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毎日の中のほっと一息つく時間。長尾智子さんの『ティーとアペロ』

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毎日の中のほっと一息つく時間。長尾智子さんの『ティーとアペロ』

慌ただしい日々の中でほっと一息、お茶の時間。1日のお仕事を終えグラスにお酒を注ぎリラックスするアペロの時間。三度の食事のようにしなくてはならないものではないけれど、お茶とアペロのようなふっと力が抜ける時間があることは、きっと毎日に心地よさをもたらしてくれるはず。

今回は、そんなお茶の時間とお酒の時間を彩ってくれる140のレシピをまとめた『ティーとアペロ』という本を紹介したいと思います。著者であるフードコーディネーターの長尾智子さんの、ティーとアペロの過ごし方についても教えていただきました。

 

心地よい隙間の時間。ティーとアペロ

毎日の中のほっと一息つく時間。長尾智子さんの『ティーとアペロ』

20代の頃、フランス家庭のアペリティフの時間を垣間見た際「フランスの大人とはこういうものなのか。いつかこんな過ごし方をしてみたい」と思ったのがアペロとの出会いだったという長尾さん。また、日頃から作業に煮詰まったときにお茶とお菓子で一旦休むことの効果を感じていたということもあり、心地よい隙間の時間として「ティーとアペロ」を1冊にまとめたのが今回の書籍です。

「『ティーとアペロ』の時間というのは、生活の中で必要不可欠な時間ではないですが、だからこそ楽しくて、貴重な時間なのではないかと思っています。『ティーとアペロ』の時間を暮らしに取り入れることで、一息ついて、今日も無事に過ごせたと思えたらいいなと思い、この本を作りました。

本を作る前に、フランス在住の友人にテーマの話をしたら、『お茶を飲んでお菓子を食べ、お喋りして夕方になったら軽いお酒を飲んで…って、フランスのバカンスの過ごし方ね』と言われました。そんな時間を1日のどこかに少しでもとれたら素敵ですよね」と教えてくれました。

 

短い時間でも気分転換に。お茶の時間

本の中では、「ティー(お茶の時間)」「アペロ(お酒の時間)」それぞれのレシピが紹介されています。

毎日の中のほっと一息つく時間。長尾智子さんの『ティーとアペロ』胚芽の甘い香りがあんこにぴったり!「あんこに合うブラウンスコーン」(撮影;新居明子 以下同)

「ティー(お茶の時間)」の項目では、お茶菓子の定番でもあるスコーンやケーキなどのレシピはもちろん、あんこやチョコレートのお菓子、フルーツを使ったお菓子などバリエーション豊かなレシピが紹介されています。お菓子を手作りするとなると時間もかかるし、つい「面倒…」と思ってしまう方も多いかもしれませんが、あんこなら丸めて、チョコレートなら溶かしてドライフルーツやナッツと一緒に固めて…とこれだけでも立派なお茶うけになるのです。

毎日の中のほっと一息つく時間。長尾智子さんの『ティーとアペロ』アーモンドではなく松の実をのせたカリッとした食感の「シナモンのチュイル」。

また、お茶とお菓子の組み合わせでもお茶の時間はさらに楽しくなるのだとか。

「お茶とお菓子の組み合わせは、実はワインと料理のマリアージュのように広がりのあるものだと思います。普段から組み合わせばかり試しているわけではないですが、黒糖を使った和菓子がミルクティーやコーヒーに合ったり、チョコレートが中国茶といい相性だったり。お茶の時間を楽しめば楽しむほど組み合わせが見つけられるんです。

そこからその組み合わせの一部を自分で作ってみようということにもなっていくのだと思います。例えば、あんこを炊いてみたら、和風のおやつだけではなくスコーンと合わせるとおいしいかもしれないな…と、そこでも楽しみが広がりますよね」。

毎日の中のほっと一息つく時間。長尾智子さんの『ティーとアペロ』リキュールが効いた「レーズンアーモンドケーキ」

日々の生活の中で、お茶の時間を上手に取り入れている長尾さんは、外出先にも保温ポットに入れたお茶を持っていくこともあるのだそう。

「家や仕事場にいない日や外に出かける日などは、お店で休憩することもありますが、小さな保温ポットにお茶を入れ、バッグにチョコレートを入れておくことも。歩きながら散歩するみたいに休憩するという裏技です。旅先でも同じ。カフェが山ほどあるパリでも、朝コーヒーやお茶をポットに入れて出て、途中でおいしいお菓子を少し買ったりして、合間のティーの時間を楽しんでいます。

習慣になったら、短い時間でもとてもいい区切りになりますし、1日の中での一番の楽しみになると思いますよ」と長尾さん流のお茶の時間の取り入れ方を教えてくださいました。

 

肩肘張らない気軽なお酒の時間。アペロ

「お茶の時間」に比べると日本では、まだなじみが少ないアペロという時間。フランスの食前酒(アペリティフ)が変化して生まれた、「お茶しよう」と同じ気分の言葉です。日本では、「ちょっと一杯」で立ち寄れるような小気味いい居酒屋のようなものといったところ。

