パリでもすっかり暖かくなって、窓を開けっ放しておくのが心地良い日が続いています。ということで、ブリコラージュのシーズンがやってまいりました!
自分でなんとか作るフランス流DIY
Bricolage(ブリコラージュ)という言葉は聞いたことありますか?訳すと「日曜大工」とかになるのでしょうが、最近では日曜大工よりもっと大掛かりなリメイクをする人が増えているので、DIYなんていわれています。
DIYは「Do it yourself」の略ですが、これも単語ではないわけで、英語圏でもそれほど昔からある表現ではないのでしょう。
その点、フランス語のブリコラージュは言い得て妙。動詞Bricoler(=繕う、なんとかやってのける)といった意味があり、「自分で、なんとか修繕する、作る」を表すのです。まあ、日曜大工なんですけどね。
フランス人がブリコラージュ好きな理由
フランスで驚くのは、ブリコラージュ好き人口の多さです。家族に1人くらいはいて、「この家の台所は全部パパが作ったのよ」なんて話は、日常茶飯事なのです。
はじめのうちは、「フランス人は、みんな器用なのかな?」と思っていましたが、見ているとどうやらフランス人が日本人より器用ということではなさそうです!(実体験で。笑)
では、どうしてブリコラージュをする人が多いのでしょう?
古い家に住んでいる人から水道回りのトラブルなどを頻繁に聞きます。でも、これを業者に頼むと、人件費が非常に高い!
また、日本は軟水で、初期の工事が丁寧にできているので滅多に壊れませんよね。その点、フランスは硬水。水道水に含まれる石灰が悪さをしてしまうため、新品の部品でも、3〜5年くらいで故障し水漏れを起こしたりするのです。
そんなに頻繁にあるなら、自分で勉強してしまおう!と考えるのがフランス人なのでした。「Autodidacte(=独学の)」が大好きなフランス人らしいですよね!
左の写真は、ひっくり返った蛇口が見えますが、洗面所設置前の水道管。右はトイレ。トイレの奥の壁のスペースを利用して、収納の付けました。
下水管が室内を走っているので、その部分は丸くカットしています。日本なら、この配管は壁で覆ってしまうのではないでしょうか。こうやって自分でDIYすることで、デコレーションを加えたり、オリジナリティも加えられるという わけです。
フランスのブリコラージュ事例をご紹介
この写真は16世紀には修道院だったというところをシャンブルドット(民宿)に改装したものですが、手作りとは思えないクオリティ。
扉は、古木のぬくもりをそのままに生かし、あえて塗装を剥がしたままの状態に。扉の左の壁も、石膏の壁を剥がしてむき出しにしています。
こうしたDIYの材料は、みんなたいてい蚤の市で見つけてくるそうです。どこかのお宅のおばあちゃんが持っていた古い額やランプなどは、季節ごとに開催される蚤の市で販売されていることも。そういうところで、面白い素材を常日頃見つけておき、デコレーションに生かしています。
フランスのインテリアは、まだまだ奥が深いですよ〜。次回は、実践!自宅のリビングの壁塗りレポートです。お楽しみに。
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