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    フランスで優勝したバゲット、フランス仕込みのお菓子。根津で味わうフランス『レジニシエ』

    個性的なパン屋さんが続々オープンしている谷根千エリア。2019年10月にオープンした『Les Initiés(レジニシエ)』は、まさにフレンチスタイルのニューカマーです。

    しかも、フランスのバゲットトラディションコンクールで優勝したバゲットがいただける貴重なお店。そのおいしさの秘密を探ってみましょう!

     

    フランス食文化とエスプリを伝える3人による根津のパン屋さん

    パリの街角にあるような佇まい

    文京区根津。不忍通りを挟んで根津神社の反対側は下町情緒と新しいカルチャーがミックスされたエリアです。

    「この辺りはギャラリーや画材屋さんも多くて、アートな街なんです。週末になると街並みを撮影する方もいらっしゃるんですよ」とお話ししてくれたのは『レジニシエ』の店長を務める井田明子さん。

    感染症対策のため入店は2組まで。キャッシュレス決済も可能です

    「フランスのボルドーワインの輸入会社を経営している夫が、昨年の夏にご縁で成澤と品田に出会いました。その後3人でフランス食文化への熱い談義を重ねるなかで一緒に店を開こうとなり、夫が経営、成澤がパン監修、品田が本職のパティスリーと合わせ成澤のパンを製造するシェフとしてレジニシエがスタートしました」と井田さん。

    成澤さんと品田さんはフランス・アルザスのお店で一緒に働いていた元同僚だったので、今回一緒に働くのは3年ぶり。ブランクを感じさせない2人の息はぴったりのようです。

    スタッフは全員女性。お店にも優しい雰囲気が漂います

    「根津にお店をオープンさせたのは、私が住んでいるエリアだからです。急に忙しくなったり、何かあったりしたらすぐに駆けつけられますからね(笑)」。

    新しいパン屋激戦区の谷根千エリアですが、フレンチなパン屋さんは意外に少なかったようで、「こういうお店が欲しかったの」と喜ばれることも少なくないのだとか。取材中も地元の常連の方が何人もお店を訪れていました。外国の方も多く、「フランスと同じ味がする」と言ってくれるそうですよ。

     

    基本に忠実なチャンピオンのバゲット

    『レジニシエ』のパンは、2017年フランス全国バゲットトラディションコンクールで、女性初そして外国人初の優勝を飾った成澤さんが監修しています。成澤さんは現在もフランス在住。そこで、成澤さんのレシピを元にパティシエであるシェフの品田さんが再現しています。

    こじんまりとした店内に豊富なパンが揃います

    「今までの経験が大きく関わっていると思いますが、お菓子よりパンの方が難しく感じましたね。こんなにも天気に左右されるとは思いませんでした。オープン前に成澤からいろいろと手ほどきをうけ、その後は帰国のたびに指導してもらっています。最近はやっと感覚がつかめてきましたが、オープン当初はリモートで質問してばかりでした(笑)」と話すのは品田さん。

    パティシエールとして実績のある品田さんでも難しいというパン作り。それでも成澤さんのレシピを忠実に再現できるよう努力を惜しみません。

    お店のアイコン「バゲット」。潔い1本のクープが特徴

    「私と成澤がいたアルザス地方のブーランジェリーやパティスリーは、ノルタルジックなパンやお菓子を売っていました。おしゃれで奇抜なものではなく、本当にシンプルなものばかり。だからこのお店でもベーシックなパンや焼き菓子を提供しています」と品田さん。

    そのシンボルとなるのがバゲットです。お店でも一番人気のバゲットは、ザクっとしっかりとした歯ごたえを感じるオーセンティックな味わい。メイン料理の相棒に、またカスクート(サンドイッチなど)にしてもおいしくいただけそうです。もちろんワインともぴったりですよ。

     

    “こだわり過ぎない”ことが、こだわり!

    対面式のカウンターにフランスらしいパンが並びます

    パン作りのこだわりについて伺うと「実は材料などに強いこだわりはないんです。パンの種類によっては海外の小麦粉も使うし、“おいしい”ことを最優先に選んでいます」と井田さん。“こだわり過ぎないこと”がこだわりのようです。

    お店にはその日の天気やバランスをみて約30種ほどのパンと焼き菓子が並びます。

    看板商品のバゲットに次いで人気なのが、「クロワッサン」。幾重にも重なった生地はサクッと心地いい食感。バターの香りがしっかりとしつつ、脂っぽくなく軽い口当たりです。

    「パン・ド・ミ」は、シンプルなレシピで作られている食パン。流行中の甘い食パンとは一線を画す無骨な味わい。バターやコンフィチュールの風味が活きる、基本の食パンです。

    井田さんのおすすめは「ミルリトン」という、中に生クリーム入りのアーモンドクリームとフランボワーズのジャムが入ったお菓子です。コーヒーとの相性が抜群なので、フランス式で朝食代わりにいただくもの◎。

    フィナンシェやマドレーヌは品田さんが得意とする焼き菓子。フランスでは街のパン屋さんで買って、おやつに食べることが多いそう。お子さんからお年寄りまで、みんなに愛される素朴な味わいです。

    オープンして間もない『レジニシエ』は、現在もさまざまなパンの開発に試行錯誤中。おふたりは「街のパン屋さんとして、もっと日本でもフランスのエッセンスを感じてもらいたいな」(井田さん)、「お正月にはガレット・デ・ロワを作りたいですね」(品田さん)と次のアイデアが湧いていました。次訪れる時は、新しいパンが登場しているかも?谷根千散歩をする際、ぜひお立ち寄りください!

     

    • ■お店情報
    • Les Initiés(レジニシエ)
    • 住所:東京都文京区根津2-32-5
    • TEL:090-8041-6329
    • 営業時間:10:00-17:00
    • 定休日:月曜日、水曜日
    • https://www.instagram.com/les_initie/

    ※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。

     

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