アートの秋到来!フランスには、過去から現在にいたるまで個性豊かなさまざまなアーティストがたくさんいます。そんなフランスの2人のアーティスト、映画監督のアニエス・ヴェルダと写真家JRをご存知でしょうか?
「ヌーヴェルヴァーグの祖母」とも呼ばれる女性映画監督アニエス・ヴェルダ。そして、大都市から紛争地帯、様々な場所で、そこに住む人々の大きなポートレートを貼り出す参加型アートプロジェクト「Inside Out(インサイド・アウト)」で知られるフランス人アーティストJR(ジェイアール)。
このフランスを代表するアーティスト2人が、フランスの田舎を旅しながら村々に住む市井の人々と接し作品を作り残していくロードムービースタイルのドキュメント映画『顔たち、ところどころ』が間もなく公開されます。
「とにかく村に行って撮影する」からはじまった旅
以前からお互いの作品については知っていたものの会ったことのなかったアニエス・ヴェルダとJR。本作のプロデューサーでもあるヴェルダの娘、ロザリーによって会うきっかけを得た2人は、出会って早々に意気投合!なんと初対面から3日目にはもう短い動画を一緒に撮りはじめていたのだとか。
しばらくして、アニエスはJRへ「都会派アーティストのあなたの人生を私が少し変える。あなたを田舎に連れて行く」と、フランスの田舎を旅することを提案。外国の小さな町を転々としたことはあったJRですが、実はフランス国内の地方は行ったことがなかったのだそう。
こうして「映画を作る」という目的ではなく、「とにかく村に行って撮影する」ことを目標に2人の旅ははじまったのでした。
「僕らは人生に向き合っているんだ。この映画は僕らの出会いの物語でもある」とJR。アニエスとJRは、フランスの田舎を巡り作品を作る旅を通して、互いのアーティストとしての姿勢や考え方を理解し合い、そして心を通わせていきます。
JRのスタジオ付きトラックでフランスの村々を巡り、出会った人々の顔を撮る。そんな旅は18ヶ月にも及びました。炭鉱労働者の村にひとりで住む女性、ヤギの角を切らずに飼育することを心情とする養牧者、港湾労働者の妻たち、JRの100歳の祖母などたくさんの人との出会いが描かれています。そこで生まれるひとつひとつの作品とそこに込められた物語もこの映画の見どころです。
また各地の村を巡る途中、アンリ・カルティエ=ブレッソンのお墓、ギイ・ブルタンとの思い出の海岸、ゴダールの家といったアニエスと交流のあった人たちを辿るシーンも。アニエスの生きた時代の歴史を感じさせ、また、それを新生代のアーティストに伝えるという愛情も感じさせます。
歳の差54歳のでこぼこな2人。歌ったり、喧嘩したり、笑ったりしている姿は、友達のようであり、親子のようであり、恋人のよう。そして、一緒に作品を作るために村の人々と向き合う姿は真摯なアーティスト。
「この旅の目的は何?それは、想像力をかきたてるため」とアニエスは言います。2人の作品が私たちの想像力を掻き立てることで、映画を通して対話ができるのだと。
映し出されるひとつひとつの出会い、ひとつひとつの作品が、私たちの想像力を刺激し、人生や出会いを楽しむヒントをくれる気がします。アニエスとJRと一緒に、ユニークでハートウォーミングな旅に出かける気分で見てみてくださいね。
- ■映画情報
- 映画『顔たち、ところどころ』
- 監督・脚本・ナレーション:アニエス・ヴァルダ、JR
- 出演:アニエス・ヴァルダ、JR
- 音楽:マチュー・シェディッド(-M-)
- 字幕翻訳: 寺尾次郎
- 配給・宣伝:アップリンク
- 2017年/フランス/89分/1:1.85/5.1ch/DCP
- 2018年9月15日(土)より、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
- © Agnès Varda – JR – Ciné-Tamaris – Social Animals 2016.
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