なので、おつまみも肩肘張らない気軽なものでよいのです。本の中のレシピも、材料さえあればその場ですぐ作れるものばかり。

毎日の中のほっと一息つく時間。長尾智子さんの『ティーとアペロ』ゆでたての新じゃがに冷えたアンチョビバターがベストマッチ!「新じゃがバター」

「ティーがただお茶やお菓子を楽しむ時間のように、アペロもお酒を楽しむだけの時間です。アペロのおつまみも本に掲載しているごく簡単なものでいいと思います。塩炒りナッツやちょっと上質なおいしいバターに自然な風味の粗塩を振って、トーストしたパンを添えるだけ。素材勝負で組み合わせれば、簡単なもので十分です。チョコレートとドライフルーツなどもおつまみになります。飲みながら作れるようなものが理想ですね」。

毎日の中のほっと一息つく時間。長尾智子さんの『ティーとアペロ』漬け込んだ油もおいしいコンフィ。左から生たらこ、わかさぎ、ししゃも。

本の中では、その場でさっと作れるレシピのほか、作りおきできる常備“肴”のレシピも満載です。人が訪れ何人かでアペロをするとき、さっとおつまみを出せるとゲストもホストも気を使わず楽しめます。気負わず、でも手を抜かないことがアペロを楽しむ秘訣。みんなで楽しむためには、いい塩梅に過ごせるように気を使うことが大切なのです。

毎日の中のほっと一息つく時間。長尾智子さんの『ティーとアペロ』ラムは小さく切り分けてアペロ仕様に。「羊串焼きとトルティーヤ、きゅうりの塩まぶし」

アペロのときにおすすめのお酒も聞いてみました。

「私はあまりお酒を飲まないので『とりあえずビール』というのにピンとこないのですが、何人かいれば小さめのグラスでビールを出したり、パナシェ(ビールのカクテル)にしたりします。あるいは少し甘めのスパークリング。まずは、お酒だけで乾杯して、その後のお酒の種類によっておつまみを決めています。

今までは、自分の興味もあってワインが多かったですが、最近ウィスキーのおもしろさに気がついて、ウィスキーと氷、レモン、炭酸などをトレーに乗せて準備しておき、それぞれで好きな飲み方をするというのも気に入っています」。

毎日の中のほっと一息つく時間。長尾智子さんの『ティーとアペロ』豆とオリーブ油が相性抜群!「大豆とひよこ豆のオリーブ油和え」

『ティーとアペロ』の中では、ピクルスやコンフィ、ガレットといったフレンチテイストなおつまみだけでなく、和風のおつまみ、エスニックテイストなものなど、お酒に合わせて選べるメニューがたくさん揃っています。シンプルな味付けで野菜をグリルする「焼くアペロ」は合わせるお酒を選ばないので、いろいろなシーンで活躍してくれそう!

久しぶりに友人が遊びに来るから、市場で見つけた春野菜でおつまみを作ってみよう。今夜はひとりなので、手抜きだけどちょっと贅沢なおつまみが食べたいな…と、「何を作ろうか?」と考える時間もまた幸せなひとときです。

 

自分なりのティーとアペロを

毎日の中のほっと一息つく時間。長尾智子さんの『ティーとアペロ』ワインが進む、パンが進むコンフィ。左から鶏レバー、あん肝

「ティーもアペロも、実はどこでも行われている大事な習慣だと思います。以前、中国に行ったとき、1日中かと思うくらい中国茶を囲んでいるのを見たり、イギリスはさぞ本格的に淹れるのかと思ったお茶が、意外にティーバッグが多かったり。いろいろな国で、お茶が身近にあり、気楽に楽しんでいる様子を見てすごくいいなと思いました。

また、日の長い夏のヨーロッパで、夕方からのゆったりした時間の流れ方に魅力を感じたりもしました。こういう、直接見聞きした記憶が、今回の『ティーとアペロ』の料理やお菓子のヒントになっていると思います。

ぜひ、自分なりのティーとアペロという時間の過ごし方を楽しんでもらえるとうれしいです」と長尾さん。

 

『ティーとアペロ』に掲載されている140のレシピと長尾さんの言葉は、一息つく時間がもたらす豊かさと暮らしを楽しむヒントを教えてくれます。ぜひ、日々の暮らしの中にティーとアペロの時間を取り入れて、ほっと一息ついてみてはいかがですか?

 

長尾智子(ながお ともこ)さん

フードコーディネーター。書籍や雑誌にエッセイやレシピを執筆、紹介をするかたわら、食品や器の商品開発も手がける。近著に、『毎日を変える料理』(柴田書店)、『やさい歳時記』(集英社)、『あなたの料理がいちばんおいしい』(KADOKAWA)、『食べ方帖』(文化出版局)など、身近な素材をシンプルに料理することをテーマに活動する。

vegemania.com/

 

  • ■書籍情報
  • ティーとアペロ お茶の時間とお酒の時間 140のレシピ
  • 著者:長尾智子
  • 撮影:新居明子
  • 出版社:柴田書店

 

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