朝晩は涼しい日が増えてきて、すっかり秋めいてきましたね。そろそろワードローブにも秋物を投入する時期。パリジェンヌの定番アウターといえばトレンチコートではないでしょうか?ここ数年、日本でも毎シーズン注目されているので、 1着は持っているという方や今シーズンこそは!と思っている方も多いと思います。
羽織るだけでスタイリングが決まる便利アイテムですが、ちょっとしたコツでさらにこなれ感をアップさせることができるんです。今回は、ベーシックなアイテムを自分らしく今年らしく着こなすアイデアをご紹介いたします。
意外と知らない?トレンチコート秘密
そもそもトレンチコートの起源は第一次世界大戦のイギリス軍。寒い場所での戦いに対応する軍用コートをして開発されたのがはじまり。それが戦後、しっかりした仕立てや着心地の良さ、耐久性などが支持され。英国のロイヤルファミリーや映画スターなどが着る様になりファッションコートとして世界中に広まりました。今となってはファッションアイテムとして欠かせないトレンチコートですが、そのルーツは機能性が求められる軍隊用のコートだったんですね。
トレンチコートの特徴的なデザインには、そんな歴史に由来する意味もあるんです。例えば、肩についている「エポーレット」。もともと階級を示すためのバッジを付けたり、戦いの時に双眼鏡や水筒のスタラップの滑り落ちを防ぐためのもの。現在にも残るそのデザインは、肩のラインをきれいに見せ、マニッシュな印象を与える効果ももたらしてくれています。
また、肩から背中にかけて二重構造になった部分を「ストームシールド」と呼び、雨が降ったときに水滴が滑り落ちコートに水分が浸透するのを防ぐためだったのだそう。
他にも袖口のストラップはきゅっと袖口を締めることで防風の役目をしたり、後ろの裾部分にある内側のボタンを外すと大きく裾が広がる「インバーテット・プリーツ」は、戦場で馬に乗る時に足の動きを邪魔しない様にという意味があったり。
おしゃれなデザインだと思っていたパーツにそれぞれ機能があると知るだけで、少しトレンチコートのスペシャリストに近づいた気がするのは気のせいでしょうか?
フランスならではのエスプリがつまったコトニエのトレンチ
コートの由来が分かったところで早速トレンチコートの着こなし方をご紹介したいと思います。今回は「COMPTOIR DES COTONNIERS(コントワー・デ・コトニエ)」のトレンチコートを使った秋のコーディネートを紹介します。フランスのブランドであり、パリジェンヌのitブランドでもあるコトニエ。シンプルでありながら素材やデザインの随所にこだわりが見られ、まさにパリジェンヌ好みのエスプリが効いたアイテムが揃っています。
トレンチコートで作るモノトーンパリジェンヌルック
まずはコトニエの定番型のトレンチコートを使った着こなしを。シンプルでベーシックなかたちなので、スタイリングを選ぶことなく着こなすことができます。
今回は濃いブルーグレーのようなニュアンスのあるスレートをチョイス。真っ黒ではないので、重くなりすぎず、クールながら女性らしくまとめてくれます。すでに定番カラーのベージュを持っているという方にもおすすめのカラーです。
ミディアム丈のトレンチコートに合わせてVネックのハイゲージニットで女性らしさをプラス。スキニーに合わせるシューズはフェミニン感のあるストラップシューズをオン。今季も引き続き人気のワントーンコーデも、グラデーションでまとめるとシックだけど女性らしいパリジェンヌルックの出来上がりです。
フランスのブランドのトレンチコートは、イギリスのものに比べ肩やウエストのラインに女性らしさがプラスされているのが特徴。コトニエも例外ではなく、かっちりしつつも華奢な印象を与えてくれる細身のデザインになっています。
コート:BERKLEY(SLATE)/ニット:BALALAIKA(GREY)/パンツ:BABOU (GREY)/シューズ:BABIES(NOIR)
トレンチにこなれ感をプラスする着こなしHOW TO!
