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    ピカソにコルビュジエ!20世紀の芸術を一望できる『ポンピドゥー・センター傑作展』

    パリの中心部のシンボル『ポンピドゥー・センター』。「リサとガスパール」のリサの家としてもおなじみですよね。

    映画館、図書館、劇場などが入る総合文化施設である『ポンピドゥー・センター』の中核をなすのが、国立近代美術館です。20世紀初めから現代までの作品、約11万点を所蔵する世界有数の美術館となっています。

    その『ポンピドゥー・センター』が所蔵する近現代美術コレクションを展示する大規模展覧会「ポンピドゥー・センター傑作展−ピカソ、マティス、デュシャンからクリストまで−」が現在、『東京都美術館』にて開催中!一足お先に展覧会に行ってきたので、その見どころを一部紹介したいと思います。

     

    フランスの20世紀の美術を一望できる展示

    ピカソやデュシャン、マティス、クリスト、シャガールと言った日本でもよく知られた巨匠の傑作から、隠れた名作まで。フランス20世紀の作品に焦点をあて、「1年1作家1作品」の展示で巡っていく本展では、20世紀という激動の時代の中で芸術家たちはどんな作品を生み出していったのかを知ることができます。

    赤い壁が印象的なフロアからスタートです。1906年から1933年までの作品が展示されています。

    今回の展覧会では、作品と作者のポートレート、作者の言葉がセットで展示されているのが特徴です。内装は建築家の田根剛さんによるもの。

     

    「作品をアーティスト本人が語る展示構成にしました。時代を追いかけながら、アーティストと作品、作品と言葉、言葉とアーティストに注目して下さい。これまでに見たことのない斬新な展示を試みました。偉大なる傑作への敬意ある挑戦です。」

    田根剛

    斜めに伸びる壁沿いには、絵画の他、彫刻、写真、映像、デザインなど多彩なジャンルが、年ごとに展示されています。

    こちらは「レディ・メイド」で有名なマルセル・デュシャンの作品「自転車の車輪」(1913年)。当時は「レディ・メイド」を意図していたわけではなく、気晴らしで作ったものなのだそう。

    パリ・オペラ座(パレ・ガルニエ)』の天井画でもよく知られるシャガールの絵画。

    世界遺産登録により、注目を集めているフランスの建築家ル・コルビュジエの絵画も見ることができます。近くには日本に唯一あるコルビュジエ作品『国立西洋美術館』もあるので、一緒に楽しむこともできますね。

    パリで活躍した日本の芸術家・レオナール・フジタ(藤田嗣治)の作品も。見応えたっぷり29作品がこのフロアに展示されています。

     

    初来日のピカソ作品も展示

    エスカレーターを登り、次のエリアはブルーが目印。

    このエリアではジグザクに並べられた壁に作品が展示されています。先ほどは作品の横にあったポートレートと言葉が、今度は向き合うような形に配置され、違った距離感で楽しめるよう工夫されているのだとか。

    こちらは初来日のピカソの作品「ミューズ」。新古典主義の時代を脱して新たなスタイル表現に移行していく時期の作品です。画集などで見るのと違い、色合いや筆の質感などじっくり見ることができるのも展覧会ならでは。美しい色合いに思わず見入ってしまいます。

    こちらはスイス出身の彫刻家アルベルト・ジャコメッティの「ヴィネツィアの女 Ⅴ」。シルエットがとても美しく、離れてみたり、寄ってみたりいろいろな距離から眺めたくなります。

     

    ポンピドゥー・センターも展示作品に

    そして最後のエリアへ。

    こちらは白を基調とした円形の部屋。赤、青、白と来れば、もうお分かりですよね。3フロア合わせて、トリコロールカラーになっているのです。

    円形の壁に配置された作品と、部屋の中央にある台に記載された作家と言葉。赤のフロアでは並んでいた作家と作品が、次の青のフロアでは向き合い、最後のフロアでは離れるという風に変化しています。

    このようにさまざまな角度から、20世紀のさまざまな芸術の潮流を空間と共に楽しめる構成となっているのです。

    そしてラストには『ポンピドゥー・センター』にまつわる作品が展示され、

    1977年、『ポンピドゥー・センター』のオープンの年で最後となります。1977年の作品は「ポンピドゥー・センター」そのもの。レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースによる模型が展示されていました。

    グッズ売り場では、リサとガスパールとのコラボグッズも販売中!

     

    ピカソやマティスと言った超有名作品からあまり知られていない作品までを一度に見ることはなかなかできるのものではありません。また、時系列で見ることで20世紀の芸術作品の潮流を知り、どんな背景があったのかを垣間見ることができます。『ポンピドゥー・センター傑作展』は9月22日まで!ぜひ、お見逃しなく。

     

    • ■展覧会情報
    • ポンピドゥー・センター傑作展
    • 会場:東京都美術館 企画展示室
    • 東京都台東区上野公園8−36(地図
    • 会期:2016年6月11日(土)〜2016年9月22日(木・祝)
    • 時間:9:30~17:30
    • ※金曜は20:00まで
    • ※8/5(金)、6(土)、12(金)、13(土)、9/9(金)、10(土)は21:00まで
    • ※入室は閉室の30分前まで
    • 休室日:月曜日、7月19日(火)
    • ※ただし7月18日(月・祝)、9月19日(月・祝)は開室
    • 入場料:[一般]1600(1400)円、[大学・専門]1300(1100)円、[高校生]800(600)円、[65歳以上]1000(800)円
    • 前売り券や割引情報はこちら

     

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