12月5日からフランスで始まった無期限のストライキ。1日で終わるのか、本当に無期限で続くのか…始まってみないと誰にもわからなかったのですが、この原稿を書いているクリスマス直前にもまだ続いています(1月7日現在も継続中)。
パリの公共交通機関のほとんどが麻痺していて、TGVなどもほぼ運休になり、クリスマスバカンスを前に大混乱を起こしているというニュースが日本でも流れているようなので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?
パリではしょっちゅうあるストライキ
鉄道職員、学校の先生、警察、病院、タクシー運転手…と、年間を通してしょっちゅうデモ活動が行われる国フランス。今回のデモ活動およびそれに伴うストライキは、マクロン大統領の年金制度改革に反対するためのもの。
例えば、パリ交通公団の年金制度は、過酷な労働状況のため通常より10年早い52歳から年金をもらえるシステムになっています。しかし、今はもちろん石炭で電車を動かすわけではないため制度変革を実施することになったのですが、その特権制度を失うものかと猛反対してストライキがおきたというわけです。
今回のストライキでは交通網がストップで大混乱
パリっ子の足であるメトロは、自動運転の1番線と14番線は通常通り動いていますが、ほとんどの路線が運休。一部の路線だけ通勤ラッシュの時間に数本に1本の運行という状況です。バスも一部の路線のみ本数を減らして運行しています。
一部運行というと「動いているなら大丈夫なんじゃない?」と思われてしまうかもしれませんが、数少ない電車やバスに多くの人が集中するので、殺気立った争奪戦の末乗れないことも多く、運良く乗れても乗客同士の小競り合いに喧嘩に怒号が飛び交う悲しい状況。さらに常に満員の大混雑の電車やバスを狙って、いつもはあまりいないところにまでスリが多発しています。
徒歩と自転車、キックボードで通勤
というわけでパリの今の移動手段は徒歩、キックボード、自転車、車。私も毎日3〜4時間以上歩いて送り迎えや仕事に行っていますがこれはまだマシな方。郊外から通勤・通学する人は徒歩やキックボードを駆使して片道3時間かけて通うという人もいるのだとか…!
クリスマスイルミネーションが1年でもっとも美しい季節のひとつのこの時期に、パリを訪れている観光客にも当然大打撃。パリ市内とシャルル・ド・ゴール空港間は通常40分前後なのですが、今は片道3時間以上かかる状況です。パリ市内の移動もバスが来ても乗り込めない状況。大きなトランクやリュックを持って、なすすべなく呆然と立ち尽くしている人たちを毎日見かけます。
観光で訪れる方は要注意です!
「クリスマスバカンスに入っても続くようだ」「年明け1月6日まで続くことは決まったらしい」など、パリに住んでいてもギリギリにならないと最新情報が手に入らない状況ですが、年末年始の観光客を直撃することは確かなようなので、パリにいらっしゃる予定の方はタクシーの移動を基本に考えて、普段より3倍くらいの時間的余裕を持って行動することをおすすめします。
TGVも数本に1本しか運行していませんので地方を訪れる予定だった方もご注意を!
1年中観光客で賑わうパリの百貨店、『ギャラリー・ラファイエット』も客足が例年の50%減だということ。こんなことをして誰が得しているのかしら…と考え込んでしまうことも正直ありますが…。せっかくのパリ旅行が台無しになってしまわないよう、情報を収集してスリにもいつも以上に気をつけてくださいね。
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