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    旅する気分で味わえる本場ベトナムのサンドイッチ。祖師ケ谷大蔵『バインミー ăn di』

    世田谷区の郊外、豊かな緑が広がる国立成育医療センターの道向かいにある『バインミー ăn di(アンディー)』。

    ベトナムのサンドイッチ、バインミーの専門店です。

    バインミーとはベトナム語でサンドイッチという意味。お麩のように軽い食感のバゲットの中にはパテや肉類、魚と野菜ハーブなどの具材がたっぷり。日本の紅白なますにも似た、大根と人参の甘酢漬けが入るのがポイントです。

    ベトナムのサンドイッチにフランスパンが使われるのは、フランスの植民地時代のなごり。現地の人々は朝食がわりに食べることも多いベトナム生まれのファーストフードなのだそう。

     

    ベトナムで修行した店主が作る本場の味

    店主の島田敬子さん

    店主で野菜ソムリエでもある島田敬子さんは、もともと料理人やフードコーディネートの仕事をしていたそう。10年前にベトナム旅行をした時に、野菜たっぷりのベトナム料理を食べて衝撃を受け、そのままベトナムの料理店で修行の道に進んだのだとか。

    帰国後もベトナム料理のレストランで働きながら、いつかは自分の店を持ちたいと思っていました。物件探しに奔走するものの、都内ではなかなか思うような場所が見つからず半ばあきらめていた時、この場所を見つけたのだそうです。

    当時、日本では、ベトナム料理を提供する店があまりなく、タイ料理屋などに生春巻きやフォーが少しあるくらい。バインミーをメインで出す店はなかったこともあり、バインミー専門店にしようと思ったのだそうです。

     

    本場の味を楽しめる存在感たっぷりのバインミー

    目の前の病院には様々な国の研究員が訪れるそうですが、そのお客さんたちも「ベトナムで食べた味と同じ」と絶賛する再現力の高い『アンディー』のバインミー。

    サクッと歯切れよく軽いパンは、パリのバゲットとはちょっと違うベトナム独特のパン。現地と同じ味と食感に近づけるため、島田さんとパン職人が何度も試作を重ねて作ったパンなのだそう。

    ベトナムでは牛や豚、青魚などの肉や魚をたくさん食べるので、バインミーにも当然たっぷり挟みます。さらに、スペアミントのようなハーブ、レモングラスも一緒に入れて香り豊かに仕上げるのだとか。

    パクチーなどハーブも散らした本格的な味わいですが、辛さに関しては辛すぎないように日本風にアレンジしているとのこと。注文が入ってから作るのでいつもできたてのおいしさが味わえます。

    定番メニューは、ペッパーとジンジャーがピリッと効いた「ペッパージンジャーチキン」、旨辛い「魚(サバ)とトマト」、レモングラスが爽やかであっさり食べられる「ビーフとレモングラス」、ベトナムでは定番の「ハムと自家製レバパテ」の4種類。

    左が「ハムと自家製レバパテ」、右が「魚(サバ)とトマト」

    具材はたっぷり入っていますが、軽いパンなのでペロリと食べられてしまいます。

    「魚(サバ)とトマト」は、濃厚なトマトソースの中に存在感のあるサバが入ってお腹いっぱいに。4種類の中では一番辛さが感じられますが、うまみも強いので、ただ辛いだけの味付けとは違った満足感があります。

    「ハムと自家製レバパテ」は、ベトナムでもよく食べられるシンプルな味。あっさりしたハムに、まったりしたレバパテでコクをプラス。なますが爽やかで、あっさり食べられます。

    このほか、季節のメニューが登場することも。こってりしたサバをミントでさっぱり食べられる「塩サバチーズとフレッシュハーブ」が今の季節は人気なのだそう。

    レギュラーサイズより少し細長いサイズのパンを使用したメニューもあります。レバパテ、なます、パクチー、赤トウガラシが詰まった「バインミークエ」、甘い「緑豆あんバター」などをラインナップ。サイドメニューや食後のデザートとして気軽に食べられる商品が中心です。

     

    ベトナム流のコーヒー&ハーブティー

    「練乳の入ったベトナムコーヒーとバインミーの相性は抜群なんですよ!」と島田さん。ベトナムコーヒーとは、濃いコーヒーに練乳を入れるベトナムのドリンク。

    「コーヒーに練乳が入っている」と聞いただけで、甘すぎるのではないかと思ってしまいますが、意外にも味はあっさり。甘すぎず、軽めのココアを飲んでいるような感じ。個性的な味付けのバインミーとも相性抜群です。

    ベトナムでよく飲まれる蓮茶やジャスミン茶などお茶のラインナップも充実。ほのかな苦みに気分もシャキッとするアーティチョーク茶も人気だとか。体にうれしい効果があるお茶と野菜いっぱいのバインミーは元気になれそうな組み合わせですね。

    注文して階段を上ると、木のぬくもりにほっとするアジアンテイストの空間が待っています。

    窓の外には緑が見え、手元にはバインミーとベトナムコーヒー。ゆったりした時間が流れており、一瞬、「ここはベトナム?」とトリップしてしまうほど。大らかなベトナムの地に思いを馳せながら、旅する気分で味わえるサンドイッチです。

    • ◼︎お店情報
    • バインミー ăn di(アンディー)
    • 住所:東京都世田谷区砧3-4-2
    • 電話:03-3417-3399
    • 営業時間:10:00~ (売り切れ次第終了)
    • 定休日:木曜日
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