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初夏に観たい映画『裸足の季節』。美しくも切ない少女たちの物語

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初夏に観たい映画『裸足の季節』。美しくも切ない少女たちの物語

雨の多いこの季節。休日は映画館に行き、じっくりゆっくり映画の世界にひたるというのもよいものです。今回はそんな季節におすすめの映画『裸足の季節』をご紹介したいと思います。

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5人姉妹の自由への渇望を繊細で美しい映像の中に描いた本作は、トルコで生まれ、フランスで映画を学んだデニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督の初作品。カンヌ国際映画祭、ゴールデン・グローブ賞など多くの賞を受賞し、本年度のアカデミー賞フランス代表としてノミネートされ、フランスでもロングランヒットとなり、注目を集めています。

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日本での公開にあたり来日されたデニズ監督と4人の主演女優のお話と共に、映画『裸足の季節』の魅力をご紹介いたします。

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【あらすじ】

13歳のラーレは5人姉妹の末っ子。10年前に両親を事故で亡くし、いまは祖母の家で叔父とともに暮らしている。学校生活を謳歌していた美しい姉妹たちはある日突然、家に閉じ込められてしまう。古い慣習と封建的な思想のもと、電話を隠され、扉には鍵がかけられ、自由を奪われた「カゴの鳥」となった彼女たちは、ひとりひとり見知らぬ男のもとへと嫁がされる。ラーレは自由を取り戻すべく、ある計画を立てる…。

 

トルコの少女たちの現実

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『裸足の季節』の舞台は封建的な思想が残るトルコの小さな町。美しい5人姉妹の思春期特有のキラキラとした輝きや自由が、封建的な思想のもと少しずつ奪われていく様子が末っ子ラーレの目線から描かれています。物語の根底には、「女性であるとはどういうことか?」ということへの問題提起があるのだそう。

04記者会見にて(会場:ポニーキャニオン)

「トルコでは、女性の行動のひとつひとつが『性』や『身体』という視点で解釈されるところがあるんです。『裸足の季節』では、狭い考えにとらわれないでほしいという想いが強く反映されています。

映画の冒頭で、姉妹たちが男の子に肩車してもらいながら遊ぶ姿がありますが、トルコではそれすら性的な行動として捉えられるんです。肩車で遊ぶことを叱責されるシーンは私自身の実体験でもあります。ティーンだった私はその叱責に対して反抗することはできなかった。だからこそ、今回の映画では姉妹たちの勇気が報われるものを作ろうと思いました」と、デニズ監督。

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この映画で描かれているトルコの古い慣習は、日本にいる私たちから見ると驚くものも多いですが、少女たちが自由を求め挑む姿や抗えない現実とどう向き合うかといった姿には共感できる部分も多いのではないでしょうか。

 

女優たちのみずみずしい演技と美しい映像

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『裸足の季節』では、5人姉妹を演じる美しい女優たちのも見どころです。セリフ以上に多くを語る表情がとても印象的。姉妹が揃ったときの笑い声やキラキラとしたみずみずしい演技が美しい映像で映しだされ、自由を奪われたつらい状況を描いた作品でありながら、希望を感じさせてくれます。

07インタビューにて(会場:ポニーキャニオン)

ちなみに三女・エジェ役のエリット・イシジャン以外はみな演技未経験者。監督と5人のキャストで、演出や演技だけでなく作品の中で描かれていない部分まで細かく話し合った上で作っていったのだそう。

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「『裸足の季節』に参加したことで、より演技について興味を持ちました。そして映画というものは、女性の自由や自らの意見を訴えかけるのに理想的な媒体であるとも思えました。これからも演技に限らず、ディレクションする側としても携わりたいと考えています」と長女・ソナイを演じたイライダ・アクドアンが言うように、5人姉妹を演じた女優たちにとっても『裸足の季節』に出演したことは自らの将来や夢を考えるきっかけになったようです。

09本当の家族のようにとても仲が良い姿がとても微笑ましい監督と出演者(会場:ポニーキャニオン)

美しい映像とスピード感のある展開で、97分間見終わる頃には、すっかり5人姉妹に夢中に。徐々に閉塞感が増す姉妹たちの世界とラストの美しいイスタンブールの風景。そのコントラストがとても素晴らしく、姉妹たちの幸せな未来を祈る気持ちでいっぱいになります。

現実から抜け出し自由を手に入れようと奮闘する少女たちの姿に一歩踏み出す勇気、そして踏み出した先にある希望をもらえる映画です。この夏注目の作品です。

 

  • ■作品情報
  • タイトル:裸足の季節
  • 出演:ギュネシ・シェンソイ、ドア・ドゥウシル、トゥーバ・スングルオウ ル、エリット・イシジャン、イライダ・アクドアン、ニハル・コルダシュ、アイべルク・ペキジャン
  • 監督:デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン
  • 音楽:ウォーレン・エリス
  • 2015年/フランス=トルコ=ドイツ・97分
  • 配給:ビターズ・エンド
  • ©2015CGCINEMA–VISTAMAR Film produktion–UHLANDFILM- Bam Film–KINOLOGY
  • シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMA ほか、大ヒット上映中!

 

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