修学旅行の学生や外国人の旅行者などさまざまな人たちで賑わう鎌倉。鶴岡八幡宮を臨むことのできる若宮大路や、飲食店やお土産もののお店がたくさん並ぶ小町通りなど魅力的な通りがたくさんありますが、本日はそちらのメインストリートとは反対方向へ。通称「レンバイ」と呼ばれる、鎌倉の採れたて野菜が並ぶ鎌倉市農協連即売所を通り過ぎ…(実は昭和3年から続く日本で最初のマルシェなのだとか!)。
細い路地に入ったところにあるのが、今回の目的地であるスタンドスタイルのパン工房『mbs 46.7(エムビーエス ヨンジュウロクテンナナ)』。お店を営む岸本さんにお話をお聞きしました。
少しずつ楽しみながら味わうパン
お店を始める前は、パン教室のスタッフとして働きながら「いつか自分でもお店をやりたい」と思っていた岸本さん。レストランの前で週1回パンを販売させてもらうなどパンの販売を1年ほど続けたのち、今のお店をオープンさせました。岸本さんは鎌倉のおとなり藤沢のご出身ということで、お店で使うお野菜は藤沢『わいわい市場』から地元農家さんが作る新鮮な野菜を仕入れているそうです。
お店のショーケースにはハード系のパンがいくつも並んでいます。
「鎌倉って外国の方も多く住んでおり、ハード系のパンが受け入れられやすい環境だと思うんです。それとすぐにパクッと食べられちゃうパンよりも、少しずつ楽しみながら召し上がっていただけたらいいなという想いもあってハード系のパンを中心に焼いています。ただお腹を満たすだけではなくて楽しみながら食べていただけるようなものを作りたいと思っています」。
お酒を楽しみたいという方も多いそうで、ワインにも合うようなパンも意識して作っているのだそう。ポップにも「ワインやビールのおつまみにもピッタリ!」と岸本さんのひと言が添えられています。
自家製天然酵母の手ごねパン
ハード系のパンを中心に、30種類ほどのパンをおひとりで焼いているという岸本さん。週末と平日でラインナップも変わるとのこと。
「できるだけ地元のものを使って、自分の目で見て、食べてみて、気に入ったものをお出しするようにしていますね。パンは4種類の自家製天然酵母を組み合わせて、手ごねにこだわって作っています。
ひとりで作るのは大変なこともありますけど、やっぱりみなさんに喜んでいただけるのがうれしいんです。自分で作っているからこそ何が入っているのか全部わかって安心ですし、お客さんにもちゃんと説明できるんですよね」と話す岸本さん。
自家製天然酵母は、ライ麦酵母・レーズン酵母・ホップ酵母・牛乳とヨーグルトの酵母の4種類です。酵母ごとに食感や味、香りが違うということで、パンごとにベストな組み合わせで使用しているのだそう。
野菜たっぷり!「本日のオープンサンド」
ショーケースの中で一際気になるメニュー「本日のオープンサンド」。横から見るとそのボリュームがすごい!旬の野菜がふんだんに盛りつけられており、その高さなんと6cmほども。
「季節によって仕入れる野菜も違うので、オープンサンドの具材は毎日変わります。そのときの旬のものを取り入れるようにしていて、見た目も鮮やかに楽しく食べてお腹いっぱいになるようにと考えて作っています。お野菜は『わいわい市場』で仕入れたものを中心に、近くの『レンバイ』で仕入れることもあります。
今日ちょっと寒いなって思ったら、ちょっとスパイシーなものがいいかなとか、その日その日の気候も考慮します。もともと食べることが好きで、食いしん坊なんです(笑)。どんなものがおいしいかな、何が食べたいかなと、自分が食べたいものを基準に作っていますね」と岸本さん。
こちらはこの日のオープンサンド「チキンカリー」。野菜が層になるほど盛りだくさん!
