雨が多い梅雨の季節。せっかくの休日の予定が雨でキャンセルになることもあり、なんとなく憂鬱な気分になってしまいますよね。
そんな雨の日は、レンタルビデオショップで映画を借りて、おうちでゆっくり過ごすのもいいものです。
ビデオショップでパッケージを見ながらじっくり選ぶ時間も、映画鑑賞の楽しみのひとつではあるのですが…今回は、雨の日に観たいおすすめ映画として『ブロークン・イングリッシュ』をご紹介。迷った時の参考にしていただければと思います。
働く30代女子のリアル
主人公はニューヨークのホテルで働く30代半ばの独身キャリアウーマン・ノラ。それなりに充実している日々を送っているものの、周囲からかかる結婚へのプレッシャーに悩むことも…。どこかで運命の出会いを諦めつつも、諦めきれない葛藤がとてもリアルです。
また、ノラは失敗続きの恋愛に疲れている中、情熱的なフランス人ジュリアンと出会い心惹かれていくが警戒してしまい、なかなか素直になることができません。「もう傷つきたくない」と臆病になっている姿は、いくつかの恋を経験してきた30代の女性なら共感できる部分もあるのではないでしょうか?
大都会と会話。ニューヨークとパリの対比
前半にノラの生活するニューヨーク、後半に母国へ帰ってしまったジュリアンを探しに訪れたパリと、2つの都市を舞台に描かれています。
悩みながらも、休日にはヨガにパーティにクラブにおしゃれなランチと、華やかでフットワークの軽い生活を送るニューヨークでの生活。ノラを心配する家族や友人のウィットに富んだ励ましの言葉やニューヨークの日常が、軽やかに描かれています。
それに対し、ノラにとっての異国であるパリでは右往左往。タクシー運転手と会話が噛み合わなかったり、道に迷ったり、ジュリアンの連絡先をなくして半狂乱になったり…。そんな中で出会ったパリ人たちが、ブロークン・イングリッシュ(英語を母国語としない人が使う発音や文法に誤りがある英語)で語りかけてくる言葉のひとつひとつと、それを真剣に受け止めようとするノラの視線がとても印象的です。
2つの大都会を舞台に、人との出会いや会話を中心に描かれている本作。ニューヨークの軽やかさとパリでの不器用さ、その両者が鮮やかに対比されており、それがノラの気持ちにも影響を与えています。そのあたりも注目して観てみてくださいね。
うまくいかないこともあるけれど、少しずつ
仕事に恋愛に結婚への焦りに悩みの尽きないノラ。うじうじと悩んだり、優柔不断になることもしばしば。だけど、いろいろな人との会話を通して少しずつ前向きに、自分の答えを見つけていく姿がとても魅力的。
“ここはパリよ。
(―前からの夢よね。)
うんと楽しむの。以前の私に戻るの。”
散々泣いた翌朝、ノラはこう言ってパリでのジュリアン探しをやめ、パリ観光を思いっきり楽しむことにします。そこから、パリの街やそこで出会った人たちとの会話を通して、少しずつ考えがポジティブに。少しずつのノラの変化が心地よく、前向きな気持ちにさせてくれる映画です。
明日が楽しみになる。雨の日にはそんな映画を
“明日から人生は変わるよ”
これはパリのバーで出会った男性が、ノラにかける言葉。ふさぎがちな気分の時は、人に会うのが億劫になったりしてしまうけれど、外に出て、人に会い、会話をすれば、こんな素敵な言葉をもらうことができ、明日が楽しみになるきっかけにもなるのです。
人生は晴ればかりではないけれど、やっぱり最後はゆっくりと晴れていくようなお話がいい。雨の日に観たい映画はそんな映画なのではないかなと思い、今回はこちらの映画を紹介させていただきました。
明日が楽しみになるような映画に出会えると、憂鬱だった気分もすっかり晴れていくような気がしてきます。今度雨が降ったら、また新しい物語を探そう。そんな楽しみが増えたりも。
雨の日の過ごし方を知っていれば、梅雨も憂鬱ばかりではなく、楽しみな季節になるのではないでしょうか。
【あらすじ】
ノラ・ワイルダー、30代独身。ニューヨークのホテルで働く仕事中心の日々。親友は自分が紹介した相手と結婚。母親は事あるごとに自分の心配をする。男性と付き合おうとすれば失敗する。もう本当に愛し愛されるパートナーはいないのかもしれない。
そんな揺れ動く気持ちさえ、日常にかき消される。気分転換に出かけた友達のホームパーティ。気が乗らず、帰ろうとしたその時、フランス人のジュリアンと遭遇する。
でも積極的で情熱的で優しい彼を信じられない。もう失敗を繰り返したくない、傷つくのが怖い。
だけど知らず知らずのうちにジュリアンに惹かれている自分に気づいたとき、パリに帰らなければならないと告げられるのだった―。
- 『ブロークン・イングリッシュ』DVD発売中
- 発売元:ファントム・フィルム
- 販売元:ポニーキャニオン
- 価格:3,800円(本体)+税
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