最近は、海外でもすっかり日本食が珍しくなくなっていますね。その中でもやっぱり1番人気といえば、お寿司です。海外でもSUSHIとして親しまれています。
そんなお寿司ですが、最近フランスをはじめ海外で人気を集めているVEGESUSHI(ベジスシ)をご存知でしょうか?
お寿司といえばお魚で作るのが一般的ですが、VEGESUSHIの具材はお野菜のみ!ヴィーガンやベジタリアンの方でも楽しめるということで、BIOやヴィーガンに関心の高いパリやベルリンで大人気なのだそう。
今回は、そんなVEGESUSHIを世界へ、そして日本へ紹介しているフードユニットhoxai kichen(ホクサイキッチン)のGenさんにお話を伺いました。
ベジタリアンでも楽しめるお寿司VEGESUSHI
hoxai kichenはフードデザイナーのGenさん(写真中)、ベジタリアンシェフのKeiさん(写真右)、野菜ソムリエのJunさん(写真左)からなる3人組。お寿司をアートの表現手法と捉え、パーティを華やかにするVEGESUSHIを提案。パリやベルリンなどのヨーロッパ各国で活動し、既存の寿司の枠にとらわれないアイディアを発信しています。
今年4月には、アート&レシピブック『VEGESUSHI パリが恋した、野菜を使ったケーキのようなお寿司』も発売。そんな世界から注目されるVEGESUSHIは一体どんなきっかけで生まれたのでしょうか?
「仕事でパリやベルリンなどのヨーロッパのBIOやヴィーガンの先進都市に滞在することが多いのですが、我々日本人が思っている以上に日本食への関心が高い事に気が付きました。同時に、彼らが食べられる和食の選択肢は極めて少ないことも。
さらに、お寿司で言えばベジタリアンが食べることができるメニューはほとんどない。そこで野菜でお寿司を作り、しかもホームパーティが大好きなヨーロッパ人が自分たちで作って楽しめる、おまけに写真を撮って誰かに伝えたくなるお寿司が求められていると思いVEGESUSHIのアイデアを思いつきました」と、Genさん。
ヨーロッパの食生活を知る中で生まれたVEGESUSHIですが、同時にそれはそのまま日本の未来に求められる寿司でもあるとも感じているのだそう。
旅先からインスパイアされたお寿司
季節の野菜をふんだんに使ったお寿司は、見た目も華やか。それは、メンバーがデザインの世界で仕事をしているhoxai kichenだからこそ!
「野菜や果物を色や形を構成する要素として使う作業はとても楽しい作業です。アイデアは旅をする中で目にするグラフィックデザインや洋服のパターン、花や木などの自然物からやってくることが多いですね。
メニューのアイデアの源泉になっているのも旅で訪れたあらゆる国の料理です。トルコ系、中華系、フレンチやスペイン料理など色々な料理を食べた時に感じたインスピレーションがVEGESUSHIのメニュー開発に役立っています。当然、京都のおばんざいや仏教の精進料理など日本古来の野菜の楽しみ方も非常に参考になります」と、おっしゃるようにさまざまなアイデアが混ざり合い、美しくそしておいしいVEGESUSHIが生まれているのですね。
お寿司で季節のお野菜を味わう
レシピブックでは季節ごとに、旬の野菜を使ったレシピが掲載されています。例えば春は「塩漬けレモンとアボカドのお寿司」「アスパラガスと新玉ねぎのマリネ」「菜の花のおひたしとヤングコーンの素揚げ」などちょっとクセのある、だけど生命力あふれる春の息吹を感じられるお野菜をお寿司にアレンジしています。
食欲のなくなる夏は「夏野菜のラタトゥイユ」や「セロリとオレンジのサルディーニャ風」など、お野菜がたっぷり摂れ、食欲が湧くようなメニューが。
秋真っ盛りの今、食べたい秋のおすすめメニューを教えてもらいました。
「実りの秋には、栗やかぼちゃ、さつまいもなどのホクホクした食材と、滋味あふれる古代米を組み合わせた甘みのあるVEGESUSHIがおすすめです。トッピングには野菜のチップスやヴィーガンのクリームチーズなどを添えます。これはワインやビールも進んで男性にもおすすめできるメニューです」とのこと。旨みをたっぷり蓄えた秋の野菜は、滋味深く、1年のうち最もお酒によく合うVEGESUSHIになるのだとか!
ちなみにGenさんのお気に入りは、豆腐のマリネ、ソテーしたカブと梅を仕込んだ葉でくるんだVEGESUSHI。野菜の味を引き出した本来の寿司のコンセプトに沿ったものが好きだと教えてくれました。
ソースでさらに広がるVEGESUSHIの楽しみ
VEGESUSHIは良いお塩やレモン汁、それに醤油やバルサミコ酢でいただくのがおすすめですが、ホームパーティなどでは、いろいろなソースで楽しむのも◎。ヴィーガンソースやタイのスイートチリソース、ベトナムのニョクマム、サワークリームなど、東西の野菜と合うソースなら、たいていのものはおいしくなるのもまたVEGESUSHIの魅力のひとつなのだそう。本の中では、その他ちょっとしたアレンジで作れるVEGESUSHIに合うソースのレシピも紹介されています。
「さっぱりとしたメニューにココナッツミルクとスパイスを効かせたソースを合わせたり、冬の野菜に柚子胡椒オイルのソースを合わせるのもおいしいです。乳製品が大丈夫な人はトルコ風のヨーグルトソースがおすすめ。万能です」と、組み合わせのコツを教えていただきました。
いろいろな人とみんなで楽しめるVEGESUSHI
ベジタリアンの人もそうでない人も、さらに宗教を超えて食べられるので、いろいろな人が集う場でも仲良く食べられるVEGSUSHIは、パーティにうってつけのメニュー。
「そのままで食べるのはもちろん、唐揚げやステーキなどのお肉ともよく合いますし、ソースでアレンジできたりできるので、ホームパーティにはぴったりだと思います。できればみんなで一緒に野菜を飾って作ってみることをおすすめします。意外な組み合わせが意外なおいしさになったりします。他にはピクニックに持っていくのもいいですね。野菜と酢飯の組み合わせなので、傷みにくく衛生面も安心ですよ。
ヨーロッパの友人たちが人生を心から楽しんでいて、その手段として親しい人をお家に招いてごはんを作ってもてなしたり、持ち寄りパーティをしたりすることに最初驚きました。ぜひ、彼らのようにホームパーティやみんなで食事をするシーンにVEGESUSHIを取り入れていただけるとうれしいですね」。
どうしても少し厳格なイメージがあるベジタリアン料理やヴィーガン料理。でも、楽しみ方次第で、ベジタリアンでもそうでなくても、みんなでおいしく味わえるということを知ると、食事がもっと楽しくなる気がします。
自分でアレンジしたり、ソースとの組み合わせで楽しんだり、みんなでわいわい作ったり。いろんな楽しみ方があるVEGESUSHI。野菜のお寿司だからこその楽しみをぜひ楽しんでみてください。
- ■詳細情報
- VEGISUSHI ホームページ:http://vegesushi.eu/
- –
- vegesushiのワークショップが開催!詳細は下記よりご確認ください。
- 大手町vegesushiワークショップ(10月29日9:30〜)
- WIRED HOTEL X Vegesushi Workshop!(10月29日17:00〜)
- ■ 書籍情報
- VEGESUSHI パリが恋した、野菜を使ったケーキのようなお寿司
- 著者:hoxai kitchen
- 出版元:キラジェンヌ
■一緒に読みたい記事