シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン “パリマグ”
  • HOME
  • STYLE
  • 浜島直子さんの日々の暮らしと小さなしあわせ

STYLE

浜島直子さんの日々の暮らしと小さなしあわせ

Pocket

浜島直子さんの日々の暮らしと小さなしあわせ

PARISmagが気になる方々へ会いに行き、「小さなしあわせ」のヒントを教えてもらうインタビュー企画。今回のゲストはモデルとして活動されながら、ミステリーハンター、絵本作家としても活動する浜島直子さんです。お仕事のこと、普段の生活のこと、家族のことなどたっぷりお話を伺ってきました。

line

浜島直子(はまじま なおこ)

愛称「はまじ」。北海道出身。高校在学中にスカウトされ、18歳でモデルデビュー。LEE専属モデル、NHK総合「あさイチ」、TBS「暮らしのレシピ」、TBS「世界ふしぎ発見!」ミステリーハンターなど、幅広く活躍。近著に夫・アベカズヒロ氏との共著『しろ』(ミルブックス)がある。

line

ひとりでは育児できないと感じる日々

浜島直子さん

ーinstagramやブログ、雑誌の紙面で紹介される浜島さんの日々の暮らしがとても素敵で、憧れているファンも多いと思いますが、普段の暮らしで大切にしていることはありますか?

浜島直子さん(以下、浜島):どんなに忙しくても1日1回は家族揃ってごはんを食べたいと思っています。仕事が忙しくて外食が続くときも朝ホットケーキを焼いて子どもが喜ぶメニューにしてあげたり、お昼にありあわせのもので作る簡単なものでも家で作って一緒に食べるようにしています。

ー旦那さんもお忙しいですよね?

浜島:うちは子どもを保育園に預けていないんです。2人ともフリーランスなので時間を調整して子育てをしようとなっています。だけど、私は日中ロケが多くて、旦那は自宅で編集作業をすることが多いので、そうすると昼間は旦那が子どもをみることになり夜中に睡眠時間を削って書き物や編集作業をすることになってしまって…。本当に大変そうで申し訳ないなと思っています。だから、土日は旦那さんに時間をあげたいので私が子どもを連れて公園に行くんですけど、土日の公園はそういう奥さんを休ませてあげようというサラリーマンのお父さんたちがいっぱいで。お父さんの気分になっています(笑)。

私も旦那さんも忙しくてどうにもこうにも…というときには、埼玉に住んでいる旦那のお姉さんが助っ人に来てくれます。本当に周りの協力がありがたくて、身にしみる日々です。ひとりでは育児はできないなと思います。

 

旦那とは息子を立派に育てるチームメイト

浜島直子さん

ーずっとモデルとして活動されていて、その後結婚してお子さんも生まれて、その中で仕事への向き合い方に変化はありましたか?

浜島:うちは結婚15年目で子どもが生まれたんです。それまではモデルの仕事を長く続けてきたこともあり、やりたい仕事、やりたくないけど経験としてやった方がいい仕事などいろいろある中で、やりたい仕事や質のいい仕事をジャッジしてやってきました。でも、子どもが生まれてからはそういうことよりも、外で働けることがすごく幸せという感覚になりました。本当にひとつひとつとつのお仕事を大切に感じるようになったし、社会とつながっていることがこんなにありがたくてうれしいことなんだと、仕事をいただけることの喜びを感じるようになりました。

ー旦那様との関係に変化はありましたか?

