数週間かけてさまざまな土地を巡る人が多いフランスの “ヴァカンス”。春は外出禁止だったパリも、6月22日のロックダウン解除後から徐々にヴァカンスモードに。
私たちも前回のノルマンディーに引き続き、ブルゴーニュにも行ってきました。今回はそこで訪れたちょっとおもしろい乗り物博物館をご紹介します。
レーシングカーからバイク、飛行機などの乗り物が勢ぞろい
例年、海外でヴァカンスを過ごすことが多いフランス人。しかし今年は海外旅行に行ける状況ではなかったため、フランス国内で旅行を楽しむ人が多くなりました。
そんな中、私たち家族が向かった先はブルゴーニュ。
ブルゴーニュといえば、言わずと知れた世界屈指のワインの聖地。カメラマンという仕事柄、何度も訪れたことがある土地です。今年は子どもを連れて、友人宅にお邪魔させてもらいました。
訪れたのは、ワインや美食で有名なボーヌの街。大人旅ならおいしいワインを存分に楽しみたいところですが、今回はスルーして子どもと一緒に楽しめるスポットを探しました。
そこで見つけたのが、シャトー・ド・サヴィニー・レ・ボーヌ(Chateau de Savigny –les -Beaune)という名のシャトー博物館。ワインも製造しているのですが、実は驚くほどに充実した乗り物博物館が併設されているんです!
アバルト社(現在はフィアット社が買収)のレーシングカーが何十台も並べられた壮大なコレクションをはじめ、250台以上のバイクも展示されています。壮麗なシャトー(お城)の室内にレーシングカーやバイクが展示されている様子は、ちょっとミスマッチでおもしろいですね。
展示室にはバイク、飛行機などの模型も置かれ、乗り物の構造や歴史も学べる充実した内容。なんとヨーロッパ屈指の最大級の乗り物博物館なのだそうです。
城内には世界から集められた多くの乗り物が並んでいてそれだけでも驚きですが、屋外には飛行機のコレクションの数々が展示されていました!
こちらは、フランスの戦闘機『ミラージュV(Mirage V. 1967)』。子どもたちも本物の戦闘機をこんなに間近で見られるのは初めてで、かなり興奮気味。
特にぶどう畑の間に並べられた飛行機の数々は、まさに圧巻!
戦闘機の実物に近づくことができるから、散歩もより一層楽しめます。
フランスでは毎年7月14日の革命記念日に軍用機による空中パレードショーが披露され、テレビでは機体の紹介もしています。軍用機に詳しくない私でも知っている飛行機がちらほらありました。
敷地内には50〜60年代の飛行機が多く展示されていています。ジブリ映画に出てきそうなアンティークの飛行機もあり、かわいらしい雰囲気。
屋外展示には飛行機以外に、消防車コレクションもありました。20台以上はあるでしょうか。これらのコレクションは多少の寄付もあるとはいえ、基本は個人の所有物であるところがすごいですね。
中世の暮らしをちょっぴり拝見
シャトー内にはワイン醸造に関する博物館エリアもあり、キッチンなどお城での暮らしも一部垣間見ることができます。
ぶどう栽培に必要なアンティークの道具も展示されていました。
出口エリアでは試飲もでき、ここで製造されたワインが購入できるショップもありました。レストランスペースもあり、イベントやマリアージュの会場としてレンタルすることもできるそうですよ。
城主は元カーレーサー!
展示を見ながら「どうやって集めたの?どうして集めているの?」などと考えていたところ、シャトーから出てくる紳士にお会いしました。
「どこから来たの?日本?そうか、そうか。子どものコレクション心を持ったまま、大人になってしまった変わり者が私だよ。40年ほど前にここを買い、少しずつ集めてきたんだ。どうだった?」と無邪気に話しかけてくださったのは、なんとかつてアバルト社のレーサーだったという城主ご本人でした!
思わずポートレートの撮影をお願いすると、快諾してくださったご主人。素敵な出会いに感謝です!
子どもも大人も大満足できる世界屈指の乗り物博物館は、素敵なブルゴーニュの村々からもすぐ。今までとは趣の違ったワイン街道の旅を楽しむことができました。フランスへ再訪問できるようになった際の参考にしてみてくださいね。
- ■施設情報
- Chateau de Savigny –les -Beaune
- 入場料:大人12€、小人10〜16歳6€(9歳まで無料)
- 営業時間:夏期(4月15日〜10月15日)9:00〜18:30 (最終入場17時まで)
- 冬期 9:00〜日没
- 定休日:無休(営業日&時間は要確認)
- https://www.chateau-savigny.com
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パリ在住カメラマンであり、PARISmagライターの井田純代が友人と共に『プレス・パリジェンヌ』を立ち上げました。HPやinstagramをチェックしてみてくださいね。
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