毎年恒例の夏のイベント「パリ・プラージュ」。セーヌ川に砂浜が登場するイベントです。今年のパリ・プラージュは、去年より長く7月8日から9月3日までの約2ヶ月間となり、エリアもパリ東側のサンマルタン運河から、パリ市庁舎前のセーヌ川右岸、そして左岸エリアまで拡大され、パリ市民の生活により身近になりました。
今年は2024年のオリンピック開催地にパリが決まったこともあり、スポーツ色が濃く、いっそう賑やかなイベントになっていました。
ダンスやヨガの自由参加イベントやカヌーやボートなどさまざまアトラクションを楽しめるイベントになっています。
セーヌ川の水を使ったプール「ベニアード」が登場
そして、なんといっても注目したいのが、「Baignade (ベニアード=水浴場)」。あえてプール(フランス語ではpicineといいます)と言わずに、どうしてこの言葉を使っているかといえば、川の水を利用して、水浴場を作っているからなのです。「川で泳ごう!」というコンセプトから生まれたこの施設ですが、ヨーロッパでもコペンハーゲンやチューリッヒなどの大都市でも取り入れられており、自然の川や湖で泳ぐことを推奨することで都市の水質管理の安全面を証明しているのです。パリもこれに続こうとしているわけですね!
昨年は、サンマルタン運河の水を全部抜いて、一斉ゴミ拾いが実施されるなど、さまざまなところで水質向上の活動が行われています(中から車まで見つかったのだとか)。近頃では、セーヌ川に鮭が戻ってきているとも言われていますから、効果が出ているに違いありません。
さて、このベニアード、水深40cm子ども用と大人用には水深1m20と2m、長さは100mの浮島式プールサイドを設けています。水は1日に何度も水質管理されているので安心して泳ぐことができます。
プールサイドにはデッキチェアが並び、シャワールームやロッカーも完備。そして、なんとこれが無料というから驚きです。
この日は、パリで34度を記録するほどの暑さで、子ども達も思いっきり水遊びを楽しんでいました。
2014年のオリンピックでは、トライアスロンの水泳競技1.5kmと水泳種目10kmをセーヌ川で行なう計画なのだとか。それに向けてのアピールの一環でもあり、市民の意識改革をめざす意義もあったようです。
ターザンにボートにもりだくさんのアトラクション
他にも、子どもには最高に楽しいアミューズメントがたくさんありました。
霧噴射ゾーン。この下を通ると涼しくなります!パリは、あまり暑い日が続かないので、大抵の家にはクーラーはありません。猛暑の日はもう家に籠らず、ここでリフレッシュ!
でも、浴びすぎてびしょびしょになることも。もちろんそんなことお構いなしのパリジェンヌ達。
こちらは子ども1人で運転できる船です。よく見るボートよりかわいらしい!
ここはBaby footコーナー。ミニサッカーゲーム場です。自由に使って良いので、対戦相手もその場で見つけています。
大人も子どももできるゲームなので、老若男女入り交じって対戦中。
3歳から14歳までの水上イベントもありました。
中に入って楽しめるバルーンやベビーボートなど、無料やリーズナブルな価格のものなど、まる1日遊べるボリュームです。
突然、頭の上からキャーッと声がしたと思ったら、運河を渡るターザン!
これはかなりの高さで怖そう!でも、少年たちは興奮気味で登っていました。
無料のメリーゴーランドもありますから、小さい子でも楽しめますし、親も一緒に乗って童心にかえっています(笑)。
大人も負けていません。ペタンク場にはこんなにたくさんの人が集っています。昔は老人のゲームだったペタンクですが、若者でいっぱい。ブーム再来の兆しです。かっこいいパリジャンが真剣そのものでスポーツしている姿を見ることができました。
夏に欠かせないのは、アイスクリーム。これはなんとゆずと唐辛子風味。なんだか日本っぽいテイストですね。
ドリンクや食事ものもかなり安く提供しているスタンド。お祭りだからって、無駄にお金がかからないのはパリ・プラージュならでは!?パリジェンヌ、パリジャンたちへの思いやりを感じました。
- ★パリ・プラージュの最新の情報は、パリ市のサイトでご覧下さいね。
- https://www.paris.fr/parisplages
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