フレンチというとちょっぴり敷居が高いイメージがあり、なかなか日常的には踏み出せないと思っている人もいるのではないでしょうか?フレンチをもっとカジュアルに楽しめたなら…。そんな願いを叶えてくれるビストロがあると聞きつけやってきたのは東日本橋駅。
下町のような落ち着いた雰囲気と洗練された美しさが共存する東日本橋。駅から徒歩2分ほどにある、『Doors(ドアーズ)』にやってきました。階段を上りお店がある2階へ。
オーナー・磯村幸子さん、シェフ・鷹羽司(たかはし)雄基さん
『Doors』は、なんとサンドイッチと一緒にスパークリングワインを楽しめるというビストロ。お店を始めたきっかけやこだわりのメニューについてオーナーの磯村さんにお話を伺いました。
“泡×サンドイッチ”で気軽にフレンチを楽しめるお店を
2017年1月11日にオープンした、サンドイッチとスパークリングワインを楽しめるビストロ『Doors』。シェフの鷹羽司さんはフランスを含め、日本でもいろんなレストランでフランス料理の修行を重ねてきた経歴の持ち主です。「フランス料理をもっと身近に感じてもらえたら」という想いを持っていた鷹羽司シェフ。お店のメニューにサンドイッチを用意する構想をずっと持っていたのだそう。
サンドイッチというとランチタイムや軽食をイメージしがちですが、夜の時間も楽しめるようにとサンドイッチとスパークリングと組み合わせた新しいスタイルのお店を誕生させたのです。
「サンドイッチと泡を合わせることで、夜もお昼も気張らずにフレンチを楽しんでいただけるのではないかと思います。最近では、ブランチしながらスパークリングワインを楽しむ方も増えてきていて。そういうパリの日常のようなライフスタイルが日本にも広まっていったらいいなと思いますね」と磯村さん。
『Doors』という名前は、肩肘張らずに、でも普段よりちょっと上質な雰囲気を気軽に扉を開く感覚で味わってもらえたらという想いからつけたのだとか。
サンドイッチやお料理のメニューは鷹羽司シェフと相談しながら、女性目線を大切に考えているそう。様々なレストランで修行されてきた鷹羽司シェフが考えるサンドイッチやお料理は一体どんなメニューなのか気になりますよね。おすすめのスパークリングワインとともにさっそくいただいてみましょう。
ふわふわのパンと一緒に。旬を味わうフレッシュなサンドイッチ
ランチセットのサンドイッチは3種類ほどあり、スープとサラダにフライドポテトが付いています。今回はランチメニューから「オレンジ&春キャベツの色彩チキンサンドセット」をオーダー。男性に人気だという「ローストビーフ」や、ヘルシーな「半熟目玉焼きとラタトゥイユ」のサンドイッチも。食材は季節や旬を意識し、国産のものにこだわっているそうです。
フレッシュなオレンジに春キャベツ、そしてチキンがたっぷり。チキンは低温調理で時間をかけてじっくりと火入れをするため、お肉の旨味が中にぎゅっと凝縮されるのだとか。胸肉なのにパサつかずしっとりとした食感でとってもおいしいです。パンはご近所にある老舗のパン屋・太田ベーカリーの全粒粉のパンを使っています。
「地域密着でやっていきたいという思いがありました。太田ベーカリーさんの全粒粉のパンがすごくおいしくて、お店のスタイルにきっと合うだろうなと思ったんです。毎朝焼きあがるパンのふわふわの食感も楽しんでほしいので、ランチタイムではあえてトーストせずにそのままサンドイッチにしています」と磯村さんが教えてくれました。
そのほかにブリオッシュのサンドイッチも。ブリオッシュはお店で鷹羽司シェフが焼いています。ブリオッシュは生地を寝かせて焼くまでに2日間もかかるのだとか!
樽生スパークリング 白
こちらのサンドイッチに合うおすすめの泡を2種類教えてもらいました。ひとつ目はグラスでいただける「樽生スパークリング 白」です。
「イタリアのヴェネトというところから樽のまま直送しています。樽のまま1ヶ月くらい船に揺られ、熟成してやってくるんです。届いてから樽を開けたときに初めて外の空気に触れるんです。だから、酸化しておらず、フレッシュですごくおいしいんですよ」と磯村さん。
樽生スパークリングの白
樽生のフレッシュ感が、みずみずしいオレンジと春キャベツとチキンのサンドイッチにすごく合います。重くなく、爽やかな味わいでランチタイムにもぴったりです。
もうひとつのおすすめは、「ブランケットドリムー キュベ フランソワーズ/ラングドッグ」です。サクラアワードという、日本の女性だけによって選ばれるワインのコンペティションで2016年に受賞したスパークリングです。南仏のラングドッグ地方のスパークリングで、フレッシュで青りんごのような果実感が特徴。キラキラとしたお昼の時間帯に飲みたくなるようなスパークリングです。
ソースとともにいただく、お肉×フルーツのサンドイッチ!
