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    再び渡仏できる日を願って!変わらないパリと、変わるパリ

    「次のメトロは5分後にくるかもしれないし、20分後かもしれない。ひたすら待つのみ」
    「家で待ち構えていたのに、荷物の不在届がポストに堂々と入っている」
    「30分待ってもバスが来ないと思ったら、道路工事の影響で迂回して停まらない停留所になっていた!」
    「日曜日・祝日は何も買い物ができないと思って、平日に行動しておく」などなど…。

    2003年に渡仏してから衝撃を受けた思い出は、数えたらキリがありません!渡仏して20年目を過ごしている最近は、いつも変わらぬパリを歩きながら、「変わるパリ・変わらぬパリ」について考え、渡仏当時の懐かしい思い出に浸ることが多くなっています。

    そこで今回は、昔から変わらないパリの風景と、進化し続けているパリの様子をご紹介します。

     

    古き良き、を大切にするパリの人々

    公園でピクニックをする風景はパリの風物詩

    数ヶ月ぶりに日本へ一時帰国すると、「新しい路線が増えている」「また大きな商業ビルができて駅周辺が激変していた」と、とてつもなく大きな変化をあちこちで見かけます。そんな、まるで自分の知らない街に帰ってきたかのような感覚になることも少なくない東京。

    かたや、「ロンドンやニューヨーク、東京と『世界四大都市』なんて呼ばれ、日々変わりゆく都市たちと並べられて登場する場所でいいのだろうか?!」と思うほどいつまでも変わらなのが、世界一の観光都市・パリです。

    「ギニョール」(人形劇)は今も昔も子供たちのお楽しみ

    公園の池での船あそびは定番のアクティビティ

    ご存知の通り、パリの美しい街並みは今も変わりませんし、これまで紹介してきた公園の「ギニョール(人形劇)」や「船あそび」など、パリの人々は昔ながらのアナログな遊び方も楽しんでいます。マルシェ(市場)ではカゴを持って、毎日の食材を調達するパリっ子たちの姿も相変わらず見られます。

    世界は日々進化を続けてデジタル社会になっていても、いつまでもアナログな世界が残っているのがパリ。街の様子だけでなく、家電1つとってもいつまでも古いものをそのまま使い続けるのがパリスタイルなのです。

    一方ストライキもデモも多くてしょっちゅう通行止めになったり、メトロやバスが止まったり、学校も突然休みになったりと、不便なのもパリならでは。「お客様は神様じゃないから」と理不尽な対応をされることも多いけれど、誰も文句は言わないし、何が起こってもそれぞれがその場で対応してなんとか解決しているんですよね。

    そんなアナログで、便利じゃないパリの姿を見ているとちょっと安心もするし、そんなパリが人間らしくて私は「やっぱり好きだなぁ」と感じています。

     

    スマートフォンの登場で待ちぼうけがなくなった!

    かつてみんなが携帯していた地図

    そんなパリも、もちろんこの20年の間に少しずつ変わっていることがたくさんあります。

    世の中にスマートフォンが登場し、どこにいてもネット環境がある世界になったことが大きな影響だと思います。例えばパリ市内の区ごとの地図。メトロの路線、バスの路線などが書かれていて、以前は1人1冊必ず持ち歩いていましたが、最近ではその姿はすっかり見かけなくなりました。

    渡仏した頃にはなかった「何分後にメトロが到着」の表示のおかげでかなり便利に

    メトロもバスも、いつの間にか「何分後にくる」という表示がされるようになり、また「乗り換え情報」もスマートフォンで調べられるようになりました。ストライキや事故で動いていなければその表示もされるし、待てども来ないメトロやバスをただ待ちぼうけすることがなくなったのです。

     

    メトロの景色も近代的に!

    事故防止のホームドアが設置された近代的なホーム

    歴史的建造物が多く、工事が難しいのがパリの街並み。階段しかなく、バリアフリーからは程遠いパリのメトロにも、ほんの少しずつではありますがエスカレーターやエレベーターが設置される駅が増えてきました。でもせっかくエスカレーターがあるのに、故障で動いていない。なんていうのには相変わらずしょっちゅうで、パリらしいですよね。

    硬いハンドルを持ち上げて手動で開けなくてはいけなかったメトロの扉もどんどん自動化され、ホームにも事故防止の扉が設置される線がどんどん増えて、車両も新しくなっています。ただ、昔ながらのメトロのホームが減ってしまっているのは、ちょっと寂しいですね(笑)。

     

    変わるパリ、変わらないパリ

    パリジェンヌはこのようなかわいいカゴでお買い物に行きます!

    日曜日や祝日はすべてのお店が閉まっているのがあたりまえだったパリも、スーパー、デパート、商業施設と年々オープンする店が増え、いつの間にか日曜・祝日の買い物に困ることがなくなりました。

    Uber EatsやAmazonなど、ネットで注文ができるようになったことで、かなり便利に。「不在届」を入れられることが当たり前だった宅配サービスも、事前に連絡が来て配達日を設定できるなど、昔に比べると格段に荷物を確実に受け取れるようになったんです。

    変わらないと思っていた美しいパリも、「少しずついろいろなところで変わっているんだなぁ」と実感します。街並みが変わるというよりは「利便性」において変わるという部分が多いですが、きっと2年後のパリオリンピックまでにもっと大きく変わるのでしょう。

    フランスでは先月からメトロやバスなど公共交通機関でのマスク着用義務もなくなり、完全に「withコロナ」の生活になりました。世界中から訪れる観光客も増え、コロナ以前のパリに戻った印象。1日も早く日本からの観光客も訪れることを願っています。次の観光では「変わるパリ・変わらぬパリ」などコラムで紹介したパリを想像しながら、パリ散歩を楽しんでいただけたらうれしいです!

     

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