家でのお仕事は、働く場所と眠る場所がどちらも同じであることから、オンオフの切り替えが難しく感じることも。そんな時は、香りで気分を変えてみたり、ストレッチや瞑想を取り入れてみたり。提唱されている方法はさまざまですが、今回は私たちにとって欠かせない毎日の食事に注目してみました。
時間のない日の朝ごはん、仕事や家事が遅くなり食べ損ねてしまった夕飯など、疎かになりがちな食事も、少しの心持ちと工夫でグッと満足度が上がるかもしれません。
一度の食事に、小さな目的を持っておくこと
お話を伺ったのは、株式会社ゆっくりおいしいねむたいなの左近榮梨さん。スパイス&ハーブコンサルタントの資格を持つ左近さんは、食時間を通じた癒しやリラックス方法を日々探究し、商品づくりを行なっています。
食事は生きていくために欠かせないものですが、それに加え、朝・昼・夜と、それぞれの食事を通じて「どんな気分になりたいか」「何のために食べるのか」を意識しておくことが1日の満足度UPにつながるといいます。
朝ごはんは、眠っている間に冷えた胃腸を温め徐々に体を起こしていくためのもの。たとえおにぎりやパンだけで済ませるにしても、電子レンジで軽く温めるだけで、目覚めが変わってきます。
「私が良くやるのは、フリーズドライのお味噌汁に気分で選んだスパイスやハーブを加えること。和食とスパイスって合わないんじゃないかと思われる方も多いですが、カレーに使われるコリアンダーやクミン、パプリカは味噌とすごく相性がいいんです。本当に少量入れるだけで、香りがいつもと違う味噌汁になります」(左近さん)。
一方、夕飯は自分を労るためのもの。「終わりよければすべて良し」ということわざがあるように、忙しく大変な1日だったとしても、「おいしいな」と感じることで一度フラットな状態に戻すことができます。
「無理せずにおいしいと感じられることが大切だと思っています。もちろん、体のことを考えたら手作りもいいと思うのですが、仕事で疲れて気力がないなかで作っても、ご飯で得られる幸福感より疲れが勝ってしまう。最近では着色料や保存料を使っていないレトルトや冷凍食品、デリバリーも多く出てきているので、うまく手を抜きながら、どの程度の準備ならストレスなく食事が楽しめるのか、体の調子と相談しながら決めてあげるといいと思います」(左近さん)。
朝は温かいもので体を起こし、夜は「お疲れさま」と自分を労ってあげる。ただ目の前の食事を消化するのではなく、「自分は何のために食べているのか」を日々意識することで、手を抜くべきポイントも見えてくるかもしれません。
気持ちのいい1日の終わりに寄り添う「22時のカレー」
株式会社ゆっくりおいしいねむたいなでは、夜食をテーマにしたレトルトカレー「22時のカレー」を発売。ただおいしいだけではなく、リラックス効果が期待できるバジルやセージ、パセリ、タイム、オレンジなどのハーブと、コリアンダー、クミン、ターメリック、パプリカなどのスパイスを使用しています。食べた時に鼻からスッと抜けるハーブの香りは、まるでアロマのよう。
他にも、油の量を極力減らし、鶏肉の皮を取り除くことで91kcal(1食120gあたり)という低カロリーを実現。さらに無添加であることから、夜遅くでも罪悪感なくいただけます。
「仕事が遅くなったときコンビニやスーパーで買うことが多かったのですが、夜遅いからカロリーを控えようとすると、カップスープやサラダチキンと、いつも同じ組み合わせになってしまって。こんな食事でいいのかなって、罪悪感を感じながら食べていました。
でも、がんばった1日の終わりが罪悪感って、なんだかもったいないなと思って…。せっかくなら、気持ちよく1日を終えられる夜食があったらいいなと思って『22時のカレー』の開発に至りました」(左近さん)。
開発過程では、脳波を計測するデバイスを使用し、食べている時のリラックス状態を計測。数種の試作品で検証を行い、数値化した上でそのフィードバックを生かしながら、主観的な感覚だけでなく、客観的な数値も用いて味や香りを調整されたそうです。
仕事で疲れている人に、いかに気持ちのいい1日の終わりを提案できるか、徹底的に考え抜かれたレトルトカレーです。
気分に応じてアレンジも楽しめる
カレーといえば、もちろんご飯やパンとの相性も抜群!サラリとした食感なので、スープとしてもいただけます。
「食欲がないときは、オレンジをひと欠け絞っていただくと、爽やかな酸味が加わってより食べやすくなりますよ。プレーンヨーグルトを大さじ1加えると、味はスッキリ、食感がまろやかになります。ガッツリ食べたいときは、チーズやゆでたまごをトッピングしてもいいですし、お好みのハーブをまぶした鶏肉や焼き野菜もぴったりです」(左近さん)。
「おいしい」は大切な感覚
もともと食べることが大好きだったという左近さんですが、人を癒す食事に着目し始めるようになったきっかけは、「おいしい」という感覚に救われた体験から。
「数年前にかなり仕事が忙しく、自分のことを後回しにする日々が続いて『まだがんばれる』と思いながら無理をしている時期がありました。そんな時、温かいご飯を食べたら緊張の糸がプツッと切れて、感情が溢れてしまったんですね。涙がとまらなくなって、知らない間にかなりのストレスを溜めていたことを自覚しました。
今まで仕事や人間関係など、外に意識が向きすぎていて自分の感情や感覚に疎くなっていたのだと思います。でも、何かを『おいしい』と感じたとき、その感情は紛れもなく自分自身のもので。外に向いていた意識が自分に戻ってくるというか。『おいしい』ってそれだけ大切な感覚だと気づいたんです」(左近さん)。
どれだけ忙しく、大変な毎日でも、私たちは必ずお腹が空くもの。そんな時、どんな食事が取れれば自分のことを労われるのか、少し時間をとって考えてみてもいいかもしれません。
- ■お店情報
- ゆっくり おいしい ねむたいな
- 22時のカレー(よるくち)
- HP:https://slowlyyummyz.base.shop/
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