浜島:ありましたね。2人暮らしが長くて、それなりに仲の良い夫婦ではあると思います。もちろんケンカも多いんですが、馬が合うというか。子どもが生まれる前はパートナーという意識が強かったんですが、今はタッグを組んで息子を立派に育てるチームメイトという感じに変化しましたね。息子の笑顔を増やすためにどうしたらいいか、どういう経験を与えたらいいのかということを2人で日々研究しています。

不思議ですよね。今までは向かい合った1対1の関係だったのが、息子が生まれたことで息子を通して彼(旦那)を見るようになったので、見方は変わったなと思います。

 

夫婦ユニット「阿部はまじ」での絵本作り

ー旦那様とユニット「阿部はまじ」を組んで一緒に絵本を作ったりもされていますよね。

浜島:私はもともと絵本が好きでよく集めていたんですが、たまたま彼も絵本が好きだったんです。結婚して一緒に暮らすことになったとき、持ってきた絵本の中にかぶっているものがたくさんあって、びっくりしましたね。そのときからいつか2人で絵本を作りたいという話はずっとしていたんです。

出産前に作った1冊目の『森へいく』は、せっかく作るなら耳障りのいいものにしようということで「きらりきらり」というようなオノマトペをつないだ、しゃれた感じの絵本をイメージして作りました。

ー2冊目の『しろ』は出産後に出版されたんですよね?

浜島直子さん

浜島:2冊目の絵本『しろ』は妊娠中に案が出てきたので、耳障りのよいおしゃれなものというよりは、主人公の『しろ』は何が好きでどういう風に生きていったら幸せなのかというように『しろ』の気持ちになって考えて作りました。

人生というのは選択の連続だと思うんです。息子も今はお腹にいて、へその緒を通じて私とつながっているけど、産み落とした瞬間に彼の人生がはじまります。そうなると私はサポートしかできなくなるわけで。生きていく中で選択を迫られたとき、自分が何を好きで、どういうことをすると幸せを感じたり、優しい気持ちになるのか、そういうことを自分で分かるような子になって欲しいなという思いがあり、そうやって考えていたら、自然に言葉が浮かび上がってきました。浮かんできた言葉を拾ってつないで作ったのが『しろ』ですね。

ーリサとガスパールの作者も夫婦で絵本を作っているのですが、浜島さんのご夫婦は絵本を作るときどのような役割分担で作っているのですか?

浜島:「こういうストーリーがいいね」「こういう登場人物で」というような最初のネタ合わせは2人でやるんですが、そのアイデアを最初に文字に起こすのは旦那です。旦那が骨組みを作って、そこに私が肉付けしたり、お化粧したりして、そこから2人で相談しながら入れ替えたり、文字を足したりしながら作っています。

これからも絵本作りは続けていきたいですね。息子が成長するについて内容も変わっていくと思うので、おばあちゃん、おじいちゃんになってもやっていきたいです。

ー普段はご夫婦という関係ですが、絵本を作っている間はお仕事のパートナーという感じになるんですか?

浜島:意見を言い合うときは仕事のパートナーなんでしょうけど、でもそんなに切り替えはないかもしれないです。家事をしているときなどに「今日、いい言葉思いついたよ」とか話すので、日常の延長ですね。2人の共通の趣味のような感じかもしれないです。

 

いい意味で諦めることで自分の心も解放できる

浜島直子さん

ー旦那様ととても仲がいいイメージがあります。ご夫婦仲良く過ごす秘訣などはありますか?

浜島:ケンカもたくさんしますけどね(笑)。でも一緒にいるとおもしろいです。秘訣というほどでもないですが、諦めは肝心だなと思います。相手に完璧を求めてイライラするよりは、できないことは諦めて赦すようにしています。相手を許すことが自分の心を解放することだと思うんです。

以前ケンカをしたとき、ごめんねと言い合って仲直りしたのに、どこかで根に持っていたのか、1年後にまた同じようなことでケンカをしたときに「1年前もこうだったよね」って過去の話を持ち出してしまったことがあったんです。そのときたぶん私すごく不細工な顔をしていたと思うんですよね。

本当に相手を赦すということは、自分自身の心も解放したりストレスから解き放たれることだから、諦めというとネガティブに聞こえてしまうかもしれないけれど、お互い歩み寄って、赦し合うことで楽になることはあると思います。

ーいい意味で諦めるということですね。

浜島:そうですね。あと、とにかくこまめに「ありがとう」や「ごめんね」を言うようにしています。一番近い相手だからこそ、そういう言葉がけは大事かなと思っています。一番近い人を大切にできない人は、どんな友だちも仕事相手も大事にできないと思っていて。それは以前、旦那に言われたことでもあるんです。

