日本全国からこだわりのパン屋さんが集結し、食べて呑んでおいしいパンを楽しむお祭り『青山パン祭り』。毎回、開催時間前から行列を作るほどの人気で、前回の開催では来場者が2日間で5万人に達したのだとか。
回を重ねるごとに来場者が増え続けている秘密や、パン祭りの楽しみ方を事務局の佐々木緑さんに聞きました。
青空の下、わいわいパンを食べ比べ
年に4回開催されている『青山パン祭り』。第6回となる前回(5月30日、31日開催)は、「初夏のパンピクニック」をテーマに、青空の下で楽しみたいサンドイッチやパンの販売、ワークショップを行ったそうです。
「『青山パン祭り』は年に4回開催しているため、毎回その季節ならではのパンの楽しみ方をみんなで考え、企画しています。
3月に開催した時は、寒かったのでポタージュなどのスープとパンのセットが人気でした。そこに添えるパンは、製造過程で出る余り生地でパンを焼いていただき、出店するパン屋さんのご好意で集まったものです。
前回は5月ながら汗ばむ陽気だったので、クラフトビールとの相性が良いアルゼンチンの『チョリパン』やアメリカンスタイルの『BBQサンド』が人気でした」と佐々木さん。
爽やかな初夏の風を感じながら、ビール片手にガッツリしたお肉系のサンドイッチをガブリ。当日のことを想像するだけでお腹が鳴りますね。
毎週土日に国連大学前で開催している青山ファーマーズマーケットと同時開催なので、農家さんの新鮮な野菜や果物、ドリンクやデリ、スープなどパンのお供が充実しているのもうれしい。ちょっとずつ選んで贅沢なランチを楽しむことができます。
近年ますます加熱するパンブーム
予約制の『限定のパンセット』はすぐ完売してしまうんだとか。ここ数年のパンブームを佐々木さんはどのように感じているのでしょうか?
「事前予約が必要な『限定パンセット』では、パン屋さんにこのために作っていただくパンから、人手が足りず出店できないパン屋さんにご協力いただいています。どんなお店のパンがおいしいかご存知の参加者が多く、パン好きの底力を感じますね。
パンはどの国でも主食として食べられているので、身近に感じやすいのではないでしょうか?かわいい見た目やふんわりした形も食欲を刺激しますよね!私も大好きです。
『青山パン祭り』は、日本全国から集めたおいしいパンとマーケットの活気ある雰囲気を同時に味わえるので、パン好きの方はもちろん、ふらりと遊びに来た方もみなさん満足していただけると思います」
全国から集結!ラインナップの秘密
パン好きが『青山パン祭り』に注目する理由のひとつは、そのお店のラインナップ。全国に名前が知れている有名店から、パン祭りをきっかけに注目されるようになるお店まで。さまざまなお店が一堂に会するので、ここぞとばかりに大量買いするパン好きのみなさんの気持ちも分かります。出店者を決める時の決め手はいったい何なのでしょう。
「一番大切なのはおいしさです。それから作り手の個性や、お店の規模に関わらず応援したいと思える要素があるかなども重要ですね。毎回来場してくださるお客さんに楽しみにしていただけるよう、真剣に選んでいます。出店されるパン屋さんはどれも自信を持ってご紹介できますね」。
事前に丁寧な面談や試食、リサーチをして、信頼のクオリティを保っているのですね。
ワークショップもますます充実
前回人気があったワークショップは、「全種類制覇しよう!みんなでSHAREする世界のサンドイッチ」。これは、パン祭り会場の「世界のサンドイッチブース」にある、イスラエルの豆コロッケ・ファラフェル、ベトナムのバゲットサンド・バインミー、イタリアのパニーニなどを少しずつ味わうというもの。
「『名前は聞いたことがあるけど食べたことはない』という世界のサンドイッチを、参加者に少しずつ召し上がっていただき、その背景や歴史もひも解きました。実際に食べながら知識も深めることができたと参加者に好評でした」
「どこの国のパンなのか?」「どうやって作っているのか?」「材料は何なのか?」という普段スポットライトが当たっていない部分を掘り下げることで知識も深まります。また、会場に集まったお客さん同士で話すきっかけもできそうですね。パンにまつわるストーリーを知ることで、パンに対する愛情もますます深まります。
「パンが好き」で人と人がつながるイベント
「私の中で『青山パン祭り』のイメージは、“大きなカンパーニュをみんなでワイワイ食べるお祭り”です。ジャムをつける人がいてもいいし、チーズをつける人がいてもいい。それぞれの楽しみ方で食べて、生産者やパン職人と参加者『パンが好きな人たち』が同じ会場で交流できたら素敵ですよね。また、南は沖縄から、北は福島まで、なかなか行けないような地方のおいしいパンも食べられる機会なので、お気に入りのパンを見つけるきっかけになればと思います」
「また、パン祭りの大きなテーマが『発酵の力』。パン種も国によって違います。例えば、フランスだったらサワードウやレーズン酵母、ドイツだったらライ麦酵母、日本だったら酒種があったり。どの酵母が優れているか?という比較ではなく、個性の違いも楽しんでもらえたらうれしいです。酵母がパン生地に入るとエネルギーを得て発酵するように、来場するお客さんにも元気になってもらえたら良いですね」
いろんな国にルーツがあるにも関わらず、身近なパン。パンに魅力を感じるのは、どんな食文化も受け入れる懐の深さがあるからではないでしょうか?
青山は和食、イタリアン、フレンチと、様々なレストランがならび多彩な食文化がMIXされる豊かな場所。そんな場所だからこそこのパン祭りはここまで賑わうイベントになったのかもしれませんね。
このイベントもきっとパンのようにふんわり膨らんで、人の心を和ませ、暮らしに貢献し続けていくのでしょう。小麦やバターの生産者も、パン職人も、来場したお客さんも。「パンが好き」という気持ちがある人すべてが幸せになれるイベントです。
- □イベント情報
- 青山パン祭り
- 主催:NPO Farmer’s Market Association
- メディアサーフコミュニケーションズ株式会社
- 会場:東京都渋谷区神宮前5–53–70 国際連合大学前広場
- 問い合わせ先:pan@mediasurf.co.jp
- ※次回の開催は10月24日(土)、25日(日)を予定! 詳細はFacebookで配信中!
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