交換することで、外皮は木の実のようなスモーキーな香りが広がり、中はとろりとコクのある濃いミルクの味がします。

    「ルブロション ド サヴォワ」は、「タルティフレット」というサヴォワ地方の郷土料理にして食べるのがおすすめ。

    炒めた玉ねぎとベーコン、じゃがいもの上に「ルブロション ド サヴォワ」をのせて、オーブンで焼いた冬の定番料理です。

    私は「オート=サヴォワ」にある町「アヌシー」で、初めてこの料理を食べました。オート=サヴォワには、チーズを使用した郷土料理が多くあります。

    「タルティフレット」もほとんどのレストランにありますが、お店ごとに材料や切り方にも違いがあるので、いろいろ試してお気に入りを見つけるのも楽しいですよ。

    オート=サヴォワはチーズの名産地として有名で、この土地のチーズはどれも高品質。
    ほかの地域でも「ルブロション ド サヴォワ」を食べたことがありましたが、オート=サヴォワで食べた「ルブロション ド サヴォワ」はミルクの濃さや味の深みがまったく違い、とても驚きました。

    「タルティフレット」は熱が加わることでより、香りや味わいが凝縮されます。初めて「タルティフレット」を食べたとき、あまりのおいしさに言葉が出なくなったことを今でも覚えています。

    旨みの増した熱々の「ルブロション ド サヴォワ」の「タルティフレット」は、チーズの名産地でいただく極上のご馳走でした。

     

    フランス国内でも入手するのが難しい貴重なチーズ「ライオルチーズ」

    最後にご紹介するのは、フランスの中央高地南に位置する緑豊かで酪農が盛んな「オーブラック高原」にある「ライオル村」で作られている「ライオルチーズ」。

    年々このチーズを作る職人が減り、一時は生産量が落ち込みましたがそれを危惧した人々が組合を結成し、存続しています。 日本ではもちろん、フランス国内でも入手するのがとても難しい貴重なチーズです。

    甘みのあるミルクの味がしっかりと口の中に広がり、まるで搾りたてのミルクを口にしているようなこのチーズ。後味があっさりしているため、決して重たくはなく万人に好まれる味です。

    ほろほろと崩れるような柔らかさもこのチーズの特徴。
    硬くも柔らかすぎることもなく、ちょうどいい硬さで、口に入れると溶けていきます。塩味のバランスも良く、どんな食材と合わせても、どんな料理にしても味が抜群に引き立つチーズです。

    そのままでもおいしいのですが、ライオルチーズで作るリゾットは絶品!

    作り方はとっても簡単です。

    最初に好きな野菜とお米をバターで炒めます。

    炒めたものをチキンブイヨンのスープと一緒に煮て、そこに生クリームを入れます。

    ある程度お米が煮えてきたらサイコロ状に切ったライオルチーズを投入し、とろりとチーズが溶けたらできあがり。

    私はその時に旬だったグリーンアスパラとエシャロットで作りましたが、お野菜はお好きなものを使用すれば良いですし、お米の固さももちろんお好みで大丈夫です。

    このレシピを教えてくれた友人は、ライオルチーズの製造会社で働いている、ライオルチーズのエキスパート。

    そんな彼女がイチオシするこのリゾットは、ライオルチーズの程よい塩味や優しいミルクの味わいがお米や野菜の甘みと混ざり合い、まさに食材の旨みを凝縮したような一品です。

    上質なチーズの味わいで口の中は幸せでいっぱい、1口食べた瞬間に思わず唸ってしまうほどでした。

    友人を訪ねたのは春。子牛が生まれ、花々が咲き誇る、高原が一年でもっともうつくしい時期でした。

    友人を通して、多くの自然やチーズの製造場所を見学させてもらい、ライオルチーズを食べるたびに鼻に抜けるミルクの豊かな香りと味わいを噛み締めながら、その時に見た情景を思い出します。

    そんな思い出深いライオルチーズ。日本ではなかなか入手できる機会は少ないかもしれませんが、手に入った際はお好きな具材でリゾットを試していただきたいです。

     

    ***

     

    フランスでは、「村の数だけチーズがある」と言われるほどに種類豊富なチーズがあり、土地ごとにさまざまなチーズや郷土料理に出合うことができます。

    その一つひとつに歴史や特色があるのもおもしろく、それらを知ることでチーズのおいしさがより増して行くような気がします。

    チーズを通して、多くの方にフランスの歴史や土地にも興味を持っていただけたらと思っています。この記事がみなさんとチーズの旅のきっかけになれば、うれしいです。

    文/写真:Olivia

     

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