8月はパリが1年で1番静かな月。なぜならパリっ子たちはみんな揃いに揃って長期(2〜3週間)のバカンスに出かける時期だから。
フランス人流バカンスはダラダラがお約束
でも「フランス人のバカンスって何週間も一体どこに行くの?」「何をしているの?」と気になるところでもありますよね。この質問、日本の友人に本当によく聞かれるのですが、ずばり「1箇所でひたすらダラダラのんびり過ごす」が正解。私もフランス人ファミリーたちと一緒にバカンスを過ごすようになって知ったフランス人流バカンスの過ごし方でした。
今日は2003年にパリに住み始めてから初めてフランス人に混じって長期のバカンスに出かけた2007年夏のバカンス(この時はスペインの地中海沿いの町で過ごしました)で色々な驚きがあったことを思い出しながら、「フランス人流バカンスの典型的な過ごし方」をご紹介します。
さっそく日本とは異なる高速道路事情
まず、出発の時点でびっくりしたのが、長距離を車で1日使って移動するのが当たり前だということ。パリから1000km移動なんてごくごく当たり前。2、3回休憩を入れながらも、たった1日で一気に目的地を目指します。
高速道路を大量のキャンピングガーが走っているのもフランスならではの新鮮な光景です。
ちなみに、サービスエリアはどこも似たり寄ったりというところでしょうか。日本の「ご当地名物」がいっぱいあり素敵なサービスエリアは期待しないでくださいね。
でも、フランス人が大好きなフライドポテトはどこにでも大量にありますよ。日本じゃちょっと考えられませんが、サービスエリアに普通にビールを売っていたりも(もちろんドライバーたちはそれぞれ注意していますが、飲酒運転ルールは日本と比べたら劇的にあまい…真似はしないように!)。
バカンス先としては「海」がなんといっても人気。地中海や大西洋方面はどこも人がいっぱいです!
以前、PARISmagでも紹介しましたが、滞在するのは家ごとレンタルするスタイルを選ぶ人が多い(特に子供のいる家庭は断然!)です。ホテルより断然割安になり、また長期間借りることがでるので「週」単位で滞在するのが当たり前のフランスのバカンスならでは。何家族かで一緒にバカンスに出かける場合は、何部屋もある大きな家を複数ファミリーで割り勘にして借り、さらにお得&過ごしやすい環境を選ぶことも♪
食事は自分たちで
旅先での食事は、基本的には近くのマルシェ(市場)やスーパーで地元の新鮮な食材を買ってホームパーティやバーベキュー。
たまに気分転換に海沿いの「海の家」風レストランへ行く日もありますが、日本人がイメージするバカンスよりもかなり質素なお金のかからない過ごし方をする人がほとんどなんです(そうじゃなかったら2週間もバカンスに行けないですもん!)。
食べて飲んで寝て過ごすだけ!?
朝寝坊して、昼から食べて飲んで、またお昼寝もして。「みんな外に出かけたり観光したりしないわけ…?」と不安になってくる夕方近く、ようやくみんなビーチへとくりだす。
海で泳いだり、ビーチで昼寝をしたり、本を読んだり、日焼けをしたり(こんがり小麦色に焼くことが「素敵なバカンスを過ごした象徴」なので、みんな焼きます!)、とにかくダラダラ。
ヨーロッパはこの時期、夜9時を過ぎても明るいので、そろそろ帰ろうかなあと思ったときには、あっという間に夕ご飯の時間ということも。もちろんディナーでも再びみんなでワイン片手にワイワイおしゃべりを楽しみながら、のんびりダラダラ。
いろいろ見て回りたい日本人には驚きの連続
毎日ひたすら、これの繰り返し。もちろん、早起きしてジョギングしたりサイクリングしたりする人もいるのですが、基本のスタイルは「同じ場所にとどまりのんびりダラダラ」。「せっかくスペインに来たんだから、ちょっと遠出をしてバルセロナに行ってみようよ!」なんて言うと「ほら、また日本人はせかせか常に動いてる…」とちょっとバカにされます(笑)。
「せっかく旅先に来たんだから、できる限り色々な観光地をまわろう」、「バカンス中なんだから、いつもとは違う贅沢なご飯を食べちゃおう」と、ついつい欲張りになってしまう私たち日本人。だって日本だと1週間のお休みだってなかなか取れないし…という、国柄の違いだとは思うのですが…。
はじめは何もかもびっくりだった、「のんびりダラダラバカンス」の過ごし方。今では、そのダラダラ過ごすことが、何よりも贅沢でリラックスした時間の使い方のような気がして、ちょっと気に入っています。とはいえ、やっぱり根本が日本人なので、ダラダラしつつ、ついつい近場の観光地を制覇したくなっちゃうんですけどね…!
■一緒に読みたい記事
焼けた肌でリア充アピール!?日光を求めるフランス人:【とのまりこのパリライフ!】