「Taste of Paris」のパティスリー部門でグランプリを受賞！Yann Menguy氏のお店『La Goutte d’Or』

モンマルトルの丘などで知られ、観光客にも人気のパリ18区。近年は小さい規模ながらも洗練されたパティスリーが多い地域としても知られるようになりました。今回は2019年春にパリで開催された食の祭典イベント「Taste of Paris」のパティスリー部門でグランプリを勝ち取ったYann Menguy（ヤン・メンギー）氏によるお店『La Goutte d’Or（ラ・グット・ドール）』をご紹介したいと思います。

「Taste of Paris」のパティスリー部門でグランプリを受賞「アシェットデセール」

Yann Menguy氏は『Ladurée（ラデュレ）』でシェフとしての経験を積み、またChristophe Michalak（クリストフ・ミシャラク）氏の運営するマスタークラスで学ぶといった経歴を持つ若手パティシエとして、近年人気が急上昇しています。彼の実力を決定付けたのが前述した「Taste of Paris」のイベントですが、そこで提供されたものがこちらのアシェットデセールなります。

こんもりと盛られたシャンティクリームの中に苺のソルベが隠された爽やかなスイーツ。その下に敷かれたバターの風味豊かなサブレ生地、さらにその下には細かく刻まれた苺をたっぷり使用したソースが。どことなく最近日本でよく見られる豪華なかき氷のような感じすら見受けられますが、フレンチ要素をたくさん含んだその時限りの特製スイーツに仕上がっていました。

この時の感動がすぐに彼のお店『La Goutte d’Or』へと足を運ぶ理由となったわけなのですが、それ以来彼のスイーツの虜になってしまいました。

ホワイトチョコとバニラムースが優しく調和する「バニラタルト」

このシンプルな見た目のスイーツは、この店のスペシャリテであるバニラタルトです。豊かな香りと口当たりの優しいバニラムースは至極。プラリネとしては珍しく、ピーカンナッツを使用したソースが中に隠されています。サクサクのサブレ生地も秀逸ながら、天面に飾られたホワイトチョコレートの円盤が口の中で溶けて、バニラムースとの調和が素晴らしい作品です。

まるでクリスマスツリー！？洋酒を含んだ大人の「モンブラン」

続いてクリスマスツリーのような見た目が愛らしいこちらのケーキ。モンブランです。周りのココナッツの装飾が雪化粧の演出をしているようです。彼自身が得意だと自負するモンブランは、マロンクリームに洋酒を含ませ少し大人な様子に仕上がっています。中はクラシックにメレンゲとシャンティクリームが入っていて、シンプルだけれど栗のおいしさを存分に堪能できる逸品です。

お店自体もサイズは小さいながら、しっかりとイートインコーナーが設けられています。彼自身がイギリスやアメリカなどのコーヒー文化が好きだと豪語するように、お店づくりにおいて彼の解釈による「フレンチスタイルのコーヒーショップ」というコンセプトもあるようです。実際にとてもおいしいコーヒーを注文することができ、地元の人たちの憩いの場にもなっているようでした。フランやマドレーヌなどの焼き菓子もとてもおいしく、またタブレットチョコレートやコンフィチュールなどのお土産になりそうなものも取り揃えられているので、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。近い将来、もっと認知が増えて、より人気が高まるお店だと感じています。