11月末から、フランスではクリスマスイルミネーションが灯り始め、街中にはクリスマスマーケットと呼ばれる屋台が立ち並びます。地方の物産やクリスマスにちなんだ飾りや洋服など、さまざまなものが展示され、街が賑やかになる時期です。
今年はパリのクリスマスマーケットが中止!?
パリでは例年、シャンゼリゼ通りのクリスマスマーケットが有名ですが、今年は「made in France」ではない安価なものがとても増えていたことを理由に中止になり、とても驚きました。
5ユーロのマフラーや帽子を横目に、「これはフランスのものではないな〜」と思いながらも、屋台でスパイス入りホットワイン「vin chaud(ヴァン・ショー)」を飲み、焼き栗を食べるのは楽しい時間だったので、中止はちょっと残念…。
そこで、「ならば、今年はクリスマスマーケットの聖地、アルザスへ行こう!」と、急に思い立って行ってきたのでした。
アルザスのクリスマス市はフランス最大で最古!
ドイツとの国境近くに位置するアルザス地方では、クリスマスマーケットは伝統的にとても大切なイベントです。宗教的にももちろんですが、何より家族をつなぐためにも欠かせないイベントといっても良いような気がします。
クリスマスマーケットでは、こんな仲の良い家族の風景も。
家の窓辺のデコレーションでも感じることができます。この家の窓すべてが、これくらい飾られているのにびっくり。アルザスの住宅地では、これくらい手づくり感溢れる&本格的なデコレーションを見ることができるのです。これはパリではなかなか見られない文化です!
アルザス最大都市、ストラスブールのクリスマスマーケット
小さな村でもこれくらいデコレーションしているわけですから、アルザス地方最大の都市ストラスブールの中心はどんな感じなのかと胸がワクワク!いざ、散策します。
ストラスブールのクリスマスマーケットの歴史は、なんと1570年からということなので、なんと4世紀に渡り、続いているのだそう!始めは、「キリストの子(イエス)のマーケット」というドイツ語からクリスマスマーケットと呼ばれるようになったとか。
『christkindelsmärik』と書かれたクリスマスマーケットの入り口。そんなストラスブールのクリスマスマーケットは、アルザスの人はもちろん、それ以外の地方から来る観光客も一挙に集うだけあって、とにかく大規模なのです。大聖堂前の広場や市庁舎前の広場など、大きな広場にはクリスマスマーケットが立っています。
屋台の屋根には、アルザスのシンボルでもあるコウノトリが。その下のハート形のパンは、「ブレッツェル」です。アルザス地方ではハート形が伝統的な形で、家具や窓の鎧戸につけるくらい。ただかわいいからつけるハート形とはちょっと意味合いが違うようでした。
30mもの巨大なクリスマスツリーが登場
街の中心にあるクレベール広場には、毎年、巨大クリスマスツリーが現れることでも有名です。今年は樹齢180年ほどの30m級のモミの木だそうです。このツリーは、ヨーロッパでも最大級で、今年は設置直前に折れてしまって2本目を切り出し、それもひびが入ってきたため、今は3本目だとか。苦労の甲斐あってか、ひときわ目立つ存在でした。
このツリーを前にすると、他の並んでいる大量のモミの木がなんだか小さく見えますね。この並んでいるモミの木は家庭用。フランスの家庭では、本物のモミの木を毎年購入するのです。1mくらいのものから3mくらいまで、サイズもいろいろ。
期間中、ストラスブールの街は完全に交通整理されて、ほとんど車が通れなくなり、中心部はほぼ歩行者天国になっています。それでも、人混みで通りにくい道ができるほど、大勢に賑わいます。
かなり遠くから、あの巨大ツリーを発見!日が落ちて、手前のイルミネーションも赤く輝き出し、昼間とは全く違う印象に。
ストラスブールの名所大聖堂前にもクリスマスマーケット
ストラスブールの一番の顔と言えば、この大聖堂です。あまりに大きくて、全体が撮れない!珍しいゴシック建築で、彫刻の細かさに圧倒されます。バラ色の大聖堂として知られ、フランスでも有数の美しい大聖堂です。
大聖堂前広場にも、クリスマスマーケットの屋台がズラッと並びます。地方の物産や民芸、デコレーションや屋台ご飯などいろいろありました。
小道のイルミネーションも忘れずに!
街歩きをしながら、私が一番気に入ったのは、小道のイルミネーションです。
大聖堂とブログリー広場とクレベール広場の間にある小道には、老舗のレストランや高級ブティックなどが軒を連ねている通りがいくつもあります。その辺りのデコレーションがとても素敵でした。
クリスタル製品ブランド『バカラ』のブティックがある通りでは、バカラのシャンデリアが贅沢に連なっていました。そういえば、『バカラ』の生産地はこのアルザス地方なのでした。クリスタルの『サン・ルイ』も同様にアルザスです。この地方はガラス細工で有名な地方なのです。
アルザスの名産のひとつに、クリスマスのガラス玉のオーナメントというものがあります。もともと、赤いリンゴとろうそくをツリーにつけるのがクリスマス飾りの始まりだと言われていて、この地方では名産であるガラス玉を使ったオーナメントが、りんごの赤とろうそくの灯りの代わりになっていきました。名産と伝統が結びついて、ガラス玉のオーナメントも生まれていた訳ですね。
まだまだ、クリスマスマーケットで見つかるものやアルザス料理のことなど、お伝えしきれないので、次回にお話ししようと思います。
ストラスブールのクリスマス市は、12月30日まで開催されていますので、年末にフランスを訪れる際は、ぜひ、足を伸ばしてみてくださいね。
- ■イベント情報
- オープン時間:11:00~20:00
- ※12月24日は〜18:00まで。25日は祝日のためお休み。
- ※週末は夜間延長営業します。金曜日は〜21:00。土曜日は〜22:00まで。
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