パリのメトロの駅構内を歩いていると、どこからかバイオリンや歌声が聞こえてくることがあります。もしくはメトロの中で電車に揺られていると、突然アコーディオンの演奏が始まったり。パリの名物、大道芸人たちの演奏です。
電車や駅の中で突然始まる音楽の演奏。住んでいると日常的に当たり前の「音」になってしまうのですが、日本では遭遇することのないこの公共交通機関での音楽。日本から旅行できている人たちはみんなびっくりした表情を浮かべます。
パリのメトロで出会える身近な芸術家たち
アコーディオン、バイオリン、フルート、チェロ、コーラス、オーケストラ演奏、カラオケなど。1人で行っている人から10数人のグループまで。レベルもプロのようなものから思わず「私にそのマイクを貸して!」って思ってしまうようなレベルまでいます(笑)。彼らはパリのメトロで出会うことができる芸術家たちです。
駅での大道芸はオーディション制!?
どこでも勝手に自由に演奏しているように見えるパリのメトロの大道芸人たちですが、実は毎年ちゃんとしたオーディションがあって、それに合格して許可を得ている人たちなんです。中には許可証を持たずに不法で演奏している人たちもいますが(そういう人たちが捕まっているのをたまに見かけます)、大抵の人たちはちゃんと取得した許可証を掲げて演奏したり歌ったりしています。
オーディションは、実力だけで決まるわけではなく、さまざまなジャンルのものを織り交ぜるように検討した上で合格を出すそうです。
パリの人たちも日常的に楽しむメトロのコンサート
中にはプロとしてすでに演奏活動をしているような人も混じっていたりするので、かなりの実力者もちらほら。
見事な演奏や歌声の前で、乗り換えに急いでいた足を思わず止めてしばらくメトロ構内で繰り広げられるエンターテインメントを楽しむ人がいたり。カメラで撮影する人や、カバンの中から財布を取り出し小銭を入れる人などもたくさんいます。
なんとなく毎日同じ場所で演奏する人たちも多いので、通勤・通学で顔を合わせるおなじみの大道芸人の音楽はすっかり頭の中に入っていて、つい口ずさんでしまったり♪マルシェで飛び交う露店主たちの声、マナーがめちゃくちゃな道路で鳴らされるクラクションなど毎日の生活の中で耳にする色々な「パリの音」がありますが、パリを歩く機会があったら、メトロの中で流れるこの大道芸人たちの「音」にもぜひ耳を傾けてくださいね!
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