前回に引き続き、25周年のアニバーサリーイヤーを迎えた「サロン・デュ・ショコラ パリ」のレポート第2弾をお届けしたいと思います。「サロン・デュ・ショコラ」と言えば皆さん大好きなショコラティエやパティシエに直接会える機会であり、普段は遠方でなかなか食べられないお菓子を一度に楽しめるまたとない祭典です。その一方で、来場者および出展者ともに新たなビジネスチャンスを求め、精いっぱいにチョコレートの価値を提供し追及する機会でもあります。
私自身も皆さんと同じようにおいしいものを探索する目的で来場をしていますが、また同時に新しい今までに出会ったことのないチョコレートやお菓子とのめぐり逢いを楽しみにしていきました。
スパイスの豊かな香りを放つアフリカのチョコレート『MIDUNU CHOCOLATES』
会場を一通り巡るなか、素敵な笑顔をくれたショコラティエールが紹介する、とあるブースに到達しました。アフリカのガーナから来仏した『MIDUNU CHOCOLATES』です。笑顔に惹きつけられて説明を受けると、ガーナやアフリカ諸原産のスパイスを使ったチョコレートが売りとのこと。ひと口試食をさせて頂くと、口に入れた瞬間に鼻を通り抜けるスパイスの豊かな香りと微かな舌への刺激にこれまでチョコレートに感じたことのない感覚を抱きました。
スパイスを使用したチョコレートは数多くあれども、これほどまでにそれぞれのスパイスの特徴がはっきりと感じられ、またチョコレートとしてのおいしさもあるボンボンショコラに初めて出会いました。6個入りのボンボンショコラは驚きの5€!(約600円)普段人気ショコラティエのチョコレートを召し上がる方なら、このリーズナブルなお値段に驚かれることと思います。
この6つのショコラにはそれぞれナツメグや胡椒、生姜やトウガラシなどアフリカ産の材料が使われています。さらにお話を伺うと、将来的にチョコレートがとても愛されているフランスや日本などでの展開を実現したいということでした。どなたか業界の方も私と同じ感動を得たことを期待し、いつか日本でも食べられる日が来ることを願い待つことにします。
ホンジュラスのBean to bar『PALATO』
次に足が止まったのはこちらの『PALATO』。中央アメリカに位置するホンジュラスのBean to barメーカーです。数多くのタブレットチョコを展示されていて、パッケージデザインのクリーンさから洗練されたチョコレートを想像しました。
いろいろ試食させて頂くなかで、買わないわけにはいかなかったのがこちらのレモンと岩塩を使用したホワイトチョコレートです。この組み合わせ、おいしくないわけがありません。レモンは酸味があるというよりは甘い風味が強いのですが、岩塩の塩味と合わさってホワイトチョコレートの甘さと絶妙にマッチしていました。どうやらその日の最後の1枚だったようで、それ以上は購入できなかったことが悔やまれます!
フランス・ナントで大人気の『Vincent Guerlais(ヴァンサン・ゲルレ)』
フランス国内からもパリにはお店を出しておらず地方を訪ねなければ食べられないお店が出展していました。その代表とも言えるのが『Vincent Guerlais』。フランス西部に位置する都市、ナントで大人気のパティスリー・ショコラトリーです。日本への上陸も噂される『Vincent Guerlais』からはナント銘菓のガトーナンテ*を現代風にアレンジしたものがお店に先駆けて販売されていました。
*ガトーナンテ…ブルターニュ地方ナントの銘菓。ラム酒を加えたアーモンドケーキで、上にはラム酒と粉砂糖のみで作られるアイシングがされた、しっとりとした焼き菓子。
元々焼き菓子の要素が強いガトーナンテですが、試したチョコレート味は生チョコテリーヌのようなくちどけの良さと濃厚さを感じる逸品でした。
2020年、「サロン・デュ・ショコラ」が東京で開催!
ブースはお客さんが絶えず、普段なかなか手に入らないチョコレートやマカロンなどを求めて列をなしていました。シェフ自身が接客をする様子を見られるのもこの機会ならではないでしょうか。次は日本での開催が待たれる「サロン・デュ・ショコラ」。ひと足早く公式ウェブサイトが始動したようですので、まずは今後の流れの様子を見ながら、そしてお目当てのショコラティエを思い浮かべながらチョコレート貯金を始めましょう!皆さんの幸せなチョコレートライフを願ってレポートの締めとさせて頂きます。
次回からは、引き続きパリのオススメパティスリーのご紹介をいたします!
- ■イベント情報
- 名前:Salon du Chocolat Paris (サロン・デュ・ショコラ パリ)
- HP:https://www.salon-du-chocolat.com/
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