在宅ワークなどおうちで過ごす時間が生活を見直すきっかけになった方も多いのではないでしょうか?今回は、PARISmagで連載や執筆、撮影を担当してくださっているPARISmagメンバーに、おうち時間を過ごす中で気づいた「小さなしあわせ」について教えていただきました!シンプルで豊かな生活を送るPARISmagメンバーの日常を覗いて、今後の生活のヒントにしていただけると幸いです。
フランス在住フードライター ムッシュサトウさん
まずは、パリで見つけたスイーツを紹介してくださっているムッシュサトウさん。現在は東京へ一時帰国中とのことですが、どんな毎日を過ごしているのでしょう。
―好きなおうち時間の過ごし方について教えてください。
今、住んでいる東京の家の近くにはたくさんのカフェがあります。食料品の買い出しついでに前を通ったとき、テイクアウト限定でコーヒー豆や焼き菓子などを販売しているお店もいくつかあることに気づきました!今はなかなか、店内でゆっくりと時間を過ごすことができない分、そういったお店を少しでも支えられるよう、また自分自身のおうち時間を充実させるためにそれぞれ異なるお店でコーヒー豆を買いました。
バリスタの友人の勧めから、安価でもハンドドリップをおいしく手軽に楽しめるとのことでHARIO V60のドリッパー、コーヒーミルやサーバーなどをAmazonで購入して最近は自分でコーヒーを淹れています。これまでは忙しい朝はもっぱらインスタントコーヒーを飲んでいましたが、時間ができた今は毎朝少しの手間をかけられるようになったことで朝からコーヒーのいい香りが部屋にただよう喜びをかみしめています。
―家での生活を充実させるために欠かせないものはありますか?
フランスに住み始めてから、まわりのフランス人がみな身にまとっていることもあり香水を集めるようになりました。特にいまは家で仕事をすることが多い分、毎日異なる香りを振りかけることで家の中においても自分自身のやる気スイッチを押す役割を果たしてくれています。
今のお気に入りはこちらの『LE LABO』のTHÉ NOIR 29。紅茶の香りをベースにベルガモットやフィグ、ベイリーフ、シダーウッドなどの香りを配合したウッディノートの香りで、しつこすぎない甘さが気に入っています。この香水を買うときにボトルラベルに好きな言葉を印字してもらえるのですが、フランス語で「Pour mieux vivre ma vie(より良い暮らしを送るために)」と記してもらいました。これを買ったのは去年ですが、今まさにこの言葉に背中を押されている気がします。
このほかにもフレグランス類はまとめてバスルームに飾っています。
―おうち時間が増えたからこそ気づいた日々の「小さなしあわせ」とは?
気軽にお菓子屋さんへ行けない今、製菓用の道具や材料販売サイトcottaで、家でお菓子作りを始めるために道具をそろえました!当たり前ですが、自分でお菓子を作ると焼き立てが食べられるんですよね。焼き立てのケーキの香りほどしあわせなものを今の僕は知りません(笑)。おうちなら自分の好きな材料を好きなだけいれて作ることもできます。例えば、オレオをこんなにいれてみたり…。
もちろん手間はかかるしお店の味に近づけることは難しいですが、今は不便であることすらも精一杯楽しんで、またお店へ行けるようになる日を待ち望みたいと思います。簡単でおいしいレシピもいくつか習得したので、またお菓子の記事でご紹介できればと思います!
- ムッシュ サトウ(むっしゅ さとう)
- これまで20か国以上を旅したのち、現在パリを起点に「フランス中のスイーツを食べつくす」をモットーにあらゆるパティスリーやカフェを探索する日々を過ごす。年間1,000種類以上のスイーツを堪能するなか、おすすめしたいスイーツの魅力をSNSで発信中。その他、各国料理、コーヒー・お茶・アルコールなど食全般に関心を持つ。
- ▶instagram:@sugar_paris
- ▶Twitter:@sugar_parisJPN
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パンコーディネーター、モデルのパン野ゆりさん
パン好きモデルのパン野ゆりさん。なかなかパリへのパン旅が難しい今、どんな風にパンを楽しんでいるのか聞いてみました!
―好きなおうち時間の過ごし方について教えてください。
自粛生活になってからベランダでも気分良く過ごせるようにベランダ改造をしました♡ベランダで朝ごはんを食べたり、執筆仕事をしたりする時間がお気に入りです。買い物に行けないのですべて家にある物で済ませたのですが、アウトドア用に閉まっていたチェアなど普段の生活で使わない物がこんなに重宝することに感動!