「そのままかじりつくというよりはフォークでちょっとずつ食べてもらい、『こんな野菜も入っている!』と入っている野菜で季節を感じながら楽しんでいただけると思います。今日のオープンサンドにはソテーした大根、ナス、鶏肉、ごぼう、トマト、しめじ、原木椎茸と菜の花…と、かなりたくさんのっています」と笑顔で教えてくれました。
大根はオーブンで水分を飛ばしソテーすることで、おいしさを中に閉じ込めているそう。大きくカットされた具材は食べ応えたっぷり。チキンカリーのスパイシーさと野菜の甘みが絶妙なバランスです。
「ごぼうも春ごぼうという白っぽいごぼうで、柔らかくて甘くておいしいんですよ」と岸本さんが教えてくれました。
もうひとつの本日のオープンサンドは「サルシッチャ」。イタリア料理・カポナータのように、一度野菜を揚げてからトマト煮込みにしています。
「サルシッチャは腸詰にはしていないんですけど、お肉を叩いて作る自家製サルシッチャです。お野菜はナスとパプリカとズッキーニと人参と…。こちらもいろいろと入っているのであとは食べて見つけてください(笑)」と岸本さん。
食べながら具材を探す楽しみもあるオープンサンド。オープンサンドで使うパンはホップ酵母を使った「ホップバゲット」です。まるでパンのお皿にお料理がのっているかのよう。
お店のInstagramやfacebookで、「本日のオープンサンド」について随時更新されているので気になる方はチェックしてみてくださいね!
定番!ピリ辛の焼き豚がおいしい「バイン★ミー」
「バゲットをもっと気軽に楽しんでほしい」という想いから始めたというサンドイッチの定番メニュー「バイン★ミー」。
「自宅で楽しむ場合はアルミホイルで包んでトースターに入れあたためて食べるのがおすすめです。あたためることで、レバーペーストと豚肉の脂が溶け合っておいしいんですよ。私はいつもあたためて食べています」とのことでした。
焼き豚は鎌倉にある北村牛肉店というお肉屋さんの備長炭で焼き上げる焼き豚を使っています。ピリ辛に味付けした焼き豚・レバーペースト・大根と人参のなます・パクチーとナチュラルバゲット、すべてを一緒にがぶりと頬ばるときの幸福感といったら!もぐもぐと噛みしめるとそのおいしさに思わず笑顔になってしまいます。
具だくさんサンドイッチはまだまだあります
こだわりのサンドイッチメニューは他にもあります。週替わりのサンドイッチメニュー「自家製ポークリエットと焼きリンゴのサンドイッチ」です。バゲットよりもソースの味がしみ込みやすいようにと、柔らかいチャバタでサンドしています。バゲットとはまた違ったチャバタの香ばしさが食欲を誘います。
リエットも自家製で、紅玉のリンゴもローストしているなど具材のひとつひとつがとても細やかに作られているんです。パクリとひと口いただくとリンゴの爽やかな甘さとポークリエットの濃厚さがまろやかに絡み合っておいしい!その中でナッツやゲランドの塩のカリっとした食感がわかるのも楽しいです。
こちらは春の週末限定「サバサンド」。
「春のサバは脂が少なめで、サンドイッチにするにはちょうどいいんですよ。サンドイッチって、一度持ち帰ってから食べることもあって時間が空くんですよね。だから、魚の脂が乗っていると匂いが気になる方もいるので、脂が少なめの春の時期のサバを一夜干しにして、週末限定でサバサンドにしてお出ししています」と教えてくれました。
地元のお客さんはもちろん、「鎌倉に来たら必ず寄ります!」とリピーターのお客さんも多いのだそう。「少し奥まった場所にあるので、宝探しみたいな感覚で見つけてくださいね」と岸本さん。
旬の野菜がたっぷり乗ったバゲットのオープンサンド。少しずつ、宝探しするようにその味を楽しみながらいただくオープンサンドを求めて、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
- ■お店情報
- mbs 46.7(エムビーエス ヨンジュウロクテンナナ)
- 住所:神奈川県鎌倉市大町1-1-13
- TEL:0467−81−5541
- 営業時間:11:00〜18:00
- 定休日:お店ホームページの営業カレンダーからご確認ください。
- ※記事の内容は取材当時のものです。 最新の情報は、お店のHP、SNSなどをご確認ください。
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