シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン “パリマグ”
  • FOOD

    靴下×ガレットの不思議な出会い・荻窪『aruiteru』

    話題の書店『Title』や人気のベイクショップ『Turquoise(ターコイズ)』など、気になるお店が続々とオープンしている荻窪の青梅街道沿い。そこに新しいショップ『aruiteru(アルイテル)』が3月に登場しました。

    笑顔がキュートなオーナーの熊澤友香さん

    靴下&ガレットという、ちょっと異色の組み合わせが楽しめる『aruiteru』。オープンに至ったきっかけや、ガレットと靴下(そしてお酒)のお店にしようと思った理由など、オーナーの熊澤友香さんに伺いました。

     

    フランス版「ファミレス」!? ガレットの魅力を手軽に楽しむ

    フランス生まれのそば粉クレープ「ガレット」。都内にも専門店が増えてきましたが、杉並ではまだまだメジャーな存在ではありません。なぜこの地にガレット屋さんをオープンしようと思ったのでしょうか?

    「祖父母の家がこの近くだったので、昔から馴染みのある場所でした。今は私も近くに住んでいるのですが、青梅街道沿いのこの付近は夜になるとお店がほとんど閉まっていてちょっと寂しい雰囲気なんですよね。だから『気軽に立ち寄れるカフェがあるといいなぁ』と私自身も思っていたんです」。

    ご自身が通いたくなるようなお店をオープンさせた熊澤さん。フランス留学の経験がある熊澤さんは、フランスでの生活がきっかけでガレットに出会いました。

    「高校を卒業してすぐにパリのデザイン学校に留学したのですが、実は当時はそこまでガレットが大好きというわけではなかったんです。お金もそんなに持っていなかったのでガレットは私にとって贅沢品でした。

    帰国後、都内のクレープ屋さんでアルバイトを始め、そこでクレープ作りの魅力にハマったんです。1日に何枚も生地を焼いて、巻いて…と、クレープを作ることがすごく楽しくなったんですよね。働いている途中で、『自分のクレープ屋さんを開こう!』と思い立ち、準備を始めました」。

    フランス留学時代はガレットが高嶺の花だったとは意外ですね!

    「今パリに行ったら、もう食べ歩きしまくるでしょうね。パリには本当にたくさんのガレット屋さんがあって、日本のファミリーレストランみたいに家族で食事をしています。フランスの人にとってガレットは、『定食』みたいな感じなのかもしれません。また、スタンド式のお店も豊富で、ちょっと小腹を満たすのにおすすめです」。

    ガレット屋さんは家族団らんの空間なんですね。

     

    フランス発なのになぜか懐かしい『あるいてるコンプレ』の秘密

    手際よくガレットを焼いていく熊澤さん

    フランスのガレットはお皿に盛られたスタイルが定番ですが、『aruiteru』のガレットは巻きスタイル。しかも、メニューもバラエティに富んでいます。熊澤さんにおすすめを教えてもらいました。

    『あるいてるコンプレ』はハム・チーズ・卵・レタスと、大満足のボリューム♪

    「やはりお店の名前も入っている定番メニューの『あるいてるコンプレ』です。ウスターソースとマヨネーズが味付けのポイントで、ちょっと和風に仕上げています」。

    食べ歩き可能な巻きスタイルのガレットは珍しいですよね。ガレット×シードルのフランスで定番のマリアージュでいただきました。

    焼きたてのガレットは、その温もりが持ったそばから伝わってきます。生地は表面が少しカリっとしていて香ばしく、ウスターソースとマヨネーズの組み合わせはちょっぴりお好み焼きを想像させる日本人も大好きな味。ハム・卵・レタスの具材もたっぷり入っているのでこれ1つでランチにも◎

    チーズをのせてから生地を半分に折りたたんでいるので、最後のひと口までチーズが味わえちゃいます。しっかりとした味付けの『あるいてるコンプレ』ですが、シードルのフルーツ感が爽やかで、すっきりといただくことができますよ。

    こちらは、クレープ生地を使った「レモンクリーム」。レモンママレードとクリームチーズだけのシンプルなクレープですが、すごく人気なのだとか。濃厚なクリームチーズと爽やかなレモンママレードは相性抜群!生地には豆乳を使っているので皮はもっちりした食感です。

    また、季節ごとに新作メニューを追加していくそう。

    ユニークな動物型のスタンドはエッグスタンドをカスタマイズしたもの

    ガレット、クレープともにテイクアウトOKなので、西荻散策のお供にもぴったり

     

    かわいくてどれも欲しくなる!オリジナルプリントの靴下

    『aruiteru』のもうひとつの目玉は靴下。実はこの靴下、熊澤さんが作っているオリジナルのものなのだとか。

    古典的な模様を現代風にアレンジした熊澤さんのタイツ

    「フランスのデザイン学校では、テキスタイルを学びました。日本で『テキスタイル』というと織りや機械の使い方を学ぶのですが、私の行っていた学校では絵を描いたり、グラフィックデザインの講習がメインでした。テキスタイルデザインを生かす商材を考えた結果、靴下とタイツのブランドを立ち上げました。ヨーロッパの教会にあるステンドグラスや日本の『花結び』からインスピレーションを受けて、デザインしています」。

    オリジナルソックス以外にも普段使いができる熊澤さんセレクトの靴下も揃っています。

     

    アイドルの曲が由来!?意外な店名の由来

    ところで店名の『aruiteru』にはどんな意味が込められているのでしょうか?

    「私が大好きなモーニング娘。の名曲『歩いてる』から店名をつけました。そのことをツイートしたところ、遠方からもお客さんが来てくださって、今ではちょっとしたファンの交流の場みたいになっています(笑)。モーニング娘。をはじめハロープロジェクトについて語り合う事が出来て私も幸せです」。

    左のイラストは常連さんが描いた熊澤さん。右の壁には大きな画用紙が貼ってあり子ども達が自由にお絵かきしていました

    3月にオープンしてから間もないですが、すでにほぼ毎日通ってくれる常連さんもいるそう。

    「土地柄、ほとんどが地元のお客様です。小学校が近いので放課後に子ども達が遊びに来てくれたり、お年寄りがおしゃべりしに来てくれたり…。子ども達が自然と集まってくれる昔の駄菓子屋さんみたいな存在になればいいなぁ、と思っています」と熊澤さん。

    金・土曜日は夜24時までオープンしているのでお酒を飲みに通ってくれるお客様もいるのだそう。日本酒、ワイン、カクテル、ビールなどお酒も豊富なラインナップ!お酒と一緒にガレット、クレープを楽しむこともできます。

    「お店に立つことが本当に楽しくって、営業時間を最近延ばしました」と語る熊澤さん。この人懐っこさがお客さんの心を惹き付けるのですね。靴下&ガレットは意外な組み合わせでしたが、どちらも熊澤さんの「お客さんに喜んで欲しい」という思いが詰まっていました。

     

    • ■お店情報
    • aruiteru(アルイテル)
    • 住所:東京都杉並区桃井1-2-1
    • 営業時間:[月・火・水・日]11:00〜21:00、[金・土]11:00〜24:00
    • 定休日:木曜日
    • ※臨時休業日などのお知らせは随時WEBサイトに掲載されます

     

    ※記事の内容は取材当時のものです。

     

    ■一緒に読みたい記事

    職人技で作る基本に忠実なバゲット。荻窪『吟遊詩人』

    花屋×お菓子屋さん×カフェ!西荻窪『cotito』で過ごす花に囲まれた時間

    ビストロから始まったベーグルのお店・西荻窪『ポム・ド・テール』

    PARIS mag OFFICIAL Instagram
    キャラWalker