パリジェンヌらしい着こなしはやはり袖をくしゅっと捲り上げるのがポイント。こちらのトレンチはしっかりした生地なので、袖口を小さく外側に折り返してから肘に向かってまくり上げるとずり落ちにくくなります。腕の細さを強調する太めのレザーバングルを合わせると、より女性らしくモードな雰囲気に。
ウエストベルトは後ろで無造作に片結びに。ウエストのくびれを作ることができ、マニッシュな中にも女性らしさをプラスしてくれます。クールな後ろ姿は、都会的でスタイリッシュな印象に。通勤スタイルにもぴったりです。
伝統的なパーツに加え、コトニエのトレンチコートは襟元にシルバーのホックが付いていていたり、ファッション性の高いディテールが盛り込まれています。実はこういったディテールは毎年少しずつ変化が加えられているのだそう。そんな小さなこだわりもまたパリジェンヌのツボで、毎年新モデルを購入する方や昔のモデルを大切に着続けている方も。
しっかりした生地なのでピンと衿を立てて着ると、横から見てもGOOD。赤いリップで都会的な華やかなパリジェンヌスタイルも様になりそうです。
前身頃のボタンを全て留めて、ベルトをキュッと締めるとまた違った雰囲気に。もちろん袖はくしゅっと肘下まで上げるのはお約束。パリジェンヌ風にワンピースのように着こなしてみてください。
ベルトを締めるとき、きつめにキュッと締め、ベルト上の前見頃を少しだけ出してたるませると立体的で綺麗なシルエットに。今年注目の着こなし方ですので、ぜひトライしてみてください。
トレンドの形で作るフェミニンパリジェンヌスタイル
こちらはトレンドのロング丈のトレンチコート。ストレッチが効いた柔らかな生地なので、ガウンのようにさらりと羽織るだけで様になります。ゆったりしたデザインで厚手のニットもインできるので、秋だけじゃなく冬にかけても長く着られるのはうれしいポイントですね。前身頃にドレープがあるデザインと、落ち感のある生地で女性らしい上品な雰囲気を演出してくれます。
リボンタイの付いたデニム生地のワンピースにトレンチコートをさらりとはおってフェミニンな雰囲気に。足元はレザーのレースアップシューズをチョイスして、辛口なアクセントをプラスするのがパリジェンヌっぽいですよ。シューレースは上まで閉めずに、くるぶしの少し上あたりでラフに固結びすると抜け感が出て、こなれた印象に。この秋冬注目のアニマルプリントは、バードイラストがかわいい大判ストールで取り入れて。
こちらのモデルは、定番のベージュカラーの他、今シーズン注目のカラーのひとつマルーン(紫みを帯びた茶色)での展開も。一気に旬の着こなしになるアイテムです。
コート:BETINA(CHKAMOIS)/ワンピース:BIGORNEAU(DENIM)/ストール:BIENNALE(BIRDY HUNTER GREEN/シューズ:BENJAMIN(NOIR)
大きめの衿にインパクトがあるので、さっと羽織るだけでスタイリングが決まります。こちらも袖をくしゅっと肘下まで上げて着るのがおすすめです。手首は少しハードなシルバーのブレスを重ねづけして、華奢ながらも強いパリジェンヌをイメージしてみました。
ウエストベルトはセンターバックでラフに結んで。長めの裾がふんわり広がり、女性らしいシルエットに。後ろ姿からも素敵な女性感が漂ってきますよね。
ローブの様にフロントでゆるく結ぶとまた違ったエレガントな雰囲気に。ワイドパンツと合わせて、全体的にワイドなゆったりしたモードスタイルも今年っぽくておすすめです。ボタンが隠れたすっきりとしたデザインとシンプルなシルエットで、スタイルを選ばず着こなすことができます。
定番とは言え、ちょっとしたデザインやディテール、素材や色の違いで随分と印象がかわるトレンチコート。そして、ベルトの結び方などでアレンジすると、グッとこなれた着こなしに。ぜひ、お気に入りの1着を秋のワードローブに投入してみませんか?今年の秋は、トレンチコートをとことん楽しんで、パリジェンヌのようなスタイリングを楽しんでみてください。
- ■お店情報
- COMPTOIR DES COTONNIERS
■一緒に読みたい記事