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豊かな自然の味がする。ショートトリップにもおすすめ栃木県・黒磯『KANEL BREAD』

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豊かな自然の味がする。ショートトリップにもおすすめ栃木県・黒磯『KANEL BREAD』

美しく雄大な那須岳の裾野にある、栃木県・黒磯。

伝説的に有名なカフェ『1988 CAFE SHOZO』から始まり、ここ数年、立て続けにお店がオープンしたことで注目されているエリアです。東京駅から東北新幹線とローカル線を乗り継ぎ、約90分で遊びに行ける手軽さも、おでかけに人気の理由。自然豊かでおいしいごはん、すてきなショップが歩いて行ける距離に並び、おしゃれな雰囲気のなかには地元のレトロさ、あたたかさも感じられます。

今回ご紹介する『KANEL BREAD(カネル・ブレッド)』は、そんな黒磯の駅前に佇んでいます。

KANEL BREAD(カネル・ブレッド)外観

2013年のオープン以来、地元のみならず県内外たくさんのお客さんに親しまれ、連日完売。東京で開催されるパンイベントでは、整理券が出るほどの人気ぶりです。国産小麦や地元野菜など素材にこだわり、オープン9年目の今も「おいしい」を追求し続ける人気ベーカリーに訪れました。

 

改良を重ねたスウェーデンの伝統パン「カネルブッレ」

KANEL BREAD(カネル・ブレッド)内観

木のぬくもりを感じるナチュラルな雰囲気の店内には、食パンやハード系、惣菜系、スイーツ系などたくさんのパンが並び、焼き立ての香ばしい香りとともに訪れる人を出迎えます。

併設のカフェ『Iris bread&coffee』では、購入したパンを持ち込みOK!こだわりのコーヒーと一緒に、焼きたてパンを頬張る人の姿も。

『Iris bread&coffee』メニューカフェではクロックムッシュやホットサンドなども注文できる

お店の名前を冠する「カネルブッレ」は、スウェーデンの伝統パン。シナモンとカルダモンのさわやかな香りが特徴で、オープン時から店頭に並ぶ看板商品です。「何度も改良を重ねて焼き続け、現地の味を忠実に再現しました」と話してくれたのは、オーナーの岡崎哲也さん。スウェーデン人の義兄から、カネルブッレの存在を教えてもらったそうです。

カネルブッレカネルブッレにトッピングされるニブシュガーは、小さな金平糖のような食感

スウェーデンには、1日に何度もコーヒーと甘いものを食べる「フィーカ」という文化があり、その定番が「カネルブッレ」なんだそう。「ちょっと一息つこうかな」と思ったとき、KANEL BREADに立ち寄ってほしい。そんな岡崎さんの思いが店名から伝わってくるようです。

KANEL BREADのパン「なにを食べてもおいしい!」と足繁く通うお客さんも多い

他にも、焼き目が繊細で美しい「クロワッサン」や、お酒とも相性の良さそうな「クリームチーズとクランベリーのパン」、旬のフルーツが乗った「デニッシュ」、香りや食感の違う3種類の食パンなど、魅力的なラインアップ。初めて訪れる方なら、どれも魅力的で選びきれないことでしょう…!

KANEL BREADの焼き菓子ドーナツなどの焼き菓子も充実

“サステナブルでおいしい”を追求。廃棄食材を活用した「ホエイのパン」

KANEL BREADのホエイを使ったパン

棚に並んだパンのネームタグを見ていると、ベーカリーでは珍しい「ホエイ」の文字に目が留まりました。ホエイとは、チーズを作るときにできる乳清のこと。一般的に廃棄物として捨てられてしまうホエイの栄養素に着目した岡崎さんは、お店の近くにある『チーズ工房那須の森』からホエイを分けてもらい、2020年頃からパン作りに活用し始めたそうです。

ホエイを使ったイングリッシュマフィン外はサクッ、中はモチっとした食感が楽しいホエイのイングリッシュマフィン

「ホエイはタンパク質や必須アミノ酸、カルシウムが豊富な栄養価の高い食品。これをパンに使うと、牛乳やバターを使っていないのに、ミルキーなコクが生まれるんです」

現在、ホエイを使用したパンはイングリッシュマフィンなど約5種類。「サステナブルでおいしいパン作り」にも力を注ぎます。

「国産の小麦や地域の食材を使っていることは、こだわりというか、ベースとなっていますね。そのうえで一番大切にしているのは、『おいしいものを作る』こと。『サステナブルでもおいしくない』では意味がないんです。健康や環境にこだわるあまり、味覚に我慢が生じているとしたら、それってハッピーとは言い難いですよね。だから『おいしい』が大前提にあるんです」

 

KANEL BREADから生まれる、“食”を起点にしたコミュニティ

KANEL BREADオーナーの岡崎哲也さんオーナーの岡崎哲也さん

以前は東京のレストランでワインの仕事をしていたという岡崎さん。那須での事業展開を考え始め、「ワインに合うおいしいパンを作ろう」と思い立ったのが始まり。

「軌道に乗るまでが大変でした。転機になったのは、オープンして2年目の、三越銀座での催事です。お客さんの目の前で、生地を仕込んで焼くという販売方法に注目が集まり、メディアの取材を受けるようになりました。それから少しずつお客さんが増えていったんです」。

穏やかな笑顔で当時を振り返った岡崎さん。4人のスタッフで始めたKANEL BREADは、今ではスタッフ20人の大所帯となり、一度味わえば忘れ難いおいしさにファンが急増。地元の常連客や、遠方からのお客さんが行列を作る人気ベーカリーとなりました。

KANELBREDのスタッフお写真を頼んだら、「スタッフも一緒にいいですか?」と岡崎さん

「パンを発送してほしい」というお客さんからの声に応えて、2020年頃からオンラインショップもスタート。さらに2022年の夏を目処に、ピザ店とチーズ工房をオープン予定とのことで、どんどん想いを形にしていきます。

「地域の素材を生かして社会課題の解決につなぎつつ、“食”を起点にしたコミュニティを作っていけたらと思っています。将来的には、那須の、もっと自然が深い場所でお店を出せたらと考えているんですよ」。

こう締め括った岡崎さんは、那須の山々のように広く、穏やかな眼差しで数年先を見つめていました。KANEL BREADから紡ぐ、おいしい未来への期待が高まります。

  • ■お店情報
  • KANEL BREAD(カネルブレッド)
  • 住所:栃木県那須塩原市本町5-2
  • 営業時間8:00〜18:00
  • ※併設のカフェ『Iris bread&coffee』は9:00〜17:00
  • 定休日:火曜日
  • https://kanelbread.jp/
  • ※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。

 

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