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    いつものパンもアレンジ次第で無限の楽しさに!『ぱんぱかパン図鑑』

    朝ごはんの定番であるトースト。あなたは先にバターを塗りますか?焼いてから塗りますか?また、切り込みはどうやって入れていますか?

    そう、「トースト」とひと口に言っても実はその可能性は無限大なのです。それは「サンドイッチ」ももちろん同じ。そんな定番のトーストとサンドイッチのレシピをぱんぱかぱーん!と142種類も掲載している『ぱんぱかパン図鑑』を紹介したいと思います。

     

    バタートーストだけでも、なんと18種類も掲載されているこの本がどのようにして生まれたのか、著者であるつむぎやの金子健一さんのインタビューとともに紹介したいと思います。

     

    • “つむぎや” 金子健一(かねこ・けんいち)
    • 料理研究家。1974年、神奈川県横浜生まれ。学生時代、和食店でのアルバイトがきっかけで調理師免許を取得。コピーライターを経てパン職人の道へ。東京の中目黒、原宿で愛されていたパン屋「オパトカ」では店長を務める。パン屋さんで働きながら、2005年にマツーラユタカとともにフードユニット「つむぎや」結成。ケータリング、イベント、雑誌へのレシピ提案など幅広く活躍している。現在は家族と暮らす松本でも定期的に「食」にまつわるイベントを開催している。『あっぱれ!おにぎり』(金園社)、『らくらく!和食パスタ100』(主婦と生活社)など著書多数。6月10日には新刊『和食つまみ100』(主婦と生活社)が発売予定。
    • http://www.tsumugiya.com/

     

    意外性たっぷりのパン図鑑

    「食」をとおして人と人とをつなげたり、楽しい、おいしい時間を紡いでいこうという想いから命名された「つむぎや」として、ケータリングやレシピ提案をしている金子健一さん。和食をベースに意外性のあるアレンジで旬の食材や食感が楽しめるお料理を提案しています。そんな金子さんの『ぱんぱかパン図鑑』ということで、もちろん意外性たっぷりのパンメニューが多数掲載されているのです。

    例えば、4枚切り食パンの耳部分から切り込みを入れて作る「ポケットバタートースト」やおつまみをそのままサンドしたような「明太厚揚げサンド」など。「食パンをそうやって使うの!?」「パンにそんな具材を!?」といった驚きのあるレシピが紹介されています。

    「これは結構驚かれますね。『明太厚揚げサンド』は8枚切りで薄めのパンじゃないとダメなんです。6枚切りにするだけで食べにくかったり、パンの味が勝ってしまうんですよ。とくにサンドイッチの場合、パンの厚さは食感や味のバランスが変わってくるので、結構重要ですね」とのこと。

    そのため、それぞれのレシピにはおすすめの厚さが掲載されていたり、バタートーストやフレンチトーストについては厚さ別でレシピが紹介されています。

    ポケットも厚さのある4枚切りだからこそのアイデア。ちなみに、「ポケットバタートースト」は中に入れるバターを凍らせたバターにすることによって、トーストするとパンの表面と中のバターで食感や味にメリハリがつくのだそう。実際に試してみたところ、見た目は普通のトーストなのにかじると中からじゅわっとバターが溶け出す不思議な食感でクセになりそうです。

    また、バタートーストでは切り込みがポイントになるのだそう。

    「切り込みの入れ方や、切り込みの数をどれくらい入れるのかなど、ポケットを作ったり、麺棒で押しつけて食感を出したり、いろいろと試してみたレシピを掲載しています。切り込みでバターの染み込み方や食感は全然変わってきます。実は今、バタートーストだけで100個ぐらいできないか研究中なんですよ(笑)」。

    金子さんのおっしゃる通り、同じバターと食パンの組み合わせでもまったく違うトーストに!日によって切り込みの入れ方を変えると、毎日のトーストも飽きることなく楽しめそうですね。

     

    ごはんに合う具材はパンにも合う!?


