昔ながらの素朴なクリームパンから、フランス風のカスタードデニッシュやメロンパンにクリームをはさんだ変わり種まで、ひと口にクリームパンと言っても最近はいろんなクリームパンがありますね。
先日、パンの消費量が日本一とも言われる京都で、極上のクリームパンに出会ったのでご紹介したいと思います。このクリームパンを食べるために京都を訪れたい、と言っても過言ではないほど感動したクリームパンの逸品です。
はちみつの老舗がてがけるクリームパン専門店
スイーツ好きの女子なら必ず立ち止まってしまいそうな間口のかわいい路面店。
1930年に和菓子原料問屋として創業し、無添加にこだわったはちみつの製造・卸・販売を行う京都の『株式会社金市商店(以下、金市商店)』は、はちみつをもっと身近に楽しんでもらいたいという思いから今年の4月に三条通りに『クリームパン専門店 キンイロ』をオープンしました。
金市商店のはちみつ専門店『Miel Mie(ミール・ミィ)』。
「はちみつは通常、瓶に入っていて賞味期限も長いですから、購入したり、お土産でもらったりしても、開封するまでに時差があると思うのです。購入した時の感動やおいしさをもっと短期的に味わい、楽しんでもらうにはどうしたら良いかと考え、たどりついたのが、幅広い年齢層の方に親しんでもらえるクリームパンでした」と金市商店の市川拓三郎社長は話します。
三条通は話題の新しいお店から金市商店のような老舗のお店が連なる趣のある通り。観光客だけでなく地元の人も行き交っています。「街歩きのおやつとして気軽にクリームパンを楽しんでもらえたら」と、クリームパンのショーケースは富小路通に面して設置したのだそうです。
こだわりぬいた材料
そんな気軽に楽しんでもらいたいという『キンイロ』のクリームパンですが、実は驚くほどこだわり抜いた材料から作られています。
まず小麦は、小麦の粒の中心に近い部分だけを使用した一等粉を厳選し使用しています。牛乳は京丹後市で生産から販売まで行う平林乳業さんの京都産牛乳「ヒラヤミルク」のみを使用、はちみつはもちろん金市商店のこだわりのはちみつをパンごとにセレクトしています。さらに仕上げには、創業1711年の京都堀金箔粉さんのオリジナル食用金箔「舞妓印」があしらわれています。
「最近は、もちもちした食感のパンがブームですが、当店のクリームパンのパン生地はあえてもちもちではなく、さっくりとした食感にこだわりました。はちみつ入りのクリームとパンを一緒に噛んでそのままゴクンと飲み込んだ時においしいと思ってもらえるように」と市川社長。
「はちみつクリームだけでなく、いかにしておいしいパンを作るか、ということにも随分時間を割きました」と開発時の秘話も笑顔で話して下さいました。
至福の「金」と極上の「黒」
『キンイロ』が販売するクリームパンは2種のみ。店舗の2階で焼き上げるオリジナルのパンにそれぞれクリームを注入し冷やします。うっすらと焼き目のついた白いクリームパンが「kin・iro 金色」、黒いクリームパンが「kuro・iro 黒色」です。いずれも、クリーム量の約15%がはちみつと贅沢!
「kin・iro 金色」 ¥250(税別)
「kin・iro 金色」には、しっかりとした甘さと爽やかな香りが特徴のカナダ産ブルーベリーはちみつを使用した特製カスタードクリームがたっぷり入っています。パン生地は、クリームをより引き立てるために、甘さは控えめ。食感もさっくりと軽めなので、濃厚で滑らかなはちみつクリームを楽しみつつ、重すぎずさっぱりとした印象です。そして何より、はちみつの芳醇な香りがなんとも言えません。はちみつの風味を存分に楽しめる至福のクリームパンです。
「kuro・iro 黒色」 ¥500(税別)
「kuro・iro 黒色」は、グァテマラ産コーヒーはちみつを使用したカスタードクリームと、大分産「蘭王卵」の濃厚カスタードをダブルで味わえる2層のクリーム入り。パン生地にはブラックカカオが練り込んであるのでほろ苦いのですが、そのほろ苦さがミルキーなカスタードのコクを引き立てています。カカオ×コーヒーの程よい苦味と、はちみつ×蘭王卵の濃厚な甘味のペアリングで、これまで味わったことのない「極上」という言葉がぴったりのクリームパンです。「kuro・iro 黒色」は1日限定50個の販売ですので、どうしても食べたい!という場合は早めの時間に訪れることをおすすめします。
クリームパンを手土産に
クリームパンは4個セットで写真のようなギフトボックスに入れてくれます。要冷蔵のクリームパンなので賞味期限は翌日までと短めですが、京都の食材をふんだんに使用して作られた、ここでしか買えないクリームパンは、ちょっとした差し入れや手土産にもぴったりです。
「kin・iro」と「kuro・iro」、2つのクリームパンを食べ比べてみると、2種のはちみつの違いがはっきりとわかります。はちみつは花の種類だけでなく、採集されたとき、場所によって、味わいは異なるのだそう。『キンイロ』のクリームパンを食べて、はちみつの奥深さも知ることができました。
尚、クリームパンを冷蔵庫でしばらく冷やした場合は、食べる5分ほど前に冷蔵庫から出しておくと、よりはちみつの味わいを感じることができますよ。
京都を訪れたなら、『クリームパン専門店 キンイロ』の極上のクリームパンをぜひお試し下さいね。クリームパン片手に街を歩けば、京都散歩がもっと楽しくなるかもしれません。
- ■お店情報
- クリームパン専門店 キンイロ
- 住所:京都市中京区三条通富小路西入中之町21(富小路通り沿い)
- 電話:075-221-7739
- 営業時間:11:00〜19:00
- 定休日:無休(年末年始を除く)
※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。
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