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    本郷三丁目『panda』で定番と変化球、“一味違った”パンに出会う

    北には東京大学、南には順天堂大学と東京医科歯科大学があり文教エリアとしても名高い文京区。その中でも本郷エリアはオフィスビルが林立していますが、一歩わき道に入るとマンションもあり、人々の生活を感じられる街です。

    その本郷通りを少し入った場所に、今回お目当ての『panda』はあります。

    オーナーの片山大樹さん(左)と、パン職人の伊藤太亮さん(右)

    “パンダ”という言葉を耳にするだけであのふわふわでコロンとした動物が浮かんで、ほっこり幸せな気分になりますよね。そんな“パンダ”を店名にしたベーカリー『panda』は2018年9月にオープンしたお店。かわいらしい名前のパン屋さんではどんなパンがいただけるのでしょうか? オーナーの片山大樹さんにお話を聞きました。

     

    運命の出会いでこの地にオープン

    お店に入ると、外国の方がなにやらミーティングをしています。「近くに外資系のオフィスがあるみたいで、外国のお客様もよくいらっしゃるんですよ」と片山さん。地元のお客さんに混じって、何人も外国のお客さんが来店していました。

    ところで、キュートな名前のお店は、どんなきっかけでオープンしたのでしょうか?

    「もともとこの近くに住んでいたのですが、パン屋さんがないエリアだったんですね。住んでいた頃に漠然と『パン屋さんがあればいいな』と思っていたところ、この場所の賃貸募集の貼紙を見つけたんです。でも飲食店はNG…。ところが、ある日たまたま前を通ったら飲食店OKに変更されていたんです! その場で不動産屋さんに掛け合って3日後には契約していました(笑)」。

    実は、オーナーさんも片山さん同様「パン屋さんが近くにあったらいいな」と思っていたらしく、片山さんと契約することを決めてくれたそうです。まさしく“運命”を感じるエピソードですね。店名にはどんな意味が込められているのでしょうか?

    「パン屋さんって、英語なら“ベーカリー”、フランス語なら“ブーランジュリー”。でも、やっぱり日本らしい“パン”にこだわりたかったんです。あと“パンダ”っていう言葉のキャッチーさがいいですよね(笑)。ロゴはふっくらとしたパンをイメージしました」と笑顔で語る片山さん。

    小さな子どもが「“パンダ”のパン食べたい!」とおしゃべりしているところを想像するだけで、なんだかほっこりした気分になりますね。

     

    日本の素材で作る、安心&おいしいパン

    『panda』のパンは、角食パンやバゲットといった定番のほかに、無花果のコロネ、味噌といった一風変わったメニューが約30種類ほど。ユニークなパンのレシピはどうやって作っているのでしょうか?

    「スタッフ全員で案を出し合いながら、決めています」という言うパンは、季節の食材や和の食材を取り入れることを意識しているそう。シンプルだけど“一味違う”ことにこだわったパンたちは、どれを選ぼうか迷ってしまうくらいわくわくするラインナップです。

    新作のカレーパン(左)は、カカオが練りこんだパイ生地で白カレーを包んだユニークな1品。しっかりとスパイスが利いたカレーは大人な味わい

    “子どもにも安心して食べさせたい”という思いから素材にもこだわっている『panda』のパン。京都の老舗ホテルや表参道の人気ベーカリーで腕を磨いたパン職人の伊藤太亮さんに、パン作りへの思いをうかがいました。

    「小麦粉は北海道産のものを使っていますが、実は北海道産にこだわっているわけではないんです。おいしければ外国産の小麦粉でもいいんですけど、僕がおいしいなって思う小麦粉が国産でした。その中でも北海道のものが多いんです。バターや塩も国産のものがおいしいので、自然と国産の素材を使うようになりました」。

    定番のチョココロネ(右)、変化球の無花果のコロネ。どちらも濃厚なフィリングがクセになります

    日本のパンには、やはり日本の素材が合うのですね。多種多様なパンは何度も試作を重ねて商品になります。「さっきも試作したんですけど、うまくいかないですよね(笑)。だいたい8割は失敗してしまいます」と伊藤さん。その言葉から、名店での実績がある職人さんでもパン作りは難しいということ、そしてお客さんにおいしいパンを届けたいという伊藤さんの思いが伝わってきました。

