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上田淳子さんに聞く!フランスの定番「クリュディテ」の魅力とレシピ

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上田淳子さんに聞く!フランスの定番「クリュディテ」の魅力とレシピ

みなさん「クリュディテ」をご存知ですか?

「クリュディテ」とは、フランスで定番の野菜のお惣菜のこと。「クリュ」という言葉は、フランス語で「生」という意味ですが、現在では少し加熱したものも「クリュディテ」に含まれることもあるようです。

今回は、『フランスのおうちごはん クリュディテ(主婦と生活社)』著者で、フランスのミシュラン星つきレストランでの修業経験もある人気料理家の上田淳子さんに、「クリュディテ」の魅力と、この夏にぴったりの簡単クリュディテレシピを教えてもらいました。

上田 淳子(うえだ じゅんこ)

兵庫県出身。辻学園調理技術専門学校で西洋料理・製菓・製パン技術を習得し、卒業後同校の西洋料理研究 職員を経て渡欧。スイスのホテルのレストラン、ベッカライ(パン屋)、フランスのミシュラン星付きレストラン、シャルキュトリーなどで約3年間修業を積む。帰国後、シェフパティシエを経て料理研究家として独立。フレンチベースのおいしい家庭料理のみならず、日々の暮らしに役立つ普段着の料理も得意分野。『フランス人が愛するチーズ、バター、クリーム。』(誠文堂新光社)など著書は多数。

HP:https://www.ju-cook.com/
Instagram:https://www.instagram.com/ju.cook/

フランスで定番の単品野菜のお惣菜「クリュディテ」の魅力とは?


写真/ローラン麻奈

ーまずは、クリュディテについて教えてください。

上田さん(以下、敬称略):クリュディテの発端は、野菜スティックや切っただけのラディッシュなどです。

ですが、段々とキャロットラペやキャベツのマリネなど、生の野菜を切って味を付けたものが派生していき、少し加熱した豆やビーツのマリネもクリュディテに含まれるようになりました。

クリュディテの大きな特徴は、単品野菜を調理したものということ。お肉やお魚が入ったり、具材を何種類も混ぜ合わせたりするものは、クリュディテに含まれないんです。

単品野菜を味付けして、少し置いてもおいしく食べられるようなものを、現在はクリュディテの総称と考えています。


写真/ローラン麻奈

ーそもそも、上田さんと「クリュディテ」の出合いは何だったんですか?

上田:フランスで料理の修行をしながら暮らしているころ、友人のお宅に招かれた時に、野菜1種類だけを使ったサラダがでてきたんです。

例えば、サラダというと、ニンジンやキャベツ、ハムなどが入ったようなものをイメージしていました。 だけど、肉もハムもツナも何も入ってない単品野菜の料理を目の当たりにしたのが、とても衝撃的で。しかも、それがとてもおいしかったんです。

「ひとつの野菜で、こんなに上手に調理をして食べるんだ」と驚き、すごく引き込まれましたね。それからは、クリュディテのことを調べたり、自分で作ったりするようになりました。


写真/ローラン麻奈

ー上田さんが考えるクリュディテの魅力とは?

上田:1つ目は、野菜1種類で作れるということ。材料調達が楽ですよね。

2つ目は、そのまま生で、または軽く加熱するだけで作れること。調味料もシンプルで、塩やお酢、レモン汁など、家にある調味料で作れます。

3つ目は、日持ちすること。 1回作っておけば、3日程度持ちます。3日に1度くらい違う種類のクリュディテを作っておいて、冷蔵庫に2種類ずつくらい野菜の作り置きがあると、健康管理にもとても良いと思います。

クリュディテは、野菜はもちろん、オイルやレモン汁(ビタミンC)など、摂取しなければいけない栄養素が必ず入っているので、ぜひ作って欲しいですね。

この夏にぴったりの簡単クリュディテレシピ「ドライイチジク入りキャロットラペ」

今回は、上田さんに誰でも簡単に作れる、この夏にぴったりなクリュディテレシピを教えていただきました。

●ドライイチジク入りキャロットラペ

【材料】
・ニンジン:1本(150g)
・ドライイチジク:30g
・クミンシード:小さじ1/2
・レモン汁:大さじ1
・塩:小さじ1/3
・胡椒:少々
・サラダ油:大さじ2

【作り方】
1. ニンジンを千切りスライサーで細切りにする。

2. ドライイチジクを食べやすいサイズに切る。

3. ボウルに、ニンジンとドライイチジク以外のすべての材料を入れて泡立て器でよく混ぜる。この中に切ったニンジンとドライイチジクを入れて、全体を混ぜる。

4.しんなりするまで30分ほど置いて、完成。

 

―このレシピのおすすめポイントを教えてください。

上田:このレシピからドライイチジクとクミンシードを外していただくと、みなさんご存知のシンプルなキャロットラペが作れます。

今回は、アクセントのあるドライイチジクとクミンシードを入れ、より食べやすくしてみました。

イチジク自体の旨味と独特の歯触りがあっておいしいイチジクですが、レーズンやドライマンゴーなどのドライフルーツを使っていただいてもおいしいです。

また、夏の暑い日には、少しスパイスを入れるとアクセントになっておすすめ。
最近では、スパイスから作るカレーが流行っているので、市販でも購入しやすくなっています。少しスパイスを加えるだけで、クリュディテの表情が変わるのでとてもおもしろいですよ。


写真/ローラン麻奈

ー最後にパリマグ読者の方々に向けて、一言お願いします。

上田:普段の日常のなかで、お野菜を取ることのハードルの高さを感じている方も多いと思います。

お野菜を取らなくてはという意識は、皆さん持っていると思うので、まずはクリュディテを1品作ってみる。作り置きを冷蔵庫に保管して、食べ終わったらまた作ってみるという生活を、1ヶ月試してみませんか?

1ヶ月続けてみれば、体調が良くなると思いますし、お野菜がとても身近なものになると思います。とっても簡単に作れるので、気軽にトライしていただくと、生活が変わるかもしれません。

「クリュディテって、こんなに簡単でおいしいんだ」という声を聞けたらとてもうれしいですし、そんな声を楽しみにしています。

***

野菜1種類で簡単なのに栄養満点のクリュディテ。

上田さんのお話を聞いて、クリュディテの魅力に引き込まれた方も多いのではないでしょうか?

上田さんの著書『フランスのおうちごはん クリュディテ』では、野菜で作るお惣菜を100レシピ以上にわたって掲載。クリュディテはもちろん、基本のクリュディテから次々生まれる、メインディッシュやスープ、サラダなどのアレンジレシピも!

ぜひチェックしてみてくださいね。

 

■書籍情報
フランスのおうちごはん クリュディテ』(主婦と生活社)
上田淳子著

 

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