シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン “パリマグ”
  • HOME
  • STYLE
  • 清澄白河『リカシツ』で知る、理化学ガラスで楽しむ暮らし

STYLE

清澄白河『リカシツ』で知る、理化学ガラスで楽しむ暮らし

Pocket

清澄白河『リカシツ』で知る、理化学ガラスで楽しむ暮らし

コーヒーの焙煎所や豆にこだわったカフェが点在する清澄白河。“コーヒーの街”として親しまれていますが、近年ワイナリーやブリュワリーも登場し、“ものづくりの街”としての印象も色濃くなってきました。また東京都現代美術館もあることから、アート好きの人たちが町歩きをする姿も少なくありません。

さまざまな顔を持つこの町で、理化学ガラスに特化したユニークなお店が2015年にオープンしました。小学生の頃、理科の授業で使ったことのあるビーカーや試験管、フラスコなどが店内にずらりと並び、懐かしさを誘います。これら理化学ガラスの新しい使い方や、現代のライフスタイルへの取り入れ方を清澄白河の町から発信する『リカシツ』を取材しました。

 

ビーカーや試験管を生活の中に。「理化学+インテリア」を提案

清澄白河『リカシツ』の店内

清澄白河駅A3出口を出て徒歩約5分。大通りから一本奥に入った小道に、理化学ガラス専門店『リカシツ』があります。ビーカーにフラスコ、試験管など、約500点もの理化学ガラス製品が店内にずらりと勢揃い。一歩お店に入ったなら、「懐かしい!」という気持ちとともに「どうやって使おうかな?」と好奇心を刺激されるに違いありません。

清澄白河『リカシツ』の関谷さん

このお店を立ち上げた関谷幸樹さんは、昭和8年から理化学ガラス製造を生業とする関谷理化株式会社の3代目です。

「理化学ガラス製品の多くは、大学や研究機関に卸しており、一般の方にはなじみの薄いもの。『もっと理化学ガラス製品の魅力を広く発信したい』という思いで、理化学ガラスを見て、触れて、知ってもらえる場所としてこのお店を立ち上げました」。

現在、理化学ガラス作りの職人の年齢層は60〜80代。技術を受け継ぐ後継者不足も悩みだと関谷さんは話します。

『リカシツ』が入居しているのは、築50年のアパートを改装して誕生した複合施設『fukadaso』。「美術館やカフェも近くにあるので、アートやコーヒーに興味のある人たちが訪れてくれれば」と、2015年4月にお店をオープンさせました。その後、『fukadaso』がTV取材を受け、それをきっかけにさまざまなメディアの取材を受けるようになり、お客さんも徐々に増えていったそうです。

清澄白河『リカシツ』の店内に並ぶシャーレ理科の実験でおなじみのシャーレ(ペトリ皿)。ドライフラワーなどを入れるだけで素敵なインテリアに!

また『リカシツ』で製品を購入したお客さんが、SNSで購入品の写真をアップし、それを見た人がまた足を運んでくれるようになったのだそうです。

丸底フラスコを使ったインテリア丸底フラスコを麻紐で吊るして。ユニークなのにシンプルだからどんなインテリアにもマッチ

「調理器具や花器、多肉植物の水耕栽培の器に使っている人や、小物のディスプレイに使っている人もいました。お客さんがSNSでアップしている商品の使い方を見て『なるほど!』と、感心させられましたね」。

これまで大学や研究機関に卸していたビーカーや試験管。「実験」や「研究」のイメージが強かったアイテムをインテリアに取り入れているお客さんの、オリジナリティあふれる使い方には関谷さん自身、驚かされたと言います。

アルコールランプ用の五徳に、コーヒーのドリッパーがフィット

アルコールランプ用の五徳にコーヒーのドリッパーがフィットするということも、お客さんが発見したそう。透明性が高くシンプルな形状の理化学ガラス製品は、どんなインテリアとも馴染みがよく、生活にフィットしてくれます。だからこそ、その使い道は自由に、豊かに広がるのです。

 

耐熱性に優れた理化学ガラスは、調理器具としても活躍

フラスコの形を活かしたランプさまざまなフラスコの形を活かしたランプ/コニカルペンダンドなど

透明性だけでなく、「耐熱性」にも優れた理化学ガラスは熱衝撃に強い素材で作られており、120度までの温度変化に耐えられます。電子レンジにも使うことができ、調理器具として使っている人も多いのだそうです。

取手付きビーカー取手付きビーカー

大小さまざまなビーカーに取っ手がついた商品は、お客さんの声から生まれたオリジナル。ビーカーを調理器具として使っているお客さんが、「電子レンジで加熱したときに熱くなって持ちづらい」と話していたのを聞いて考案したそう。ホットワインなど、飲み物の温めはもちろん、メモリがついているので、オリジナルドレッシング作りにも◎。

ビーカーワイングラスビーカーワイングラス

その後もビーカーの底面に足をつけた「ビーカーワイングラス」や、清澄白河のクリエーターとコラボした「イラスト入りビーカー」などオリジナル製品も増えていきました。後付け加工しやすいのも理化学ガラス製品の強みです。

蒸留器

お店の斜め向かいにある『理科室蒸留所』ではオリジナルの蒸留器「リカロマ」が設置され、野菜やハーブなどを手軽に蒸留してアロマウォーター(芳香蒸留水)を作ることができます。

理科室蒸留所の看板

こちらで販売している水出し珈琲の抽出器具も、理化学ガラス職人によるオリジナル。関谷さんの取り組みは、私たちの生活に理化学ガラスを取り入れ楽しむきっかけを提供してくれるだけでなく、ガラス職人の新たな仕事も生み出していました。

理科室蒸留所のドリンクメニュー

『リカシツ』のロゴが入った瓶

シンプルで形や大きさのバリエーションも豊富な理化学ガラスだからこそ、使い方は無限大。自分らしい活用方法を考えながら商品を選んでみてはいかがでしょうか。

 

  • ■お店情報
  • リカシツ
  • 住所:東京都江東区平野1-9-7 深田荘102
  • TEL:03-3641-8891
  • 営業時間:[平日]13:30~18:00、[土・日・祝日]13:00~18:00
  • 定休日:火・水(臨時休有り)
  • HP:https://www.rikashitsu.jp/

※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。

 

■一緒に読みたい記事

今週末はパリ気分を求めて清澄白河散歩

一皿の料理をサンド!美術館にオープンした『二階のサンドイッチ』

あったかブリオッシュとひんやりジェラートのコラボ!清澄白河『ブリジェラ』

清澄白河『リカシツ』で知る、理化学ガラスで楽しむ暮らし

この記事が気に入ったら
いいね!してね

PAGE TOP