東京の『ジョエル・ロブション』やパリの『シリル・リニャック』での経験を経た後、モンマルトル地区に本店とカフェ形式のお店の2店舗を構えるブランジュリー・パティスリー『Boris Lumé(ボリス・リュメ)』。
地元の人たちに愛される作り立ての品々には、ところどころ日本のエッセンスが組み込まれています。それもそのはず、シェフのボリスさんの奥様は日本人。スタッフにもおいしいコーヒーを淹れてくれる日本人の方がいるカフェ店舗の方は私自身もよく訪れるお気に入りのお店です。スタイリッシュで洗練されたケーキたちはどれも味のレベルが非常に高く、構成の面白さも相まって日々お客さんが絶えません。今回はそんな落ち着く素敵なカフェ店舗をご紹介します。
フランスで出会う日本の定番菓子パン
モンマルトルのサクレクール寺院からもほど近い通りに佇むこちらの店舗。ショーケースを覗くとエクレアのような細長い形をしたタルトが何種類も並んでおり、どれも美しく見入ってしまします。
クロワッサンなどパン類も陳列され、その中にはなんとあんパンとメロンパンが!フランスの材料で作られる日本の定番菓子パンはどことなくいつもよりおしゃれな雰囲気すら漂います。
トロピカルフルーツと生クリームが繊細なマンゴータルトにラテを添えて
日本人の店員さんにカフェオレを注文すると綺麗なラテアートが。コーヒーとミルクの絶妙なバランスのおいしさがまだまだ寒いパリで冷え切る体にしみわたります。ケーキ屋のホットドリンクでここまでおいしいのは実はなかなか珍しいことなのです。一緒に注文したのはこちらのマンゴーのタルト。
ぷるぷるのマンゴーのジュレが塗られた表面を割ると中からパリっとホワイトチョコレートのコーティングがお目見えします。そしてその下にたっぷりの新鮮なマンゴーの果肉、タルト生地と続きます。トロピカルフルーツを使ったケーキは大味になってしまうケースをよく見受けますが、逆にここまで繊細に仕上げることができるのかと驚きました。なめらかな生クリームとの相性も非常に良く、そのほかのフルーツを使ったタルトもすぐに試したくなるほどでした。
レモンとバジルの爽やかなタルト
2つ目はこちらのタルトシトロンです。寒い時期だからこそ気分をシャキッとさせてくれるレモンが恋しくなります。爽やかなレモンクリームにバジルを合わせることで全体をキュッと締めてくれる絶品のレモンタルト!丁寧に絞られたクリームの羅列が美しい目でもおいしい1品はお土産にもぴったりです。
フランスと日本の融合!見た目も鮮やかな抹茶タルト
そして最後はこちら、私のイチオシ、抹茶タルトです!抹茶の味が濃い本格派クリームがもりもり絞られた美しいルックス。アクセントのフランボワーズの飾り付けも非常にかわいらしいですよね。クリームの下は抹茶チョコレートのコーティングで覆われ、それを割り進めると抹茶のスポンジケーキと生クリーム、そしてフランボワーズのソースにたどり着きます。フランボワーズの甘酸っぱい酸味が和の抹茶から一気にフランスの風を吹かせるような爽やかさをもたらしてくれるようです。
日本人の私にとっても、こういった融合はとてもうれしく、また馴染み深い食材の新たな可能性を知ることができ、ますますパティスリー愛が強まります。
選ぶものによってさまざまな表情を見せて楽しませてくれるボリス・リュメのカフェ。モンマルトル散策の一休みに伺ってみてはいかがでしょうか。
- ■お店情報
- 名前: Boris Lumé café pâtisserie(ボリス・リュメ カフェ・パティスリー)
- (もう1店舗の本店Boris Lumé Boulangerie)
- 住所:28 Rue Lepic, 75018 Paris
- (本店: 48 Rue Caulaincourt, 75018 Paris)
- 営業時間 :8:30-18:30
- (本店:7 :45-20 :00)
- 定休日:月曜日・火曜日
- (本店も同様)
- HP:https://instagram.com/boris_lume?igshid=pxef6h6650bt (シェフの公式インスタグラム)
■一緒に読みたい記事
男性から女性へ愛を伝える日。フランスのバレンタインケーキをご紹介
パリ17区で優雅なティータイムを。『KL Pâtisserie(ケー・エル パティスリー)』
お花をモチーフにした大人のスイーツ『Cédric Grolet Opéra』をご紹介