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まるでハイジの世界!グリュイエールチーズが作られる大自然の村へ

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まるでハイジの世界!グリュイエールチーズが作られる大自然の村へ

フランスに来て、早21年。どうしてこんなに長く住むことができたのか聞かれると、「おいしいチーズとワインがあったから」と答えてしまうほど、チーズ好きな私。

今回はパリから少し足を伸ばして、スイスへグリュイエールチーズを訪ねる旅へでかけてきました。

 

ハイジがいそうな村で作られるグリュイエールチーズ

ハイジがいそうな村で作られるグリュイエールチーズ

スイスで一番有名なチーズとも言えるグリュイエールチーズですが、村の名前が由来だと知らない方も多いのではないでしょうか。

グリュイエール村

パリから電車で4時間弱のローザンヌ駅から車で40分ほど走ったところにグリュイエール村はあります。

世界で最も美しい村

中世の景色が残るグリュイエール村は、「世界で最も美しい村」にも選ばれたことがあるそうで、観光地としても人気です。

湖や丘陵地帯の美しい大自然に囲まれた景色

その村から少し離れると、湖や丘陵地帯の美しい大自然に囲まれた景色が広がっています。山の中腹に転々と見える家の周りには、牛が群れとなり、草を食む光景を見ることができます。まさにハイジの世界。

牛が群れとなり、草を食む光景

この辺りは今でも変わらず、牧畜農家の伝統的な暮らしが残るエリアで、ここでグリュイエールチーズは作られています。放牧されている乳牛たちにも出会えました。

 

手仕事によって作られるグリュイエールチーズ

手仕事によって作られるグリュイエールチーズミルクを温める大きな鍋

大自然の中でのびのびと育てられた牛のミルクを搾り、薪を炊いてミルクを温め、人の手によって作られるグリュイエールチーズ。

朝から薪を焚べて、火加減調節しながら、約2時間温めるのだそう朝から薪を焚べて、火加減調節しながら、約2時間温めるのだそう。

パチパチと木が燃える音が聞こえ、香ばしい香りが漂います。作業をしているおじさんに声をかけると「この山小屋には数日前から来たんだ」との言葉。

「お引越ですか?」と聞き返すと、「季節が変わるごとに山を降りるから、年に3回、牛たちと一緒に引越しするんだよ」と教えてくれました。

牛が育つ環境を一番大切にしているため、牛が食べる草が多いところに移動していくのだそう。そのため、チーズを作る機材は最小限でほとんどが手作業という訳です。

機材は最小限でほとんどが手作業

世界的に有名なチーズの生産が、今もなおこうして手作業だということに、驚きました。

ミルクが適温まで温まったら固形物を布ですくい出し、型に入れて水切りをし、重石をして、絞っていきます

ミルクが適温まで温まったら固形物を布ですくい出し、型に入れて水切りをし、重石をして、絞っていきます。

重しをのせて水分を搾ります重しをのせて水分を搾ります。ひっくり返し、また搾りを繰り返します。

先程の大きな鍋で約3個のグリュイエールチーズとヴァシュランというこの地方のもうひとつの名産チーズを2個しか作れないのだそう。とても体力と根気が必要な作業です。

ミルクの塊

しばらく経って水が切れてきたら、わっぱ(木の囲い)を外すと、まだほかほかのミルクの塊ができていました。

重しをし、一晩おいた後、地下のカーヴで初期熟成の工程

重しをし、一晩おいた後、地下のカーヴで初期熟成の工程に。

まるでハイジの世界!グリュイエールチーズが作られる大自然の村へ初期熟成の間、定期的に手で塩をまぶしたり、ブラシをかけたりの作業が行われます。

ここまでが農家でできる行程となり、この後の長期熟成は、熟成庫を持つ熟成士に預けられます。

 

熟成庫でじっくりと熟成させます

熟成庫でじっくりと熟成ミフォルマ社(MIFORMA)社のカーヴ。1964年にこの天然カーヴを熟成庫にすることを思いついたのだそう。

天然の岩をくりぬいたトンネル状の熟成庫で管理されているグリュイエールチーズ。天井からは水滴が落ちてくるくらい湿度が高い環境下で、ゆっくり発酵させます。ここで数ヶ月〜4年の間、熟成していくのです。

表面をたたきながら穴などがあいていないかチェック

熟成が進むと熟成士がトンカチのようなもので、表面をたたきながら穴などがあいていないかチェックします(グリュイエールチーズは穴があいていないチーズです)。

ときどき中身をくりぬいて味

ときどき中身をくりぬいて味見をし、熟成状態を確認しながら出荷の時期を決めていきます。

ひとつの重さは20〜30kgひとつの重さは20〜30kgも!

熟成途中で、定期的に塩水で洗う行程があります。ここはさすがに機械で作業していました。

出荷を待つチーズがずらり

出荷を待つチーズがずらり。いろんな農家さんのチーズを預かり熟成させているので、それぞれに農家のナンバーも刻まれています。

 

丁寧に作られたグリュイエールチーズを試食

丁寧に作られたグリュイエールチーズを試食

その場でテイスティングもさせてもらいました。まずはチーズの元となる絞り立てのカイエ(左)とできたてのダブルクリームを試食。ミルクの味わいが濃厚でこれだけでもとてもおいしい!塩分などはない状態ですが、風味があります。この風味は放牧牛のミルクならではの味わいなんだとか。

農家によって微妙に味が違う

これがここで作られたグリュイエールチーズです。手作りで作られるため、農家によって微妙に味が違うといいます。チーズの専門店は、どこの農家産なのかを指名買いすることもあるそう。

スイス名産グリュイエールチーズ「Heidi(ハイジ)」スイスのスーパーでも手に入るAOP認定のスイス名産グリュイエールチーズ「Heidi(ハイジ)」

こうして大切に育てられたチーズは、チーズ屋さんやスーパーで切り売りされ、みなさんの食卓に届けられます。

 

その他のスイス産チーズも試食!

「ブラックチーズ(Black cheese)」と「ヴァシュラン(Vacherin)」

他にもいくつか試食をさせていただいたのですが、グリュイエール以外で、私のお気に入りのチーズはこちらの「ブラックチーズ(Black cheese)」と「ヴァシュラン(Vacherin)」。

口当たり滑らかで味わい深く、フランスチーズとはまた違った新しい発見ができました。

冬の定番メニューのラクレットチーズ

冬の定番メニューのラクレットチーズです。溶かしてジャガイモなどに付けて食べるとおいしいんですよね〜!

ハイジの国スイスで手間暇かけて丁寧に作られるおいしいチーズ。チーズ好きの方はぜひフランス旅行にプラスして足を伸ばしてみてはいかがでしょうか?ぜひ、グリュイエールチーズを食べる際は海外輸出が少ない希少なスイスワインと一緒にお試しあれ!

 

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