    「図鑑」ということでジャンルごとにチャートで特徴が紹介されています

    142種類もあるパンのアレンジメニューですが、その開発について伺ってみました。

    「数が多いので似たようなものも出てきちゃって…かぶらないようにするのが大変でした(笑)。基本的には『ごはんに合うものは、パンに合う』という前提でアイデアを出していきましたが、具材の相性がいい・悪い、パンを焼く、焼かないというのは実際に作ってみないとわからないので、手当たり次第試しましたね。この本を作り終わったときは、しばらくパンを見たくないぐらいでした(笑)。

    サンドイッチだったらタマゴサンドに『スパイスを加えてみたらどうなるんだろう?』『玉ねぎの代わりに切干大根を入れたらどんな食感になるんだろう?』など、いろいろな意外性のある味、食感、色味、盛り付けの可能性を探っていきました。特に『食感』を意識したレシピが多かったですね。口の中でシャキシャキ、コリコリすると楽しいですからね」

    そんな試行錯誤の末、選び抜かれた142レシピ。その中でPARISmag読者に特におすすめのレシピを聞いてみたところ、「マンゴーヨーグルトサンド」との回答が。

    「フルーツサンドの『マンゴーヨーグルトサンド』は、女性のみなさんは特に好きだと思います。作り方はヨーグルトに刻んだドライマンゴーを混ぜて、タッパーなどの密閉容器に入れて一晩寝かせるだけです。ドライマンゴーがヨーグルトの水分を吸収することによってフレッシュなマンゴーに変身するんですよ。さらにドライマンゴーの甘みがヨーグルトに染み込んで、砂糖を加えなくても程よい甘みととろみに仕上げてくれます。それを、焼いていないコッペパンや耳をカットした食パンにサンドすると、至福のフルーツサンドが簡単に作れますよ。グリーンレーズンを入れてもおいしいです」。

    また、お子様と一緒に作って楽しいのは『凸凹バタートースト』とのこと。子どもに好きなようにパンに麺棒を押し付けてもらうと、いろんな形になって、いろんな食感が生まれるのでおもしろいのだそう。子どもと一緒に作って楽しいのもまた、『ぱんぱかパン図鑑』ならではですね。

    ちなみに親子でもっとアウトドアで外ごはんを囲みたい!ということで、ホットサンドのレシピも掲載されていました。

    「缶詰を使っているので、アウトドアでも簡単に本格的な味が楽しめるんです。

    この『さんま蒲焼とセロリのクリーミーホットサンド』は、さんまの蒲焼の缶詰にクリームチーズの相性が抜群なんです。そこにシャキッとしたセロリを入れるとさらに絶妙です。蒲焼の甘じょっぱさと、チーズの濃厚なクリーミさ、セロリの爽やかさがマッチします」。

     

    毎日食べるパンをもっと楽しく

    食パンやバターロール、バゲットなど身近なパンで簡単に作れるレシピが掲載されているので、自宅で誰でも楽しむことができます。

    夕飯で残ったおかずを簡単にできるようなアレンジ例もあり、毎日食べるパンだからこその楽しみを見つけられるのもうれしいポイント。

    また、大人だけではなくて子どもたちにも楽しんでもらいたいという想いから、図鑑のようなデザインにしたり、カバーを取るとぬりえができるようになっています。「そのおうちの1冊にして欲しい!」という願いが込められているそうです。

    最後に、パンをもっと楽しむ秘訣について教えてもらいました。

    「トースターやホットサンドの機械、バターナイフ、カッティングボード、なんでもいいのですが自分なりにこだわった道具を使って、パンメニューを作るとより楽しくなります。僕は『バルミューダ』のトースターを使っていますが、使い始めたらもっとパン料理が楽しくなりました。こだわりを持った道具を使って料理すると、もっとこうしたい!ああしたいなぁ!とアイデアがどんどん広がって、それが楽しさにつながると思います」

    松本の「大久保ハウス木工舎」とのコラボレーションで誕生したパン皿

    そんなパンを楽しむためのこだわりが高じて、パンがよりおいしくなるお皿も作ったのだそう。現在金子さんが行き来されている長野県松本市。そこに工房を構える大久保ハウス木工舎の大久保公太郎さんとのコラボレーションによってこの春に生まれたパン皿。

    「トーストしたパンを平たいお皿に乗せると、接地面が汗をかいてパンがだんだん湿ってきますよね。それがすごく嫌だったんです!このお皿は四方から蒸気が流れるように、薄く削って凹みを作り、かんなで放射状に削って仕上げているんですよ。焼いたパンのさっくり感がより長続きする、パン好きのためのなんとも贅沢なパン皿なんです。このお皿で食べるとパンを食べるのがすごく楽しくなりますよ」と金子さん。

    「焼きバナナのオープンサンド」(『ぱんぱかパン図鑑』P122に掲載)

    パンをおいしく食べるためのレシピに加え、パンをもっと楽しむアイデアやヒントが満載の『ぱんぱかパン図鑑』。毎日のパンがもっともっと楽しくなるはず。この本のレシピを参考に自分だけのパンレシピを見つけるのもいいですね。

     

     

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