パリといえば甘いスイーツ巡りも欠かせませんが、美しい街並みに映えるおしゃれなパリジェンヌたちのファッションも気になりますよね。日本ではあまり見かけないような色合いや素材をカッコよく着こなす姿。思わず目で追ってしまうなんてことも…。
今回は、そんなパリを含めヨーロッパで古着の買い付けを行う移動式古着屋『Blanche Market(ブロンシュ マーケット)』をご紹介します。パリを愛してやまないと言う『Blanche Market』のディレクター・Michelさんに、パリの魅力や古着の楽しみ方のヒントを教えていただきました!
自分たちからお客さんに会いにいく。移動式古着屋『Blanche Market』
『Blanche Market』は、オーナーのYuriさんとディレクターのMichelさんの2人が2019年に活動を始めた店舗を持たない古着屋さんです。ヨーロッパで買い付けを行い、オンラインストアやPOP UP、イベントでの販売を行っています。
「Blanche」とは、フランス語で「白」という意味。気品さ、上品さ、強さのある中で純白な心を持ち、ピュアでチャーミングな女性をイメージして名づけたそう。YuriさんとMichelさん自身が「自立した女性でありたい」という想いで始めたお店であるという意味も込められています。
共通の友達を介して出会ったというお2人。「Yuriは30歳を超えたら、大好きなヨーロッパから古着を買い付けて販売してみたいという夢を持っていました。私は全然そんなことを考えてなかったんですけど、アパレル出身でしたし、いつかお店作りをプロデュースしてみたいとは思っていたんですよね。『30歳になったら』なんて言っていたけど、別に今でもいいんじゃない?やってみる?と話したのが始まりです」とMichelさん。
最初は趣味や副業の感覚で始めたという『Blanche Market』ですが、Instagramでのファッションセンス溢れるお2人の写真や動画が話題となり、徐々に根強いファンがついたのだとか。
『Blanche Market』といえば、実店舗を持たない移動式の古着屋というのが大きな特徴の1つ。その理由を尋ねると、「店舗を持つメリットが私もYuriも感じられなかったんです。お互い販売をやってきたのですが、ただ店舗でお客さんを待つ時間がどうにも好きになれなくて。それだったら、私たちに会いたいと思ってくれている人たちのところへ私たちから会いに行くほうが新しいし、おもしろいし、何より私たち自身が楽しいと思ったんです」。
最近だと、阪急うめだやNEWoMANなどの百貨店からPOP UP開催の声をかけられることも増えたそう。それまでは月末にギャラリーを借りて販売イベントを行うなど、開催場所や期間は様々。まさに神出鬼没の古着屋さんです。
パリ=自由。2人にとってのパワースポット
ヨーロッパでの買い付けの様子。左がYuriさん、右がMichelさん
『Blanche Market』には、エッジの効いた魅力的な古着がたくさん並んでいます。買い付けは4ヶ月に1度、年に2~3回ほど。10日~2週間で買う量は、なんと400~500点!「まずお店に入ったら、二手に分かれて直感で惹かれたものをバーっとピックアップするんです。それを1カ所に集めて、『いる・いらない』を精査していき、『いる』と判断したものは全部買います。普段、私たちが着ている服をInstagramで見て『Blanche Market』を好きになってくれた方が多いんです。お客さんたちは私たちのセンスや感覚を信頼してくれているんだという自負がある。だから、頭ではあまり深く考えず、私たちの直感を大切にしていますね」。
フランスと日本の古着屋さんでは、こだわり方が少し違うのだとか。日本のように綺麗に並べているというよりは、その店主の趣味やお気に入りがいっぱい並んだお部屋といった感じ。ごちゃごちゃしていても、ヨーロッパならではの外観やインテリアが目を惹きます。
彼女たちがパリを愛する理由を伺うと、「自由なところですかね。あとは、空港に入った瞬間の甘い香りや、長い歴史が育んできたパワーを感じます。私たちのパワースポットでもあるし、行くだけでテンションが上がるんですよね。町の人たちも、日本人とは全然違って適当だし、それはそれで嫌だなと思うこともあるんですけど、いい意味では本当に自由を謳歌していて憧れちゃう。その自由さだけで成り立つとは思わないですけど、ちょっと砕けたフランス人がすごく好きです」。