殺風景にならないように絵をぺたぺたと貼った部分もお気に入りです!ベランダ用のスリッパには食パンの落書きもしてみました(笑)。
―家での生活を充実させるために欠かせないものはありますか?
リビングや寝室、お風呂やベランダでも音楽を楽しみたい私は『バング&オルフセン』のBeoPlay P2スピーカー(私のはデヴィット・リンチのエディションです)が場所も取らずに持ち運べるのでとってもお気に入り!ビジュアルも好き。海外旅行やピクニックなどにも重宝します!
気分によって香りを楽しめるようにルームスプレーやキャンドル、ハンガーアロマも使っていて、『Diptyque』のBAISEが10年以上前からずーっとお気に入りです。ディフューザーなどで他の香りを楽しむこともあるのですが、結局これに戻ってきてしまう(笑)。
―おうち時間が増えたからこそ気づいた日々の「小さなしあわせ」とは?
自粛生活になって時間があるようになってから、酵母を育てる喜びを見出しました。初めての作業だったのでソワソワとワクワクが入り混じりながらも心が弾みました♪時間をかけて育った酵母を使い、手ごねでパンを焼きあげたときの達成感ったら!まるで自分の子どものような気分です(笑)。
今までもパンが好きでパンをたくさん食べてきましたが、自粛生活にならないとわざわざ自分で酵母を育てることはしなかったと思うので、いい経験になったと思います。もちろん、酵母は育てつづけるつもりです♪
- パン野 ゆり(ぱんの ゆり)
- 山野ゆり。パンコーディネーター/パンシェルジュ/モデル 。 Gunn’s所属。雑誌や広告、CM等幅広く活躍。日本全国、訪れたパン屋さんは数えきれないほど。年に数回は海外へも足を運び、それぞれの土地によって顔を変えるパンを写真に収めて、オリジナルのパンノートを製作している。パンとファッション、パンとメイク、パンと新しい何かで化学反応を起こしたい。新たな観念でパンをフューチャー。
- ▶️Instagram:@yuri.yamano
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テーブルコーディネーターの菅野有希子さん
器のご紹介やテーブルスタイリングの記事にご協力してくださっているテーブルスタイリストの菅野有希子さんは、真似したくなるインテリアの楽しみも教えてくれました。
―好きなおうち時間の過ごし方について教えてください。
きちんとスキンケアする時間を持ちたくて、模様替えをしてベッドサイドにドレッサーコーナーを作りました。 日差しの入る窓辺で朝の身支度をするのがリフレッシュタイムです。壁にポストカードを貼ったりコットンボールライトを吊り下げたり、狭いながらもかわいくデコレーションを楽しんでいます。これから鏡を買ったり収納を整えたり、少しずつ自分らしいドレッサーに育てていくのが楽しみです。
―家での生活を充実させるために欠かせないものはありますか?
紅茶党な私の定番『キャンベルズ・パーフェクト・ティー」です!この大きな黄色い缶がキッチンにどしっと構えていると 「いつでも濃厚でおいしい紅茶が飲める」となんだかホッとします。 紅茶党な私にとって気どらず飽きない定番の味です。もっぱらストレートですが、濃厚なので豆乳で割ってミルクティーにすることも。毎朝沸かしたてを保温ポットに入れて1日中いつでも熱々で飲めるようにするのがルーティンです。
―おうち時間が増えたからこそ気づいた日々の「小さなしあわせ」とは?
当たり前といえば当たり前なのですが、家の中でもおしゃれ着に着替えてきちんとメイクして過ごすようになりました!在宅ワークだとついついパジャマのままノーメイクで…となりがちでしたが、今ではすっかり習慣化。1人だからこそあえてチャレンジングなヘアアレンジやメイクに挑戦してみたり。
着心地よくカラフルな、気分が上がる服を探すのも楽しみの1つになりました。身なりを整えてかわいくしていることが自信やハツラツとした気分につながるなと感じています。
- 菅野 有希子(すがの ゆきこ)
- テーブルコーディネーター/プロップスタイリスト。雑誌や書籍、WEBで、食や住といったライフスタイル提案のスタイリングを手がけています。スタイリング、撮影、VMD、商品開発、コラム執筆など。東京在住リノベマンション暮らし。
▶︎HP:http://yukiko-sugano.mystrikingly.com/ - ▶instagram:@yukiko130
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フォトグラファー、ライターの忠地七緒さん
PARISmagのインタビュー記事などの撮影をしてくださっている忠地さん。代わり映えのしない毎日の中で、小さな変化に気づける、そんな視点を教えてくださいました。
―好きなおうち時間の過ごし方について教えてください。
写真集と古い雑誌を読むことが好きです。写真集は文字が少ない分、感覚的に読めるし、まだ見ぬ世界を写真家の視点を通じて知れるのは楽しいです。
あとはリニューアル前(2003年〜2015年)の『ku:nel』を読み進めています。10年以上前でも写真、文章ともに古びておらず、むしろ斬新な表現もたくさん。仕事を終えた夜、ソファに座ってのんびり読み進めるのが至福の時間です。
―家での生活を充実させるために欠かせないものはありますか?