私が『世界ふしぎ発見!』でミステリーハンターの仕事をはじめた頃、仕事が楽しくて旦那さんを放っておいていたら「周りの人ばかり大事にしていても、本当に大切な人を大事にできていないのであれば、それはウソで偽善だ」と言われて。そのとき確かにそうだな…と思ったんです。自分の半径3mくらいをちゃんと大切にして、それでにじみ出るものが外に出たとき伝染していくものだから、優先順位を間違えちゃいけないなと思っています。

ー旦那さんはそういう的確な指摘もしてくれるんですね。

浜島:そうなんです。旦那さんは12歳年上で、最初は「年上って大丈夫かな?」と思ったりもしたんですけど、すごくバランスはいいかもしれないですね。

子どもができてからはお互い時間の譲り合いとか、自分の時間をちゃんと確保させてあげなきゃとか、そういう気の使い方をしないと、本当にいがみ合うばかりになってしまうので。そうならないようにちゃんと話し合わなきゃなというのは日々意識しています。

ー2人でよく話し合いはするんですか? 

浜島:息子が昼寝しているときに、ちょっとおいしいコーヒーを入れてチョコレートなどをつまみながら一息ついて話をするということが多いですね。来週の予定だったり、家の時間のことだったり、旅行したいねという話だったり、いろいろな話をするのですごく大事な時間です。

以前はコーヒーを淹れるのは旦那の仕事だったんですけど、私が産後に味覚が変わりコーヒー好きになったこともあり、手が空いたほうがささっとふたり分のコーヒーを淹れるというのが最近のパターンになっています。そうすると飼っているシーズーのピピちゃんもタタタッと駆け寄ってきて、コーヒーの香りがする=僕はビスケットがもらえると思っているんでしょうね。そんな一連のルーティンになっています。何気ないことですけど、幸せだなと思いますね。

 

とっさのフランス語で心が通じた

浜島直子さん

ーミステリーハンターをやられていたこともあり、浜島さんというと旅行というイメージがあります。どういう旅行がお好きですか?

浜島:ミステリーハンターでは、秘境や滅多に行くことのできない場所に行くことが多かったので、とにかくアクティブな旅という感じでした。逆に自分で行く旅はとにかく何もしない、リゾート地でダラ〜と羽を伸ばすような旅が多かったんですよね。でも今はヨーロッパの美術館や町並みを楽しんだり、カフェでカフェ・オレとクロワッサンを食べる普通の旅がしたいですね。

—そういえば、以前NHKのフランス語講座に出演されていましたよね。フランス語も話せるのでしょうか?

浜島:話せないんです(笑)。番組をやっていたとき、「スタンダード40」というのをがむしゃらに丸暗記したくらい。

あ!でも、ミステリーハンターでモロッコに行ったことがあったんですね。急いでランチを食べて次の取材に行かなくてはいけないというときに、通訳さんが席についてすぐに電話をかけに外に行ってしまったんです。そこにお店の人が注文を取りに来てしまって…。

スタッフから「はまじ、フランス語やってたじゃん!なにか言って〜!」って言われて、とっさに「Quelle est la spécialité de la maison?(このお店のおすすめのメニューは何ですか?)」って出たんですよ。そうしたら、店員さんも何か言うんですけど聞き取れなくて、とりあえず「C’est bon?(おいしい?)」って言ったら「Oui!」というので、それをオーダーしました。

でも、何が出るのかわからないからヒヤヒヤで(笑)。結果、ミートボールの入ったモロッコ伝統のタジンが出てきたんです!できた〜フランス語会話!バンザーイ!丸暗記しててよかった〜!ってうれしかったですね。

ーとっさに出てくるのはすごいですね!

