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    シャンパーニュの銘菓で作る『Truffes roses aux biscuits(トリュフ・ローゼ・オ・ビスキュイ)』

    こんにちは、菓子・料理研究家の山本ゆりこです。少しずつ暖かくなり、春らしさを感じる3月となりました。日本では薄紅色の桜が見頃を向かえる季節。フランスでは黄色く愛らしい花をつけるミモザが、まだ寒いうちから、春を告げる花として親しまれています。

    前回はアルプスの雪山が美しかった「サヴォワ」を訪れましたが、今回はスパークリングワインの聖地「シャンパーニュ」へ。創業1756年、ランスの老舗『Maison Fossier(メゾン・フォシエ)』の看板商品、フィンガービスケットの「ビスキュイ・ローズ・ド・ランス」を使った、ピンク色のトリュフチョコレートをアレンジした「ビスキュイ入りピンクトリュフ」の作り方、そして春の花・ミモザの名前を冠にしたシャンパンカクテルのレシピをご紹介します。

     

    Truffes roses aux biscuits (ビスキュイ入りピンクトリュフ)の作り方


    撮影協力:ガラスのお皿 B・B・B POTTERS/ BBB&

    本来このトリュフは、ランスの老舗菓子店『Maison Fossier(メゾン・フォシエ)』の「ビスキュイ・ローズ・ド・ランス(ピンク色のビスケット)」で作りますが、今回はティラミス用のプレーンなフィンガービスケットで代用したお手軽レシピをご紹介。足りないピンク色はラズベリーパウダーで補っています。甘酸っぱさも加わって◎です。


    ティラミス作りに欠かせないフィンガービスケット

     

    【材料】(10〜12個分)
    ・フィンガービスケット:約40g(5本)
    ・ホワイトチョコレート:100g
    ・生クリーム(乳脂肪):30g
    ・ラズベリーパウダー:3g
    ・粉砂糖:適量 ※湿りにくい「ノンウエットタイプ」がおすすめ

     

    【作り方】

    1.フィンガービスケットを粉にします。

    ・フィンガービスケットは厚めのビニール袋に入れて、めん棒の先でたたいてポップコーンほどの大きさになるまで砕きます。

    ・生地をのばす要領でめん棒を動かし、できるだけ粉状になるまですりつぶします。

     

    2.トリュフのベースを作ります。

    ・粗く刻んだホワイトチョコレートとラズベリーパウダーをボウルに入れ、湯煎にかけて溶かします。

    ・同時に、小鍋に生クリームを入れて弱火にかけ、ときどき鍋をゆすりながら沸騰直前まで温めます。

    ・温めた生クリームを溶けたホワイトチョコレートに加え、ゴムべらでゆっくりと混ぜ合わせます。

     

    3.材料を合わせて成形し、仕上げます。

    ・[2]のボウルに[1]を加え、ゴムべらで混ぜ合わせます。

    ・表面に直にラップをし、混ぜ合わせたものが冷めるまで、30分ほど冷蔵庫に入れます。

    ・冷たくなったら、冷蔵庫から出し、10~12等分に分けます。

    ・それぞれをきれいに丸め、粉砂糖をまぶしたら完成。

    ※粉砂糖の代わりに、細かいココナツ(ココナツファイン)をまぶしてもOK。

     

    Mimosa (ミモザ)の作り方


    撮影協力:シャンパングラス B・B・B POTTERS/ BBB&

    ミモザは1920年代にパリの五つ星ホテル『Ritz Paris』のバーテンダーが考案したシャンパンベースのカクテルです。正式名称は「Champagne à l’orange(オレンジ入りのシャンパン)」といいますが、鮮やかな黄色や細かく弾ける泡がミモザを連想させることからこう呼ばれるようになったとか。オレンジはジュースではなく、ぜひ生のオレンジを搾って作ってみてください。

     

    【材料】(2人分)
    ・シャンパン:120ml ※辛口がおすすめ
    ・オレンジの搾り汁:120ml(1/2個で65~75ml)

    ※シャンパンとオレンジの搾り汁を1:1であればOK

     

    【作り方】

    ・冷蔵庫から出したてのオレンジを搾ります。

    ・搾り汁を計量カップに注ぎ、冷えたシャンパンを同量注いで、軽くかき混ぜます。

    ・冷えたシャンパングラスにゆっくりと注いだら完成。

     

    地方都市でありながら、フランス正統派の文化が香る「シャンパーニュ」


    シャンパーニュの街に咲いていたバラ。「バラ」はフランス語でRose(ローズ)といい、色の「ピンク」も同じくRose(ローズ)といいます

    ご存知の方も多いと思いますが、「シャンパン」はChampagne(シャンパーニュ)の英語読み。つまり、「シャンパーニュ」と「シャンパン」はフランス語か英語かの違いだけで、指しているものは同じなのです。ここでは混同を避けるため、地方名を「シャンパーニュ」、スパークリングワインの方を「シャンパン」と表記させていただきます。

    シャンパーニュは、首都パリからも近く、中世(12~13世紀)にはヨーロッパ中の豊かな物資や東方からの香辛料が集まる定期市が開かれ、大変栄えていたといいます。その中心地がランスでした。ランスといえば、歴代のフランス王が戴冠式を行ったというノートルダム大聖堂が有名です。

    この大聖堂は、フランス(当時はフランク王国)の初代王クローヴィスがキリスト教に改宗し洗礼を受けた由緒ある場所。このことから、フランス王家にとって特別な存在となり、のちの王たちの戴冠式が行われるようになったそうです。

    フランスに帰化した明治時代の画家、藤田嗣治もこの大聖堂で洗礼を受けています。シャンパーニュは地方でありながら、フランス正統派の香りを感じられるのは、このような歴史が影響しているのでしょう。


    藤田嗣治が晩年に設計したランスの「フジタ礼拝堂」。フランスに帰化し、レオナール・フジタとなった彼と彼の妻の遺骨が納められています

     

    ローズ色をしたランスの銘菓「ビスキュイ・ローズ・ド・ランス」


    テタンジェやローラン・ペリエなどの有名メゾンの特大ボトルが並ぶ、ランスの街中の専門店

    シャンパーニュを語る上で外せないのが、シャンパンです。シャンパーニュ地方の中心都市・ランスの街では、数多くのメゾンのカーヴや専門店が点在し、カフェやレストランでもシャンパンを楽しむことができます。一般的にフランス人がシャンパンのいただくのは乾杯のときや食前酒としてだけですが、シャンパーニュではワインのように料理に合わせてシャンパンを選ぶことができるのです。


    ランスにあるメゾン・フォシエ。ファサードもフィンガービスケットと同じピンク色

    さらに、この地には、シャンパンに浸しながらいただく銘菓があります。それは、創業1756年の老舗Maison Fossier(メゾン・フォシエ)の看板商品である、その名も「ビスキュイ・ローズ・ド・ランス(ランスのピンクのビスケット)」。当時はまだピンク色ではありませんでしたが、ルイ16世の戴冠式の際にも献上されたといいます。シャンパンと一緒に食べる以外にも、シャルロットやティラミスなどのスイーツの材料として使えるため、フランスではレシピ本も出ているほど汎用性の高いお菓子なのです。


    近年発売されたフォシエ社のミニサイズのビスキュイ・ローズ・ド・ランス。定番サイズの約1/3の重量

    今回はビスキュイ・ローズ・ド・ランス入りのトリュフチョコレートを、日本で手に入る材料で作れるようにアレンジしたレシピをご紹介しました。春色のトリュフを、今の季節にぴったりのシャンパンカクテル「ミモザ」と一緒にお楽しみくださいね。

     

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