飲み物にこだわるようになりました。気軽にカフェに行けないからこそ、何種類もバリエーションを用意しています。朝はグリーンスムージー、午前中は『オーサワ』の薪火番茶。原稿をたくさん書きたいときは『The Northwave Coffee』のカフェラテ、夫婦団らんは『TEAPOND』のミルクティーブレンドなど、シーンや時間によって飲み分けることで、連綿とつづく1日に区切りをつけています。マグカップもいろいろと集めていますが、最近良く使うのは『いにま陶房』のもの。手に取ったときに温かみがあって好き。
―おうち時間が増えたからこそ気づいた日々の「小さなしあわせ」とは?
朝のお散歩です。朝ごはんを食べたら軽く身支度をして外に出ます。その日の気分で歩く道を変えていて、常に亀が日向ぼっこしている公園を歩くこともあれば、並木が美しい運河沿いを歩くことも。
30分程度なので運動と呼べるほどの運動量ではありませんが、朝日や新緑の美しさ、鳥のさえずりに触れて清々しい気持ちになれます。小さな自然の営みを感じることで「さあ、今日もがんばろう」と1日のいいスタートを切れる気がしています。
- 忠地 七緒(ただち なお)
- 雑誌編集者を経て、現在はフリーランスのフォトグラファー/ライターとして、女性のポートレート撮影をメインに、お店・旅・インタビューなど興味の赴くジャンルで撮影+執筆を行っている。コーヒーの街・清澄白河での生活を満喫中。女の子を撮ることが生きがい。
- ▶HP:naotadachi.com
- ▶instagram:@naotadachi
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料理研究家、フォトエッセイストの口尾麻美さん
最後は、フランスの家庭料理のほか、いろいろなレシピをご紹介してくださる口尾さんにお話を伺いました!
―好きなおうち時間の過ごし方について教えてください。
普段と変わらず、仕事柄キッチンで過ごす時間が多いのですが、ちょっとしたコーナーのディスプレイを変えたり、お花を飾ったりして楽しんでいます。
図書館をイメージして作ったお気に入りの壁一面の本棚。その前に小さな椅子を置いて料理書を見たりして図書館に来た気分になっています。
―家での生活を充実させるために欠かせないものはありますか?
『ニールズヤードレメディーズ』のエッセンシャルオイル「レモンユーカリ オーガニック」がお気に入りです。
殺菌効果があるというユーカリの精油を空気清浄のために玄関のディフィーザーに定期的につけたり、フローリングの掃除にバケツの水にセスキ電解水炭酸ソーダとこのエッセンシャルオイルを数滴垂らして床拭きします。拭いている先からいい香りがして掃除の時間も苦にならず、気分が上がります。オイルの効果で床も自然の艶が出て一石二鳥。
―おうち時間が増えたからこそ気づいた日々の「小さな幸せ」とは?
夫婦で一緒にいる時間が増え、一緒にキッチンに立ったり、お茶をしたりする時間の余裕みたいなのが生まれ、会話が増えました(笑)。「こういう時間、忘れてたな」と。
夫は花を生けたり、私は旅の思い出のソダス(藁細工)を飾ったり、家の中でもいい距離感を保ちつつ、好きなことをする、そんな時間があらためて大切だと思いました。
- 口尾 麻美(くちお あさみ)
- 料理研究家、フォトエッセイスト。アパレル会社勤務後、イタリア料理店を経て現在に至る。ジャンルにとらわれない料理は書籍や雑誌、イベントやケータリングを通して発信。
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おうちの中でも、スイーツやパン作り、インテリア、読書など、時間のあるいまだからこそゆったりと腰を据えて楽しめること多々ありました。これから梅雨の季節がやってきたり、蒸し暑い夏がやってきたりしますが、おうちでの時間が心地よいものになると何気ない毎日を楽しめるようになれるはず。みなさんのアイデアからおうち時間のヒントにしてもらえると幸いです!
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