新緑の季節。新鮮な青草やハーブをたくさん食べた牛や山羊、羊たちは、1年で最も良質なミルクを出し、そのミルクで作られるチーズにはこの時期独特のおいしさがあります。
たとえば、南フランスの高原で力強い野生のハーブを食べた山羊のミルクから作られる「ローブ・デ・ガリッグ」という小さなチーズがありますが、そのチーズをひと口食べるとハーブの香りが口いっぱいに広がります。それほど旬のチーズには原料のミルクの個性があらわれることがあるのです。
カマンベールチーズをハーブで春アレンジ
フランスをはじめ、世界には1000種を超えるナチュラルチーズがあり、それぞれに旬があると言われています。ならば、旬のおいしいチーズを食べてみたいと思うのは当然のこと。
けれども、旬のチーズがどれかわからないし、そもそも近くにチーズ専門店がないという方も多いと思います。そこで、今日は定番のカマンベールチーズを、ハーブを使って春らしく爽やかな風味にアレンジする方法をご紹介いたします。
好みのハーブで簡単アレンジ
1.好みのフレッシュハーブを3〜4種類用意します。
今回はローリエ、ローズマリー、ミントを使用
チーズの表面にナイフで数カ所切り目を入れ(チーズの内部までハーブの香りをつけるため&チーズの種類によっては破裂を防ぐため)、ハーブ適量をチーズのせてクッキングシートで包みます。
2.150℃のオーブンに20分ほど入れて蒸し焼きにします。
コンロの魚焼き用グリルやフライパンに蓋をしても蒸し焼きにできます。
十分に火が通ったらオーブンから取り出します。シートを開けると、ふわりとハーブの爽やかな香りが広がります。
3.バゲットにのせていただきます!
ナイフで切り分けたら、すぐにバゲットにのせ、新鮮なエキストラヴァージンオリーブオイルをたっぷりとかけましょう。お好みで塩コショウも。塩味の強いチーズの場合は調節してくださいね。
新鮮なエキストラヴァージンオリーブオイルがポイント
ハーブの爽やかな香りに、エキストラヴァージンオリーブオイルのほのかな苦みが一層青草のような風味をひき立てます。とろりとしたチーズのテクスチャーと滑らかなオイルが口の中で合わさると、もうワインを飲まずにはいられません!
シェーブルチーズでもお試しを!
今回はくせのないロングライフタイプ*のカマンベールチーズを使用しましたが、このハーブを使ったアレンジはシェーブルチーズでもおすすめです。
シェーブルチーズは、まわりに白い酵母の粉のついた酵母熟成タイプが多く表皮がとても薄いので、ハーブの風味がまんべんなくチーズ全体にゆきわたりやすく、シェーブルチーズ独特の酸味もおだやかになりますよ。また、シェーブルチーズによくあるパサパサとした食感もなめらかになります。シェーブルチーズはちょっと苦手という方にこそ、ぜひお試しいただきたいと思います。
*熟成させたチーズをプラスチック容器などに入れ加熱殺菌して作られた風味のおだやかなナチュラルチーズ。
チーズを春仕様にアレンジするアイデアをご紹介いたしました。簡単なのでいろいろな組み合わせを楽しんでみてくださいね。そしてチーズのおいしさに目覚めたら、ぜひ、今が旬のハーブが香るチーズも味わってみてください。
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