浜島:ピンチのときに「ハッ!」と出てきて、丸暗記しておいて損はなかったと実感しましたね。そうやって現地の人と会話ができるとうれしいですよね。言葉も文化も全然違う人たちと心が通じた!となると、すごく楽しくなって、非日常の醍醐味を満喫しました。

あと、私は地元の人たちが行く、スーパーや市場に行くのが好きなんです。地元の人がどういうものを食べているのかというのは市場に行けば一目瞭然ですし、並んでいる野菜や花で季節を感じることもできますから。

ーお子さんとも旅行されるんですか?

浜島:海外はまだ行ったことはありませんが、北海道の私の実家へ行ったり、先日は富士急ハイランドに行きました。夏は沖縄に行きたいね〜と話しています。今、2歳半でやんちゃな時期なので、飛行機が大変なんですよ。

 

ものを捨てて気づいた「私、生活を楽しんでいるな」という感覚

浜島直子さん

—今後やってみたいことはありますか?

浜島:最近コラボレーションで洋服を作らせていただいたりもしているのですが、おしゃれで着心地がいい部屋着を次は作りたいですね。家の中って人に見られないじゃないですか。そこに手を加えるって心の余裕ですよね。なかったらなかったで生きていけますからね。

私、妊娠がわかってから持ち物を整理したんです。前はクローゼットに入らない服をハンガーで吊るしたり、靴も靴箱に入らないものは廊下に並べておいておいたりしていましたが、こんなに必要ないなと思って、ちゃんと見直しをして処分しました。年齢と共に好みも体型も変わってきたので、好きで着るもの以外は処分して、服は半分くらいに、スニーカーは3足、ブーツも2足くらいに厳選して、クローゼットや靴箱に入るだけになりました。

—ものを処分したことで気持ちに変化はありましたか?

浜島:ありましたね。自分が何を好きなのか明確にわかってきたので、無駄な買い物はなくなりました。食器やインテリアも見直したので、家の中に空間が生まれたんです。空間が生まれると家の中が生き生きして見えるようになったし、お花やCDや本など自分の好きなものを飾るスペースができました。生活に直接影響のないスペースではあるけれど、そこをちゃんと整えて愛でている感じが「私、生活を楽しんでいるな」っていう気持ちにつながっていって、そうなると部屋だけでなく自分自身も華美に着飾らなくてよくなりました。

華美に着飾らなくなったから、好きなものだけに囲まれて暮らしているという自信が出てきたし、うれしい気持ちで満たされている実感を得られるようになりましたね。

忙しい毎日だからこそ深呼吸できる時間がしあわせ

浜島直子さん

—最後に、浜島さんにとって日々の暮らしの中で感じる「小さなしあわせ」を教えてください。

浜島:天気のいい日に家族みんなで散歩に出かけるときなどは、すごく幸せを感じますね。近所の商店街が週末に歩行者天国になるんですけど、そこに息子とピピちゃんと旦那と私で出かけるんです。大人はそこの立ち飲みスタンドでスプマンテを飲み、息子はジェラートを食べて。商店街を歩けば顔見知りの人に挨拶されたり、本当に何気ないことですけど幸せだなと感じますね。

あと、寝るときに息子に桃太郎の話をするんですけど、息子は鬼が大嫌いなので「桃太郎が桃から生まれて、おじいさんとおばあさんに大切に育てられました。おしまい。寝ましょうね〜おやすみ〜。」となるんですけど、それを毎日話してくれというんです。その一連の流れをやっているときに、今日が無事に終わったな〜今日も幸せだった〜と思いますね。

あと、作ったごはんを息子と旦那がおいしいね〜って食べているときは幸せです。

何気ない時間ですけどね。忙しい毎日だからこそ、そうやって深呼吸できる時間を過ごせることが幸せなことだと思っています。

 

■一緒に読みたい記事

常盤貴子さんの日々の暮らしと小さなしあわせ

SHIHOさんの日々の暮らしと小さなしあわせ

知花くららさんの日々の暮らしと小さなしあわせ

浜島直子さんの日々の暮らしと小さなしあわせ

この記事が気に入ったら
いいね!してね

PAGE TOP