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料理人たちが手がけるブリオッシュとパンの店・中目黒『L’ATELIER de LIEN』

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料理人たちが手がけるブリオッシュとパンの店・中目黒『L’ATELIER de LIEN』

「ブリオッシュ」といえば、フランスのヴィエノワズリーの1つ。パン屋さんやパティスリーで必ずと言っていいほど見かける、ポピュラーな菓子パン。素朴な見た目とは裏腹にバター、卵、ミルク、砂糖をふんだんに用いたリッチな味わいで、人々を魅了しています。今回ご紹介するのは、パン屋さんでもパティスリーでもなく、フレンチの料理人たちが手がけるブリオッシュです。

『L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)』の外観

訪れたのは、中目黒と池尻大橋の間にあるお店『L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)』。

『L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)』の看板

一見すると「ここがパン屋さん!?」というスタイリッシュな外観。住宅街に溶け込むように存在するこちらのお店、さっそくご紹介しましょう。

 

料理人が手がけるブリオッシュのお店『L’ATELIER de LIEN』

2019年5月30日にオープンした『L’ATELIER de LIEN』は、池尻大橋のフランス料理店『Lien』のオーナーシェフである上原浩一さんが手がけるお店です。

『L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)』のシェフたち2号店『Prive de Lien』店長の塚本シェフ(左)、オーナーの上原シェフ(中央)、3号店『L’ATELIER de LIEN』店長の田口シェフ(右)。取材時には、3店のシェフにお会いすることができました!

『Lien』、そして2号店『Prive de Lien』に続きオープンした今回のお店。『Lien』はフランス語で「繋がり」を意味していて、日頃からお客様との距離感を大切にしているのだそう。3号店となる『L’ATELIER de LIEN』は、お客様から「『Lien』のパンを買いたい」という声に応えるべく誕生した、ブリオッシュとパンのお店です。

『L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)』の店内

『L’ATELIER de LIEN』は、その名の通り「L’ATELIER(アトリエ)=工房」をコンセプトとしたお店。一歩店内へ入ると、左手に見えてくるのは厨房の様子。オープンキッチンをはるかに超えた空間作りで、まるで自分も厨房にいるかのような気分に。

『L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)』の店内

入って右手にはブリオッシュのほか、『Lien』がセレクトする商品が並びます。

『L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)』がセレクトするジャム

「日本中の方々に、お店おすすめの商品を届けたい」という思いでセレクトしているアイテムの中には、日本ではなかなかお目にかかる機会も少ないイギリスの『ウェンディ』のジャム、樹齢100年以上の木からしかとれないというハチミツやトリュフオイル、オリーブオイルも並んでいました。なにかギフトや手土産を探しているというときにも訪れたい場所です。

 

3つの楽しみ方ある!フォアグラアイススティック

『L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)』の「フォアグラアイススティック」

今回、ブリオッシュの前にご紹介したいのが「フォアグラアイススティック」。

レストランの『Lien』でアミューズ(直訳すると「お楽しみ」、いわゆるお通しのようなもの)として提供しているのが、フォアグラアイススティック、ブリオッシュ、自家製のジャムをアクセントにした1品。もともとフランス料理には、フォアグラのソテーにブリオッシュ、フルーツを添えた昔からの王道の組み合わせがあるのだとか。

「わかりやすく言うと、ごはんとおみそ汁、漬物みたいなイメージですね」と教えてくれました。「フォアグラアイススティック」も、お客さんの声があり購入できるようにしたそう。

ローストしたくるみとアーモンド香ばしくローストしたくるみとアーモンド、これをキャラメリゼしてヌガーを作ります

カットしたフォアグラのムースフォアグラのムースを作り冷凍、カットしていきます

「フォアグラアイススティックの中身は、ほぼフォアグラです(笑)。ムースというとメレンゲや生クリームを加えたものを想像する方が多いですが、フォアグラアイススティックに関して言えば、空気を含ませているという点でふわっと柔らかいのでムースという言葉をあえて使っています。

味付けとしては、お酒を3種類使っていて、酒精強化ワイン*のマデイラやポートを使うことで砂糖の単純な甘さではなく、上品な甘さに仕上げています」。

このフォアグラに、キャラメリゼしたヌガーを細かく砕いたものをまぶして冷凍させ紙で包んで完成します。1本1本、丁寧に手作りされている「フォアグラアイススティック」は手土産にもぴったり。

*酒精強化ワイン…醸造過程でアルコールを加えることで、アルコール度数を高めたワイン。スペインのシェリー、ポルトガルのマデイラやポートワインが代表的。

フォアグラアイススティック

「フォアグラアイススティック」には、①お酒と一緒に、②そのままおやつとして、③パンに塗って、という3つの楽しみ方があるそう。

「お酒を使っているので、シャンパンなどとも相性がいいです。アルコールは飛んでいるので、おやつ感覚でそのまま召し上がっていただいても。トーストしたパンに冷凍のままのせるとジュワッと溶けておいしいですよ。また、少し常温においてバターのようにパンに塗って食べるのもおすすめです。さらにそこにジャムで酸味を添えるとおいしいので試してみてください」と塚本シェフが教えてくれました。