夜のサンドイッチには「パテ・ド・カンパーニュ」、金柑のソースでいただく「フォアグラのテリーヌ」といったオードブル料理をサンドしたメニューと、メインディッシュのお肉をサンドしたメニューがあります。オードブル料理のサンドイッチの中には「季節の野菜3種」というメニューも。日本の旬のお野菜をフレンチスタイルで楽しむということで、たらの芽やフキノトウといった山菜を使ったサンドイッチを作ったこともあるのだとか!
メインディッシュのサンドイッチから「国産牛ウチモモのステーキと焼林檎のサンドイッチ 赤ワインソース添え」をいただきました。ひとつひとつの食材の調理にも手間ひまをかけて、サンドイッチにしたときの一体感を大切に作られています。
「牛ステーキはサンドイッチにするならサーロインよりウチモモがいいなとか、りんごも生よりグリルした方が甘みや旨味も出てきて合うなとか、全てが一緒になったときの一体感を大切にしています」と磯村さん。
また、夜のサンドイッチメニューには必ずフルーツを合わせるそう。お料理とフルーツを組み合わせるというこの発想もフレンチならではですよね。
りんごの甘みとお肉の旨味が絶妙にマッチしており、フルーツとお肉ってこんなに合うんだ!と新たな発見も。赤ワインのソースにつけていただくと、また違ったおいしさが楽しめました。ディナーで使用するパンはトーストして耳もカットされているのも特徴です。夜はあえてボリュームを出さずに、お酒やその他のお料理もお召し上がりいただけるようにと軽めに仕上げているのだそうです。
こちらのサンドイッチに合う泡も2種類教えてもらいました。まずひとつ目は「樽生スパークリング 赤」。こちらも気軽にグラスでいただけるスパークリングの赤です。果実味たっぷりな赤のスパークリングで、赤ワインのソースを使ったこのサンドイッチともよく合いすっきりといただけます。
もうひとつは「アンドレ・ボーフォル・シャンパーニュ」をチョイスしていただきました。
「元祖ナチュラルシャンパーニュと言われているもので、ぶどうの栽培から一切農薬を使わずに作っているんです。シャンパーニュは瓶内で2次発酵させるのが特徴なのですが、このシャンパーニュは天然酵母だけで発酵させて作っているんです。農薬を使っていないと酸味は強くなるのですが、そのすっきりとした味がしっかりとした味の牛ステーキとりんごのサンドイッチにすごく合います。赤ワインのソースには隠し味で黒ニンニクをいれているので、味に奥深さが増しますし、健康への効果も大変良いんです。ナチュラルシャンパーニュとのペアリングで、体が喜ぶ感じがサンドイッチと泡の両方から感じていただけると思いますよ」と教えてくれました。
普段からスパークリングが大好きという磯村さん。お店に仕入れるお酒は全て磯村さんが選んでいます。ストーリー性に感動したものやメニューにある郷土料理と同じエリアのものを用意したりしているとのこと。今後も種類がいろいろと変わっていくそうなので、それも楽しみですね。
心地よい空間で様々なシーンを楽しませてくれる
大きな窓から日の光が差し込む広々とした店内は、日常的でありながら少し上質な雰囲気を感じさせてくれます。女子会だったり、デートだったり、記念日だったり、様々なシーンで楽しんでもらえるようにと、シャンパーニュやお酒もバラエティー豊富に揃えているのだそうです。
今後はサンドイッチの食材に限らず、スパークリングも日本のものを取り入れていきたいと磯村さんは言います。
「外国からのお客様も少しずつ増えてきているので、日本の食材をサンドしたサンドイッチを食べて、一緒に日本の泡を楽しんでもらえたらいいなと思っています」。
お昼も夜もサンドイッチとスパークリングワインを楽しめるお店『Doors』。サンドイッチのメニューも季節によって変わっていくとのことです。ぜひ、新たなサンドイッチとの出会いを楽しみに、その扉を叩いてみてはいかがでしょうか?
- ■お店情報
- Doors(ドアーズ)
- 住所:東京都中央区東日本橋2-16-10 マンションヴィッブ東日本橋2F
- 営業時間: 11:00〜23:00
- 定休日:日曜・祝日
※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。
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