商品だけでなく『Blanche Market』自体を好きになってほしい
『Blanche Market』では、商品を販売するだけでなく、お客さんとの密なコミュニケーションも大切にしているのだとか。「イベントやPOP UPでは、必ず2人とも接客をするようにしていますね。商品を買いに来ている方ももちろんいるんですけど、Instagramを見て私たちに会いに来てくれている方も多いんです。なので、基本的に私たちが接客をして、そのお客さんに合うコーディネートを提案しています」とMichelさん。
『Blanche Market』の商品の魅力はもちろんですが、YuriさんとMichelさんから直接コーディネートを教えてもらいながら購入できることも、ファンにとってはうれしいポイントです。
「Yuriは記憶力が良くて、ある程度お話ししたお客さんのことは覚えているんですよね。お客さんの顔だったり、買ったものだったり。なので、2回目に来店された場合のフォローコミュニケーションはすごく大切にしています。ブランドのイメージのために写真や世界観はカッコよく作るようにはしていますが、いざお客さんが来店してくれたときに、商品だけではなくて私たちのことや『Blanche Market』というブランド自体を好きになってほしい。なので、Instagramの私たちを見て緊張される方もいますが、初めてのお客さんが抱いているイメージとは全く違って、私たちは結構ラフで気さくです。そう心がけているところもありますが、それが本当の私たちでもありますね(笑)」。
過去に行ったファンミーティングでは、お友達のような感覚で20名ほどのお客さんと一緒に食事会を開催したのだとか。そこではお客さん同士が友達になるなど、『Blanche Market』はまるで1つのコミュニティのような感覚。
人と被らないからこそ個性が出る。『Blanche Market』が考える古着の魅力
買い付けのため古着は全て1点もの。ジャケットやパンツ、アクセサリー、バッグなど多種多様な商品が並んでいます。古着というと取り入れるのが難しいイメージ…。Michelさんにコツを伺うと、「私たちが提案しているのはミックススタイルです。普段の服装にプラス1点古着を合わせてみるという感覚。普段着ている洋服に、正規品では出会えないような派手な色のものや、エッジの効いたものは古着で取り入れる。いいバランスで気軽に試してみてほしいな」と。
古着の魅力はやはり一期一会なところ。人と被らないからこそ、自分の個性を発揮できるものでもあります。また、Michelさんはジャストサイズのものと偶然出会えるとテンションが上がるそう。「私は身長があるので、日本の正規品だと着丈が短かったり『惜しいな』と感じることが多いんです。お客さんに話を聞いていると、他にもそういう人はたくさんいますね。自分の体にぴったりなものに出会えたときは、すごくうれしい。サイズ感もそうですが、好きな柄や形を発見して『これは絶対ずっと着続けるだろうな』と確信できるものに出会えたときの高揚感をお客さんにも味わってもらいたいです」。
目標は全国展開!各地へ「一期一会の出会い」を届ける
買い付けの様子がまとめられたzineも販売中
遠くのヨーロッパから運ばれてきた古着のなかから、自分だけのお気に入りを見つける。そんな「一期一会の出会い」が古着の最大の魅力なのかもしれません。最後にMichelさんに今後の展望を伺いました。「まずは全国展開を目標にしています。大阪に限らず福岡や北海道、新潟など、お客さんに会いに行く場所や機会を増やしていきたいです」。
YuriさんとMichelさんのコーディネートを参考にしたり、アドバイスをもらいながら「一期一会の出会い」を楽しんでみてはいかがでしょうか?おしゃれの幅がグッと広がること間違いなしです。『Blanche Market』は神出鬼没なので、ぜひ彼女たちのInstagramやオンラインショップをチェックしてみてくださいね!
- ■お店情報
- Blanche Market
- オンラインショップ:https://mgmggang.thebase.in/
- インスタグラム:@blanche_market
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