さっそくいただくと、濃厚なフォアグラの香りが口の中に広がり、さらにお酒の甘み、ヌガーの甘みと香ばしさが絶妙にとけあっていきます。冷凍と常温のものとでも味わいが全く異なるので、その味わいはぜひ実際に体験してみてください。

 

リッチなパン「ブリオッシュ」を日常でも手の届くおいしさに

『L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)』のブリオッシュ次々と型から姿を表すブリオッシュ。取材時は焼きあがるブリオッシュを見ることができました

お話を伺っていると、ブリオッシュが焼きあがりました!今回の目的はそう、こちらのブリオッシュです。

『L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)』のブリオッシュ店名の焼印も1つ1つ手作業で押されています

『L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)』のブリオッシュ

水を一切使わずに、卵とバターを水分として作る、リッチなパン・ブリオッシュ。大きすぎず、小さすぎずというこの大きさにもこだわりがあります。

「3等分して3日で食べきれるくらいの大きさにしています。お客様の声があって生まれたお店なので、普段使いしやすいように、あとはいろいろな種類を食べたいというお客様もいらっしゃるので。なるべく値段をおさえるために、僕らの舌で判断した、吟味して選びぬいた食材を使って作っています」。

リッチなブリオッシュをお客さんが普段使いしやすいように、そして手土産としても渡しやすいようにと考え尽くされたブリオッシュなのです。

『L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)』のブリオッシュ

取材時に並んでいたブリオッシュは、定番のプレーンをはじめ、チェダーチーズ、クリームチーズ、ヌガー、サルタナレーズンの5種類。近頃新登場した、高級生食パンも人気だと言います。

『L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)』のブリオッシュの断面ブリオッシュ「チェダーチーズ」、「ヌガー」

ヌガーは、「フォアグラアイススティック」のヌガーを生地に織り込んでいるもの。キャラメルのほろ苦さと甘み、そしてナッツの食感がクセになる一品。そのままかぶりついてもおいしい『L’ATELIER de LIEN』のブリオッシュ。おいしい食べ方を伺いました。

「バターや卵もたっぷり使っているので、正直なにもつけなくてもおいしいです。カットしてトースターでこんがり焼くと、食パンとは違ったバターの香りや甘みを感じていただけると思います。そこにフォアグラアイスをのせると、ちょっと溶けてそれもまたおいしいですよ。毎日フォアグラを食べられる人はいないと思うので(笑)、食事パンとして合わせるならディップもおすすめです」。

『L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)』のディップ店内には日々の食卓を楽しませてくれる自家製のディップもあります

 

ブリオッシュで作る!さまざまな焼き菓子

『L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)』の焼き菓子

また、ブリオッシュを使ったさまざまな焼き菓子を楽しめるのも『L’ATELIER de LIEN』の魅力の1つ。ブリオッシュで作るラスクやパンプディング、パウンドケーキが並んでいます。

パンプディングをカットする様子パンプディングをカットする様子

『L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)』のパウンドケーキ

こちらのパウンドケーキ、実は小麦粉ではなくブリオッシュのパン粉で作っているそう!

「パウンドケーキは、バター、小麦粉、砂糖、卵の4つで完成します。小麦粉で作る場合、火を通すためにある温度まで上げる必要があるのですが、すでに火の通ったパン粉で作ることで、そこまで温度を上げずに、卵の温度に合わせて焼くことができるので、しっとりとしたパウンドケーキに仕上がるんです。ブリオッシュで作るパン粉には、牛乳やバターも含まれるので、通常のパウンドケーキよりしっとりしているのに重くないという不思議な触感を体験してもらえると思います」と塚本シェフ。

『L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)』の入り口

ブリオッシュは現在『L’ATELIER de LIEN』の店頭での販売となりますが、今後通信販売などでも購入できるように準備中とのこと。

“ブリオッシュのお店”を想像して訪れると、バラエティ豊かな商品の数々に驚かされました。ブリオッシュや商品も、次々に新しいメニューを試作しているそう。

「僕らは料理人なので、なんでも作れちゃうんです。1つ1つに手間暇をかけることも、それが当たり前だと思ってやっています。パン屋という枠には収まっていないかもしれませんが、でも『何のお店なの?』と聞かれるので、パンとブリオッシュのお店とお答えしています(笑)」。

これから、どんな商品が登場するのか楽しみで仕方がありません。普段使いにも、そして手土産にもぴったりな『L’ATELIER de LIEN』のブリオッシュ。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

 

  • ■お店情報
  • L’ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)|http://lien-french.com/
  • 住所:東京都目黒区青葉台3-13-14
  • 営業時間:11:00〜20:00
  • 定休日:月曜日(火曜日不定休)

※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。

 

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