体の不調を整えたり、予防してくれる薬膳。生薬の原料となる植物などを使った体に優しい料理ですが、実践しようとなるとちょっとハードルが高いですよね。
新木場の複合施設『CASICA』に、気軽に薬膳を楽しめる乾物屋と食堂『Arkhē apothecary&kitchen(アルケー・アポセカリー&キッチン)』が誕生。おいしくて滋養のあるメニューの他に、自宅でデイリーに食べられる薬膳プロダクトも発売されています。
新木場に誕生した、唯一無二の複合施設『CASICA』
江戸時代に木材を保管する貯木場が作られたことから“新木場”と呼ばれるようになった新木場駅界隈。その名残で、このエリアには現在も多くの銘木倉庫があります。
今回訪れた『CASICA』は、その銘木倉庫をリノベーションした複合施設。「生きた時間と空間を可視化する」をコンセプトにした『CASICA』には世界各国の民藝や古家具、日用品などを取り扱うショップやギャラリー、キッチン、撮影スタジオ、映像制作会社のオフィスなどが入っています。
なぜこの場所に、このような施設を作ったのでしょうか?実は『CASICA』を運営しているのは、TV番組制作をしていたスタッフが立ち上げた企業『タノシナル』。「世界が楽しくなること」をコンセプトに、映像制作だけでなくイベントプロデュースやWEBコンテンツの運営なども行っています。その中でも、お客様に「楽しくなる」体験や時間を提供する唯一無二の場所を作りたいという思いからスタートし、現在CASICAのディレクションを行っているCIRCUSの鈴木善雄さんと引田舞さんはじめ、様々な人々との出逢いがあって、今のCASICAが誕生しました。
この場所を選んだのは、偶然。他のエリアも検討していたところ、この物件に巡り合いひと目で気に入ったのだそう。“銘木倉庫”という空間を活かした施設内には、ノスタルジックなのに新しい、日本なのに海外のような独特の空気が流れていました。
おいしく整えてくれる『Arkhē apothecary&kitchen』の薬膳
『CASICA』内に6月誕生したのが『Arkhē apothecary&kitchen』。南風食堂の三原寛子さんがレシピ監修を務める、「おいしく整える」をコンセプトにした食堂&乾物屋さんです。「Arkhē」とは、古代ギリシャの自然哲学で、世界の原理や始源などを表す言葉。“食べること”は人が生きていく上での原理だと考え、体を整える食事を提供しています。
三原さんといえば、アーユルヴェーダや中医学にも造詣の深い料理研究家。“薬膳”というと「良薬口に苦し」とイメージしてしまいますが、三原さんの作る薬膳はおいしくて続けられることを大切にしています。漢方だけでなく、季節によって体が喜ぶ野菜やお肉、魚も“薬膳”食材。旬の食材を使った料理は、季節特有の不調を整えてくれるんだとか。食堂では、定番の薬膳カレーや、副菜も豊富な定食がラインナップ。
今回いただいたのは、季節限定メニューの『長芋、蓮根、豚団子のスペイン風煮込み』定食。体の潤いを補う豚肉と、秋の身体を養生すると言われる“白い野菜(長芋、蓮根)”を一緒に煮込んだこの季節にぴったりのお料理です。塩味は最小限にし、野菜と豚肉の出汁がたっぷりきいた優しい味わいを楽しむことができます。メイン料理のほかに、ご飯と味噌汁、副菜が2種、そしてオリジナルのグラノーラがセット。バランスのよい定食をいただくと、心も体もじんわりと温かくなり「幸せだなぁ」と感じられました。
中医学には「不調のときに食べたくなるものは、そのとき体が欲している食材」という考え方があります。「食べたい!」と思った食事が体に染み渡るのは、当たり前のことだったのです。メニューは季節に合わせてアップデートされるので、訪れるたびに違うメニューに出会えますよ。
薬膳を取り入れたグラノーラで、心も体もリフレッシュ
乾物屋さんの顔も持つ『Arkhē apothecary&kitchen』では、お出汁、お茶、和漢チャイといったプロダクトも発売。なかでも、体によいとされるさまざまな乾物をミックスしたグラノーラは人気の商品。プレーン、カカオ、ジンジャーといった3種類のベースに、ドライフルーツやナッツなどの乾物がブレンドされています。
種類は以下の全7種。
・Arkhēグラノーラ
・無花果と苺のチョコレートグラノーラ
・枸杞と陳皮の薬膳グラノーラ
・ミックスベリーグラノーラ
・アップルシナモンのチョコレートグラノーラ
・柚子と生姜のグラノーラ
・トロピカルミックスグラノーラ
グラノーラは、あわ、ひえ、きびといった雑穀も入っていて、食物繊維といった栄養素が摂れるだけでなく、サクサクとした食感も心地よいのが特徴。ヨーグルトや牛乳に添えるのはもちろん、そのままでもおいしくいただけます。朝食だけでなく、口寂しいときのおやつにも◎。口に含むたびに、オーツ麦、ドライフルーツ、ナッツなどの香りが広がり、いろんな食感も楽しめます。
「Apothecary(薬局)」ということで、バッケージも処方箋のようなデザイン。モノトーンでミニマムなデザインなので、キッチンにそのまま出しておいても様になりますね。自分へのご褒美に、大切な人へのギフトにもおすすめのグラノーラです。『Arkhē apothecary&kitchen』のプロダクトはオンラインショップで購入可能なので、ぜひチェックしてみてください。
これまでの常識をフラットにし、新しい価値を可視化してくれる『CASICA』、そして現代人の体を「おいしく整える」ことを目指している『Arkhē apothecary&kitchen』。生活様式が大きく変化した2020年に、生まれるべくして誕生した場所なのかもしれません。懐かしいのに、新しい体験ができる『CASICA』にこれからも注目です。
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