前回のコラムで書いたように、私の家族は3月下旬にパリに帰る予定だったのを延期して、日本に滞在しています。
2ヶ月以上留守にしてしまっているパリのお家がどうなっているかも気になりますし(友人に鍵は預けているものの外出制限があるので見に行ってもらえない)、家族のような付き合いをしている友人たちのことも気になっています。こんなに長く滞在する予定ではなく必要最低限のものしか持ってきていないので不便もいっぱいです。
やっぱり自分の家じゃない場所は落ち着かないですし、早くパリに帰りたい!という気持ちですが、フランスは外出制限などが日本よりも厳しいため、わんぱく盛りの息子と一緒に家の中でずっと過ごさなくてはいけないのは実際大きな問題。そんなわけで、日本にいれるだけ日本にいた方がいいよという友人たちからのアドバイスもあり、滞在を延期しています。
友人の何人かも感染
パリのスーパーマーケットの様子。レジ前には感染予防のビニールシートや透明の板があります。フランスではロックダウン後しばらくして広まっていった印象ですが、日本では自粛制限後すぐに設置されていましたね。
フランスは、今のところ感染者数も死者数も日本と比べるとかなり悪い状況。実際私の友人・知人だけでも20人近くの人がコロナに感染しています。先日のコラムを書いていたときは「10人以上感染しています」なんて書いたのですが、その後も増えていました。
私の知人たちは、病院にも行かず(行けず)、入院もせず2〜3週間かけて自宅療養で治した人たちがほとんど。フランスの医療機関もパンク状態なので、感染が疑われる場合はまずは電話かオンラインでの診療から。新型コロナの症状と診断された場合も、ひどい症状でない場合は自宅療養を指示されたのだそう(自宅療養の人たちの中にはPCR検査も受けてない方も多いようです)。
感染した友人たちに聞いた症状
予防対策をしっかりしている家庭では外出を控え、買い物も配達に依頼。届いたものは手袋をして除菌後、しばらく外に放置しておくこともあるのだそう。
友人たちに症状を聞くと、ニュースで報道されている通り2週間微熱が続いて寝込む、味覚と臭覚が麻痺する、猛烈な倦怠感で寝込み続ける、咳が止まらないなど。
「ジャムの瓶に入れていたコチュジャンをジャムと間違えてパンにつけて食べていて気づかなかった」とか、「子供の便の匂いを感じなくなりオムツ替えで困った」とか「ビールを飲んでも何も感じなかった」とか。味覚と臭覚の異常についての経験談は衝撃的でした。
子どもは元気!?
自粛生活でみんな料理の達人に。学校が休みの子供たちを巻き込んで家族で料理やお菓子作りを楽しんでいるよう
そして友人の多くが口にしていたのが、一緒に住んでいる子供が無症状か軽症で済んでいるということ。もちろんこれは私の友人・知人に限ったことですが、「こんなに咳き込んで高熱の人が狭い部屋の中に一緒にいるのに元気いっぱいなんてやっぱり子どもは強いのかなあ…」とみんな不思議がっていました。
フランスは5月11日から学校なども少しずつ再開して、ロックダウンを緩和していくと発表されていますが、さて、どう状況が変わっていくか。とにかく1日も早く世界中が元の通りに戻ることを祈るばかりです。日本もフランスも、1年で最も過ごしやすい美しい季節である今を、1日も早く思い切り楽しめる日が来ますように…。
※5月1日現在の状況となります。
※個人のレポートとなります。症状には個人差がありますので、政府や医療機関からの情報をご確認ください。
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