約500年続く老舗和菓子屋『とらや』の「あんをもっと気軽に楽しんでほしい」という想いから生まれた『TORAYA CAFÉ・AN STAND(トラヤカフェ・あんスタンド)』は、あんを使ったさまざまなお菓子や楽しみ方を提案するお店。
今回は、こだわりのあんのおいしさを味わうパンのメニューがあると聞きつけ、『トラヤカフェ・あんスタンド』の新宿店と北青山店を訪れました。
新宿店限定の「あんコッペ」・「あんトースト」
新宿駅直結の複合施設NEWoMan(ニュウマン)の2階にある、『トラヤカフェ・あんスタンド 新宿店』。とても開放的で明るい店構え、そして虎のタイル画が目印です。
外から見ても目を引く2匹の虎は『トラヤカフェ・あんスタンド』のシンボル。左が男の子・右が女の子で、寄りそう2匹の若い虎を表しています。資生堂のデザインなどを手がけるグラフィックデザイナー・仲條正義さんによるイラストで、海外地下鉄のタイルの雰囲気をイメージして、『トラヤカフェ・あんスタンド』ならではのスタイルに。
さっそく新宿店限定のメニューをいただきます。
「あんトースト」/新宿店限定
こんがりと焼けたパン・ド・ミの上にたっぷりと「あんペースト」がのった「あんトースト」。こちらはイートイン限定のメニューです。パンと「あんペースト」の組み合わせをシンプルに楽しめます。
左に小倉あん、右にこしあんと、2種類の「あんペースト」がのっています。
女性も食べやすいようにと、通常の食パンと比べるとやや小ぶりなサイズで、厚くカットされたトースト。まずはバターをつけずにひと口。外側はカリっとして、中はもっちりしっとりとしたパン。それがなめらかな「あんペースト」とマッチしています。すっきりとした甘さのあんなので、おやつはもちろん朝食にもぴったり。
塩気が少しあると、あんの甘さがより引き立つということで有塩バターにしているのだそう。
「あんコッペ」/新宿店限定
こちらは「あんコッペ」。こしあんの「あんペースト」と、中にはクリームチーズが入っています。「あんペースト」のまろやかさとクリームチーズのまろやかさのコラボレーションが絶妙な1品。クリームチーズの酸味があんのおいしさを引き出していて、とってもおいしい! 想像を覆すおいしさなので、ぜひ食べて実感してみてほしい味です。
ふわふわ食感のコッペパンは、「あんペースト」とクリームチーズの一体感を邪魔せず、やさしくサンドしてくれます。「あんコッペ」は特別にオーダーしたパンを使っているのだとか。
『とらや』がもともと京都発祥ということで、パンは京都の『ル・プチメック』というパン屋さんに特別にオーダーしています。「あんペースト」に合うようにと考えられたコッペパン、ここでしか味わえません。
パンのメニューでは「あんコッペ」と、その他にパン・ド・ミを使った「あんサンド」をテイクアウトすることもできます。駅や高速バスターミナルのすぐ近くにあるので、旅のお供や朝食に買っていくのもおすすめです。
また、小豆知識ならぬ、豆知識としてロゴのお話を。青山の『トラヤカフェ』はカクカクした「T」で、新宿・北青山の『トラヤカフェ・あんスタンド』の「T」はあんがとろけているイメージのロゴだそう。通称「とろT」と呼ばれているのだとか!?
北青山店限定の「あんバン」
続いて訪れたのは2017年10月22日にオープンした『トラヤカフェ・あんスタンド 北青山店』。店内は、あんを包み込むおおらかな皮をイメージしていて、新宿店同様、全体的に角のない丸みを帯びたデザインが特徴的です。
「あんバン」/北青山店限定
こちらは北青山店の限定メニュー「あんバン」。丸くかわいらしいバンは、お店の厨房で、生地から作っています。食べ応えのある蒸し生地です。「パン」ではなく「バン」という名前は、バンズ(英語で丸パンの意味)から由来しているのだとか。
もともと、「湯気のあるようなお店」というイメージがあったという北青山店。女性シェフが考えた「あんバン」は、偶然にもそのイメージとリンクするお菓子になったのだそう!
職人の手により仕上げられた漆喰の白い壁が印象的です
厨房にはせいろが2つ並んでいて、1つは蒸し上げる用・もう1つは保温用なのだとか。おいしい食感・温かさで提供するため、ちょうど良い温度を保つのがポイントになるそうです。
注文が入ってから蒸し上げるので、できたてあつあつの「あんバン」をいただけます。厨房が見えるのも大きな特徴。できたてを直接お客さんに渡してくれます。
おすすめの食べ方も教えてもらいました!
