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パン屋さんに本屋さんも!『ひぐらしガーデン』で過ごす心地よい時間

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パン屋さんに本屋さんも!『ひぐらしガーデン』で過ごす心地よい時間

「ちょっとだけおしゃれをして、今日はあのパン屋さんへ行こう」。そんなふうに日常の楽しみになっていたり、遊びに来た友だちを案内したくなるようなパン屋さんが家の近くにあると、住んでいる街への愛着がいっそう湧くのではないでしょうか。

今回は、「日暮里をいい街にしたい」という思いから生まれた、ベーカリーカフェ&本屋併設の『ひぐらしガーデン』を訪れました。

 

元・フェルト生地工場が地元で愛される施設に

日暮里『ひぐらしベーカリー』の外観

日暮里駅からマンションや住宅が立ち並ぶ風景の中を歩くと、三角屋根の建物が現れます。こちらは『ひぐらしガーデン』と名付けられ、パンとカフェを楽しめる『ひぐらしベーカリー』と、“街の本屋”として気軽に立ち寄れる『パン屋の本屋』が庭を挟んで併設する小さな商業施設。2016年にオープンしてから口コミで広がり、親子連れをはじめ地元の人たちが足しげく通います。

日暮里『ひぐらしベーカリー』の入り口

日暮里はもともと、中小企業の工場が集まっていた街。けれど近年では工場が減ってマンションが立ち並ぶようになり、子育て世代が多く暮らすようになったといいます。

「ひぐらしガーデン」がある場所も、以前は1917(大正6)年創業のフェルト生地の製造工場でした。時代の変化に伴いフェルト生地の製造事業をやめることになったそう。そこで、4代目の佐藤雅一さんが何か別の事業をできないかと考え、行き着いたのが“パンと本”。

「フェルト生地工場の頃から地域の人とのつながりを大切にしてきたからこそ、日暮里の価値を高められることがしたかった。それが、パンと本なんです」と佐藤さん。

日暮里『ひぐらしガーデン』のテラス

単純に佐藤さん自身がパンと本が好きということもあるけれど、パンと本をきっかけに、子育て世代の多い日暮里に親子連れで気兼ねなく訪れられる場所を作りたかったそう。

そうして約5年かけて構想を練り、2016年に『ひぐらしガーデン』をオープンしました。広々とした庭を敷地の中心に設けたのは、佐藤さんが最初に思い描いたイメージどおり。

 

パリと日本全国をめぐってたどりついたパン作り

日暮里『ひぐらしベーカリー』のパン

『ひぐらしベーカリー』には60~80種類ほどのパンが並び、子どもからお年寄りまでが食べやすいようソフトな食感のものが中心。絵本をモチーフにしたパンがあったり、季節のイベントごとにポップな飾りつけがされていたりと、パンを選ぶひとときもワクワクと心躍ります。

佐藤さんは店づくりのために、パリと日本のさまざまなパン屋さんを見て回る旅をしたといいます。

「パリではバゲットが本当においしくて、そのパン文化に触れられたのは貴重な経験です。日本のパン屋さんは、ハード系パンしか焼かない店やオーガニック素材にこだわった店など、それぞれの個性がありました。いくつものパン屋さんを巡りながら『ひぐらしベーカリー』のコンセプトを考え、“家族だんらんをつくるパン”を提供しようと思ったんです」。

日暮里『ひぐらしベーカリー』のカレーパン

総菜パン、菓子パン、食事パンがバランスよく揃い、家族で訪れたときに誰もが食べたいパンを見つけられます。また、あんぱんやクリームパンなど馴染みのある定番商品でも、ここにしかない個性光るパンと出会えるのも魅力のひとつ。中でも甘口、中辛、チーズと3種類の味から選べるカレーパンが人気。フランスパンを砕きパン粉にして生地にまぶしているので、ガリガリとした食感がたまりません。

日暮里『ひぐらしベーカリー』の食パン

一番人気は、北海道産小麦「春よ恋」をブレンドし、薄皮で中身がぎっしりと詰まった「ひぐらし食パン」。外が香ばしく中はしっとりモチモチとしていて、厚切りトーストにするとその食感を楽しめます。好みの具材を挟んでサンドイッチにするのもおすすめ。

日暮里『ひぐらしベーカリー』の月替りのフェアのパン

定番のパンはもちろん、月替わりのフェアも見逃せません。毎月テーマに合わせて6種類ほどの限定商品が登場。取材時はカラフルなドーナツが並んでいました。常連客が多いからこそ、遊び心を効かせたパンの提案にも力を入れています。

日暮里『ひぐらしベーカリー』のカフェスペース

パンとドリンクを選んだら、窓から明るい光が差し込むカフェスペースへ。店内はゆったりとしいて、小さな子どもを連れたお母さんがくつろいでいくことも多いそう。

※コロナウィルスの感染拡大防止のため、4月7日よりテイクアウトのみの営業。詳しくはこちら

日暮里『ひぐらしベーカリー』のパン

パンはカゴに盛って提供してくれます。今回選んだのは、かわいらしいクマにチョコクリームが入った「えほんパン」、歯切れのいいバゲットを使った「キャベツとニンジンのタルティーヌ」、じゃがいも入りの生地でカスタードクリームを包んだ「あらかわクリームパン」、サクサク食感の「クロワッサン」。どのパンも、どこかほっと落ち着く味わい。ドリンクはカフェラテなどコーヒー、ジュース、ビールやワインなどがあります。

日暮里『ひぐらしベーカリー』のスープ

さらに、コーンスープ、ミネストローネ、クラムチャウダーから選べるスープも。ドリンクもスープもテイクアウトできるので、パンとともに持ち帰って家で楽しむこともできます。

 

パンの本や雑貨を求めたい『パン屋の本屋』

日暮里『ひぐらしガーデン』内にある『パン屋の本屋』

ベーカリーカフェから庭を挟んで向かい側に、その名も『パン屋の本屋』があります。渡り廊下を歩き中へ入ると、暮らしや食にまつわる本を中心に、絵本もたくさん。もちろん、パンの本や雑貨も並びます。

『パン屋の本屋』の店内に並ぶ本

本棚は「パンの本」「食べる」などと書かれた食パン型のプレートで、ジャンルごとに整理されています。あれもこれもと興味をそそられ、思わず手に取ってしまうラインナップ。パンとともに、お気に入りの1冊を買って帰るのもいいですね。

地元の人たちの心をしっかりと掴み、最近では遠方から訪れる人も増えてきているという『ひぐらしガーデン』。一度足を運ぶと、そこで過ごす豊かな時間が、「日暮里って素敵な街だなあ」と思わせてくれるはずです。

 

  • ■お店情報
  • ひぐらしベーカリー
  • 住所:東京都荒川区西日暮里2-6-7
  • 営業時間:8:00~18:00 ※「パン屋の本屋」は10:00~
  • 定休日:月曜(祝日の場合翌日休み)
  • HP:http://higurashi-garden.co.jp/
  • ※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。

 

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