    毎日食パン(上)と、panda食パン(下)。濃厚な味わいで人気のpanda食パンは予約するのがおすすめ

     

    自分らしい使い方ができるフレキシブルなお店

    『panda』のオープン時間は朝7:30~22:00。モーニングからバータイムまで1日を通して違った表情を見せてくれます。

    和食・フレンチ・スパニッシュで経験を積んだシェフによるおいしい料理もいただけます。その中から、ランチメニューのサバサンドとブレッドボウルをいただきました。

    脂ののったサバと白ワインのペアリングは、ランチとは思えないほど贅沢!

    トルコの国民食であるサバサンドはレモンと塩コショウのシンプルな味付けですが、『panda』のサバサンドはやはり一味違います。サバは照り焼き仕立てで甘辛く、日本人にも馴染みのある味わい。さっぱりとしたコールスローとの相性は抜群です。使われているパンはライ麦粉で作ったもので、サバに負けないくらいしっかりと香ばしさを感じます。

    お皿の中で目を引くのはピンク色のタルタルソース。ピクルスの変わりにしば漬けを使っていて、これもまた和風な味わいでサバサンドにぴったりでした。

    世代を問わず大好きなシチューと食パンの組み合わせは人気No.1

    ブレッドボウルは定番の食パン「毎日食パン」を器にしたクラムチャウダー。毎日食パンは、“毎日食べても飽きない”ことを目指した食パン。軽くトーストしてあるパンを一口かじると、バゲットのような香りとさっくりとした食感を楽しめました。

    シチューは具のひとつひとつが大きめで食べ応えがあります。男性でもおなかいっぱいになれそうな、ボリューム満点の1皿です。

    また、ランチメニューにはサラダとドリンクがセットに。サラダのドレッシングはほのかに味噌の香りがして、野菜の味が引き立ちます。また、提供されるコーヒーもこだわりの1杯。

    ハンドドリップで丁寧に淹れたコーヒー。このために来店したくなります

    「墨田区の『SUNSHINE STATE ESPRESSO』さんにオリジナルのブレンドを作ってもらいました。“パンに合う”ようにブラジルを多めに、酸味の少ない、でもすっきりとしたブレンドです」というオリジナルブレンドは、濃い目でも飲みやすい1杯です。今まで飲んだことがないような香りと味わいでしたが、おかわりが欲しくなるくらいおいしいコーヒーでした。

    パンが並んでいるカウンターは、夜はバーカウンターに変身します

    夜はコーヒー同様“パンに合う”をテーマにした肉料理や魚料理、パスタなどしっかりとした食事をいただくことができます。タパスは約20種、サラダも約20種とパン屋さんのバータイムとは思えないほどの充実ぶり。しかもどのメニューもパンは食べ放題だというから驚きです! ドリンクはワインからクラフトビール、カクテル、そしてノンアルコールカクテルまで種類も豊富。ノンアルコールカクテルはお客様の要望からメニューに追加したそうです。

    「オープンして間もないですが、お客様からご要望をいただくことも増えました。地域のみなさんに愛されるパン屋さんにしていきたいので、可能な限りご要望には応えていきたいです」と語る片山さん。

    日本のパン屋さんの定番であるメロンパンや揚げカレーパンが食べたいというお客様もいらっしゃるそうで、ただいま考案中なんだとか。『panda』らしく、“一味違った”メロンパンや揚げカレーパンが登場するかと思うと今から楽しみですね。

    「普通に“おいしい”と言ってもらえるパン作りがしたい」と語るパン職人の伊藤さん。普通に“おいしい”。だから毎日食べたくなる、そんなパンが『panda』にはありました。おいしいパンと、おいしい料理、そしておいしいコーヒーに出会ってみませんか?

     

    • ■お店情報
    • panda
    • 住所:東京都文京区本郷3-16-10 北星舎ビル 1F
    • TEL:03-5844-6352
    • 営業時間:[月〜金] 7:30~22:00、[土・祝] 9:00~22:00、[日]9:00〜18:00

    ※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。

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