パリに移住したライターの鈴木桃子さんが、街中で見つけたすてきなパリジェンヌをスナップする連載の第6回。
華美ではないけれど、シンプルなスタイルの中にきらりと光るセンス――そんなすてきな人のエッセンスを探るべく、パリの街角で出会ったパリジェンヌたちにプチインタビューを敢行します!
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独学で陶芸を始め、洗練されたモダンな作風で注目される若きパリジェンヌ、レア・バルダサリさん。
マーブル模様や白、黒のモノトーンをベースに、大きなハンドルが付いたマグカップや有機的なフォルムのプレートなど、フォルムで遊んだ作品は独特で詩的な佇まい。
愛犬を散歩中の彼女をアトリエ前でキャッチしました。
シンプルでコンフォータブルなスタイルにはクラシカルなエッセンスを
―今日のファッションのポイントは?
『GANNI(ガニー)』のレオパード柄パンツは、とても気に入っていてよく着ているものです。今日着ている『Soeur(スール)』の100%ウールセーターを合わせることが多いです。
最近ブラウンに夢中! ガーリーすぎるテイストは好みではないので、『Blundstone(ブランドストーン)』のブーツを合わせました。
とても履きやすく、暖かいので、寒くて天気が崩れがちなパリ暮らしには欠かせないブーツです。カーキのウールコートは、祖母の姉妹から譲り受けたヴィンテージ。このコートも、今日みたいな寒い日にはぴったり!
―いつもバッグの中に入れているものを教えてください。
シンプルで使い勝手の良い『Soeur』のバッグを愛用中。
この中には、常に私が大好きなスキンケアブランド『Absolution(アブソルーション)』のリップバームを入れています。
メイクアップアーティストのバイオレットが立ち上げたコスメブランド『Violette(バイオレット)』の口紅も好きで、疲れて見えるときには頬にも塗ったりします。
あとはヴィンテージショップで見つけた財布、家とアトリエの鍵、携帯電話くらい。いつも、あまりたくさん持ち歩きません。
―あなたのファッションルールはありますか?
陶芸と向き合う私にとって、快適さはとても大切です。着心地も大事なので、合成素材は避けることが多いです。
シンプルなスタイルが好きだけど、ヴィンテージかつクラシックなエッセンスを加えることもあります。
第2のキャリアで自分に合うものを見つける
―いつからパリで暮らしているのですか?
パリ近郊のランブイエの森にある小さな村で育ちました。映画や演劇界で活躍するメイクアップアーティストになる勉強をするために、パリに引っ越してきたんです。
もう15年ね。
最初はマレ地区にある祖父母の家に住んでいました。
―陶芸を始めた理由は?
幼い頃からなにかを作ったりすることが好きだったけれど、ずっと自分になにが合うのが見つかりませんでした。
陶芸家になるまでの道のりは長かったです。初めて陶芸をしたのは、5年前に従兄弟の誕生日のために開催されたワークショップですね。
その後、先生のもとでコースを続けて、好きなときに参加できるワークショップに行ったりもしました。コロナ禍で最初にロックダウンがあった時、田舎にいてなにもやることがなかったので、2カ月間、陶芸だけに集中し、夢中になりました。
その頃、インスタグラムのアカウントを持ったこともあり、レストランを中心にオーダーが入るようになって。
次の秋には、もう窯を買って工房を構えることになりました!
―自身の作風として、どのようなことにこだわっていますか?
私の作品は、手の跡が見えることが特徴的だと思っています。手びねりで丁寧に作った風合いが残るし、1つ1つがオリジナリティ溢れる1点ものになります。ざらりとしたラフな質感を大切にしていて、色のある釉薬は使いません。
そうすることで、詩的な佇まいを醸し出す作品に仕上がると思っています。それでいて、手に取ってくれた人たちが毎日使えるような日常使いしやすい器を目指しています。
―創作のインスピレーションはどのように得ていますか?
私は本能的なタイプで、日々いろいろなことを試しては気に入ったものを見つけています。
最近は、自然からインスピレーションを受けることが多いですね。
森でゆっくり過ごすことが好きで、その時間が私に力をくれるように感じます。
フリーランスならではのワークライフバランスを楽しむ
―日々、どのようなタイムスケジュールで過ごしていますか?
毎日決まっているスケジュールはないんです。フリーランスのすばらしいことは、自分の時間を自由に使えることだと思います。
毎日同じスケジュールで過ごすことはなく、週末に働くこともあれば、平日に働かないこともあります。
それが、私にとっては本当に贅沢なこと!プライベートと働き方のバランスをうまく取ることができているかな。
―幸せな気持ちにしてくれる日々のルーティーンはありますか?
朝起きたら、まず顔に冷たい水をかけて目を覚まします。
その後、カフェオレもしくは抹茶を淹れて、ソファでラジオやポッドキャストを聞きながら、ゆっくりと楽しみます。
昨年飼い始めた愛犬のマルセルを散歩させて、身支度を整えてアトリエに行ったりします。この朝のルーティーンが、私にとって心地よい時間ですね。
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ちょっぴりシャイなはにかんだ笑顔で、陶芸への情熱を語ってくれたレアさん。
自然を愛する彼女のナチュラルでピュアな人柄が、手仕事の温もり溢れる作品からも感じられるようです。
パリジェンヌの間では陶芸が流行中! 彼女のようなセカンドキャリアの陶芸家が増えていきそうです。