「50年後の自分」を想像したことはありますか?とても長い月日に感じられ、想像もできないという方が多いのではないでしょうか。
今回紹介する映画は、50年という時間を超えて、かつて愛し合った男女が出会うラブストーリー『男と女 人生最良の日々』。男女の人生を描いた大人のラブストーリー『男と女 人生最良の日々』を紹介いたします。
50年前と同じ顔ぶれで映像化
『男と女 人生最良の日々』は、1966年に公開され、世界中が心を奪われたフランス映画『男と女』のその後を描いた物語です。『男と女』は、スタントマンの夫と死別した脚本家アヌーク・エーメ演じるアンヌと、妻に自殺されたカーレーサーのジャン=ルイ・トランティニャン演じるジャン・ルイによる大人の恋愛を描いた作品で、挿入歌として使用された「ダバダバダ…」のスキャットでおなじみのフランシス・レイの音楽は、きっと誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?美しい映像と音楽にのせてつづられる2人の恋愛模様に、当時、世界中が憧れ、カンヌ国際映画祭では最高賞パルムドール、アカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞しました。
撮影の様子
その『男と女』の世界が50年近い時を超えて描かれる『男と女 人生最良の日々』では、当時主演を演じたアヌーク・エーメとジャン=ルイ・トランティニャンが再び同じ役を演じます。さらに、監督クロード・ルルーシュ、音楽のフランシス・レイなど当時のスタッフも集結し、当時と同じ顔ぶれで作られているのです。
50年という月日を超えて再会
『男と女』当時、情熱的な愛に心を燃やしたアンヌとジャンですが、その後別々の人生を歩み、50年という月日が流れます。かつてはレーサーとして注目を集め、パリの街を颯爽と駆け抜けていたジャンは80代になり、海辺の施設で余生を過ごす日々。過去の記憶を徐々に失いはじめる中でもアンヌを忘れられないジャンに、息子のアントワーヌがアンヌと会わせてあげようと動き出します。
アンヌの居場所を突き止めたアントワーヌの「もう一度、父と会って欲しい」という想いを聞いたアンヌは、ジャンのいる施設を訪れ50年ぶりの再会を果たします。しかし、記憶が曖昧になっているジャンは相手がアンヌだと気が付かずに、アンヌへの想いを話し始めるのです。
そこでいかに自分が愛されていたかを知ったアンヌは、ジャン・ルイを連れて思い出の地であるノルマンディーへと車を走らせ、50年前、一緒に過ごしたドーヴィルのホテルの26号室や海岸などを巡るのです。
再会する前は、「完璧すぎた」と当時の日々を振り返るアンヌでしたが、新しい時間を一緒に過ごす2人には、50年という月日を経たからこそ感じられる特別な時間があるよう。
セピア調の当時の映像と織り交ぜながら、今の2人が描かれることで、年を重ねることで知れる新しい希望もあるのだということを教えてくれます。
今と過去のライフスタイルを知る
また、フランスで暮らす男女の過去と今のライフスタイルを垣間見ることもできちゃいます。
かねてから『男と女』のファンであり、『男と女』のスキャットに日本語歌詞をつけた音楽を歌われている歌手の野宮真貴さんは、アヌーク・エーメが憧れと言います。
公開直前に行われた『男と女 人生最良の日々』公開記念トークイベントにて撮影
1月17月にスペースF S汐留(東京)にて行われた『男と女 人生最良の日々』公開記念トークイベントに登壇された、野宮さんはこのようにおっしゃっていました。
「前作の『男と女』のアヌーク・エーメは私にとって大人の憧れの女性像。当時の彼女の年齢を超えた今でもそれは変わっていません。ベッドシーンの黒い下着やムートンコート、シンプルなセーター、センターパーツのボブヘア、クラシックなアイラインメイクなど、ファッションにもとても影響を受けています。
今作の彼女の髪の毛が艶々でふわっとしているんですよね。加齢していくと普通水分を失っていくものだから、さすがです(笑)。フランス人特有のさりげないメイクもとても素敵。赤い口紅をつけているのは女性であることの誇りのように感じましたね」(野宮真貴さん)。
アヌーク・エーメを見ていると、今も過去もとても美しく素敵で、こういう年の重ね方をしたい、年を重ねるのも悪くないと教えてくれます。
50年という月日を生きた男女のドキュメンタリーとしても楽しめる『男と女 人生最良の日々』。ぜひ、劇場でアンヌとジャンの“人生最良の日々”を観てみてください。
- ■映画情報
- 『男と女 人生最良の日々』
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- 監督:クロード・ルルーシュ『男と女』『白い恋人たち』『愛と哀しみのボレロ』『アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲』
- 出演:アヌーク・エーメ『男と女』『モンパルナスの灯』、ジャン=ルイ・トランティニャン『男と女』『愛、アムール』、スアド・アミドゥ、アントワーヌ・シレ 音楽:カロジェロ、フランシス・レイ『男と女』『ある愛の詩』
- 2019年/フランス/90分/フランス語
- 配給:ツイン
- 宣伝プロデュース:サルーテ
- © 2019 Les Films 13 – Davis Films – France 2 Cinéma
- 公式HP:http://otokotoonna.jp/
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- 1月31日(金) TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国ロードショー
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