真ん中の切れ込みに、こしあんの「あんペースト」がサンドされている「あんバン」。切れ込みに沿って、ぱかっと割ると…。
不思議なことに、ちょうど2つに「あんペースト」がのりました!もちろんそのままガブっと食べてもOK。
さっそくいただいてみると、蒸し立てでほかほか温かい「あんバン」は、なんだか懐かしさを感じる味わい。北海道産の小麦を使ったバン生地は、少し黒砂糖も入っておりほんのりと甘みが感じられます。
手のひらにのるサイズですが、もっちり、ずっしりとしていて、食べ応えも十分。甘すぎないすっきりとした「あんペースト」と、小麦の味を味わうやさしい甘さのバンの組み合わせは、心をほっとさせてくれます。
“あん”をもっと気軽に楽しむ「あんペースト」
「あんペースト」
新宿店、北青山店のあんメニューで使われていた「あんペースト」は店頭で販売もされています。定番はこしあん・小倉あん・白ごまときな粉の3種類。レギュラーサイズとスモールサイズがあります。さらに季節のフレーバーがあり、これまでに「柚子」や「栗」、「抹茶」「ラズベリー」などがあったのだそう。もちろん、どれもあんと組み合わせています。「あんペースト」は、『とらや』のあんと相性の良い素材を合わせ、丁寧に煉りあげた使いやすいペーストです。
1番人気は、こしあんの「あんペースト」。あんは、ヨーグルトやアイスクリームなど乳製品との相性も良いのだそうです。お店では「あんペースト」を使ったカフェオレなど、ユニークなドリンクメニューも楽しめます。
パンはもちろん焼いたお餅にそのまま付けても◎。お店には季節限定の「あんペースト葛汁粉と白玉餅」というメニューもありました。「あんペースト」を使えば手軽にお汁粉が楽しめます。
あんペーストは、味噌、しょうゆ、酒、酢、ごま油、すりごまなど、和風の調味料にも合います。あんペーストを砂糖の代わりに使ってみては?
『とらや』こだわりの“あん”のお話
ちなみに、トーストやサンドで使われている「あんペースト」は、店内で作る作りたてのものを使用。『とらや』のあんを作っている静岡の御殿場にある工場から届けられるあんのベースを、お店で「あんペースト」に仕上げているのだそうです。
『とらや』では良質な国産の原材料を使っていて、小豆は北海道の十勝で獲れた「エリモショウズ」という粒の小さい小豆を使っています。その豆を使うことで、煮えムラが少なく、もちろん味も、舌触りやツヤもいいのだとか。
お砂糖に関しても、より精度が高い「白双糖(しろざらとう)」を使うことで、甘いだけじゃなくすっきりとした後味になるようにしているそう。
日々の暮らしに寄りそう、歴史ある新しいお菓子
季節により味が変わる、ひとくちサイズの羊羹が楽しめる「ヨウカンアラカルト[抹茶・いちご・ジンジャー]」
最近では、『トラヤカフェ・あんスタンド』の存在を知ってから『とらや』を知る人たちもいるそうです。「あんペースト」を楽しめるパンメニューやドリンクメニューなど、あんが親しみやすくなるメニューがたくさんあります。
中央は『トラヤカフェ』のスペシャリテ「あずきとカカオのフォンダン(スモール)」
どの商品の中にも、『とらや』の歴史や技術がぎゅっと詰まっているのですから、なんだか不思議ですよね。
お店ごとに限定メニューがあるほか、夏にはかき氷、冬にはお汁粉、そして時期によってフレーバーが変わる「あんペースト」や「ヨウカンアラカルト」など、今後も季節ごとに少しずつ変わっていくそう。毎日の生活はもちろん、1年を通して楽しませてくれる『トラヤカフェ・あんスタンド』。ぜひ足を運んでみてください。
●あんコッペ[こしあん]…432円(本体価格 400円)
●あんトースト[小倉・こしあん]…486円(本体価格 450円)
●あんバン…422円(本体価格 390円)
●あんペースト[こしあん]…レギュラー:1,080円(本体価格 1,000円)、スモール:648円(本体価格 600円)
●あんペースト[白ごまときな粉]…レギュラー:1,296円(本体価格 1,200円)、スモール:864円(本体価格 800円)
●あずきとカカオのフォンダン…レギュラー:2,808円(本体価格 2,600円)、スモール:486円(本体価格 450円)
●ヨウカンアラカルト[抹茶・いちご・ジンジャー]…897円(本体価格 830円)
- ■お店情報
- 『TORAYA CAFÉ・AN STAND(トラヤカフェ・あんスタンド)』
- ・新宿店
- 住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-55 NEWoMan新宿2F
- TEL:03-6273-1073
- 営業時間:[月〜金]10:00〜22:00、[土・日・祝]10:00〜21:30
- 定休日:年中無休(NEWoMan休業日に準ずる)
- ・北青山店
- 住所:東京都港区青山3-12-16
- TEL:03-6450-6720
- 営業時間:11:00〜19:00
- 定休日:水・年末年始
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