実店舗を持たずにパンイベントに出店し、京都のパン好きの間で話題になっていたパン屋さんが、ついに2019年12月に京都二条にお店をオープンしました。お店の名前は『パン屋kurs(クルス)』。
京都市営地下鉄「二条城前駅」から徒歩約5分のところに店を構える『パン屋kurs』。世界遺産の二条城や京都御所など、京都の有名な観光名所が近くに佇みます。
お洒落な雰囲気のこちらが『パン屋kurs』。中に入ると、まるでアクセサリーが並んでいるかのように、パンがずらりと並びます。現在は、1度に入店できる数を2組にし、トングとトレイを置かずに、スタッフがパンを用意してくれるスタイルで運営しています。店主の中川さんに、実店舗オープンまでの経緯や、お店の名前の由来などを伺いました。
イベント出店で実力を培い、徐々にファンを獲得
ふんわり柔らかく、バターのミルキーな香りがほんのり漂う「ブリオッシュ」、しっかりと小麦の味がして、チーズやハムと相性抜群の「バケット」、クリームチーズとはちみつの贅沢な組み合わせに、ラヴェンダーの香りでよりリッチに仕上がった「TAMAKI」など、見た目も味も個性的なパンが30~40種類ほど並びます。
ハード系もソフト系も、お惣菜パンも、どれを食べてもおいしいパンたち。実は『パン屋kurs』は、お店をオープンする前に、パンイベントへ数多く出店していたそう。お話を聞いたオーナー兼パン職人の中川さんのご実家はパン屋さんだったそうですが、実家で働くのではなく、一から他のお店で修行をしたそう。
「実家のお店を継ぐというよりも、自分のお店をやろうということはパン職人を志したときから決めていました。だから、実家はパン屋ですが、自分が修行したいと思う店で一から修行することにしました」。
そんな修業期間を経て、まずは声をかけてもらったパンイベントに出店することにしたのだそう。実家のパン屋さんの厨房を借りてパンを製造し、自分で作ったパンをイベントで販売。すると、京都のパン好きの間で噂が広がり、ファンが増えていきました。そして、2019年12月17日に念願の実店舗をオープン。
『パン屋kurs』のパンは、もちろんパンだけでも魅力的なのですが、パンの並べ方やお皿の使い方、プライスカードがとってもおしゃれ。また、中川さんや一緒にお店を運営している奥様も、フレンドリーにお客さんと会話する姿が印象的でした。お店を持つ前のイベント出店で、パンの見せ方やお客さんとのコミュニケーションスキルを磨かれたのがよく伝わってきます。
『パン屋kurs』の名前の秘密
印象的な『kurs(クルス)』という店名の由来は、奥様の旧姓から。
「お店をオープンするときに、店の名前を変えようか迷ったのですが、既にイベントで“クルス”という名前が定着していました。また、『クルスさんのところに買いに行こうか』と、地元の人たちに親しまれるお店にしたかったので、そのまま“クルス”という名前でやっていこうと決めました」。
実は、イベントに出店していた頃は『curusu(クルス)』という綴りだったそうですが、お店を構える際に屋号を『kurs』に変えてオープン。
「クルスという音は一緒で、完成したロゴもかっこよくて!」と笑顔で話してくれました。
お店イチオシのパンは「パンドミ」と「ルヴァン」
お店イチオシのパンは、自家製酵母を使った、しっとり柔らかい食感の「パンドミ」と、
全粒粉やライ麦など、10種類以上の粉を使用し、中のもちもち食感が特長の「ルヴァン」。京都の飲食店にも卸している、実力あるパンです。
「新商品は、例えば妻とごはんを食べに行ったときに気付きがあれば話し合ったり、アルバイトさんも含めてみんなで意見を出し合あったりして作っています」と中川さん。
取材中も、ご夫婦やアルバイトさん含めてお客さんと楽しそうに会話したり、パンのオススメの食べ方などを教えてくれたり、とてもあたかかいお店で、地元の人からも親しまれていることが伝わってきました。また、現在は現金のみの取り扱いですが、お客さんのニーズを見て今後キャッシュレスも導入予定とのこと。
おしゃれで、でもどこかホッとするパン屋さん。ぜひ足を運んでみてくださいね!
- ■お店情報
- パン屋kurs(クルス)
- 住所:京都府京都市中京区二条小川通り東入る西大黒町334コーポラス二条一階
- 営業時間:9:00〜パンが売り切れ次第終了
- 定休日:日曜・月曜
- https://www.instagram.com/curusu.kurs/
※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。
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