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    フランス留学コーディネーター・Aikoさんに聞く“失敗しない留学・長期滞在”のヒント

    Instagramを通じ、「失敗しないフランス留学ヒント集」を発信するフランス留学コーディネーターのAikoさん。Aikoさんご自身もフランス留学を経験し、留学をきっかけにフランスの虜になった1人です。

    入国制限が緩和され、フランスへの旅行はもちろん、留学や長期滞在を考えている人も少なくないはず!そこでフランス留学の“リアル”を知るAikoさんにインタビュー。フランス語を習得するコツからビザ選びや申請のノウハウ、さらには現地での友人づくりまで、具体的なお話をたっぷりお聞きしました!

     

    Aiko

    日本の大学に在学中、ベルギーへの短期留学とフランスへの交換留学を経験。一度は日本に戻るも再度の渡仏を決め、2017年にパリの大学に私費留学。卒業後は現地企業に就職し、その後、フリーランスのフランス留学コーディネーターとして独立。留学のコンサルティングを行うほか、現地のアテンドや通訳、SNSを通じてフランス留学や長期滞在にまつわるリアルな情報を発信する。

    Instagram:@aiko.paris

     

    帰国後の“逆カルチャーショック”から再渡仏を決意!

    —フランスに暮らし、フランスを拠点に仕事をされているAikoさん。たまたまのきっかけが、現在のフランス生活につながっているそうですね。

    Aikoさん(以下、敬称略):大学受験の滑り止めの1つとして受かったのが、フランス語学科でした。フランスに思い入れがあったわけでもなく、本当になんとなくの選択でした。降って湧いたような出合いでしたが、フランス語を学ぶからには、話せるようになりたいですよね。そこで大学がオーガナイズする交換留学に参加したところ、見事にフランスの虜になってしまって。

    —運命的ですね。フランスのどのようなところに惹かれたのでしょう?

    Aiko:パリ郊外にあるセルジーという街の大学に留学しました。ただ、交換留学の期間は大学3年生の夏から1年間。ちょうど、就職活動に重なる時期だったんです。

    帰国したころにはすでに乗り遅れの状態。どうにか就職先を見つけようと奮起しましたが、“逆カルチャーショック”に見舞われました。超個人主義のフランスでは、自分の個性が求められましたが、日本の就活では同じ服装や協調性を求められることが多くて…。そんな日本のスタイルに違和感を感じてしまって、「それなら!」とフランスに戻ることを決めたんです。

    —再渡仏に向けてどういったプランで動かれたのですか?

    Aiko:少しでも留学経験を生かせないかと、日本語教師の養成講座にも通いました。でも、何かがしっくり来ない。改めて自分のやりたいことを探ってみると、語学ではなく、私はフランスの人々や文化と関わる仕事がしたいんだ、と気づいたんです。そのためには、フランスに戻るのが最大の近道でした。

    大学がオーガナイズする交換留学では、フランス文化を学ぶことが主な目的でしたが、今度はフランスで働くことを念頭に、経営やマーケティングを学べる大学に私費留学を決めました。ある程度のフランス語は話せる状態だったものの、経営学のバックグランドは皆無。無謀な賭けでしたが、不思議なことに編入試験に合格できたんです。

     

    日本にいても実践できる、フランス語習得のハウツー!

    —Aikoさんの熱意が伝わったのかもしれませんね。

    Aiko:どうして合格できたのか、未だに不思議に思うくらいです(笑)。ただ、本当に大変なのはそこからでした。日常会話はそこそこにできても、授業は専門用語だらけ。交換留学のときとは違い、クラスメイトはフランス語のネイティブばかりです。フランス語にはそれなりの自信があったはずが、改めて言葉の壁を痛感しました。

    —海外生活につきまとう“言葉の壁”、どのように乗り越えられたのでしょう?

    Aiko:授業に関しては、教授に頼み込んで講義の内容を録音させてもらいました。「復習のためだけに使います。外部には絶対に漏らしません!」と直談判して(笑)。その録音を聞き返しながら言葉を覚え、内容を理解していきました。それに日常会話をブラッシュアップするため、こんなこともしましたよ!

     

    ・その日にあった出来事を1分間のフランス語に要約

    「友だちと話題の韓国料理屋さんを訪れた。食事を楽しみながら旅行話に花が咲いた」なんて何気ない文章も、改めて1分間に要約しようとすると、意外に難しいことに気づきます。声に出すだけでなく紙に書き出せば、ライティングの習得にも!

    ・ちょっとした脳内のひとり言をフランス語に変換

    「お腹空いたな〜」「スマートフォン、どこに置いたっけ?」―。単語帳に綴られた試験用のフランス語ではなく、日常に即したリアルなフランス語を習得できます。また、ひとり言は自分から湧いた言葉のため、記憶として定着しやすいのもメリット!

    ・よりストイックに臨むなら、とにかく試験や検定に挑戦

    多くの語学試験や検定は有料のため、「お金を払ったからにはがんばらねば!」と自分を追い込めるはず。また、レベルや目的別に複数の試験があり、着実な上達が期待できます。ちなみに、代表的な試験・検定は下記のとおり!

    実用フランス語技能検定試験:日本語話者向けに実施される、通称“フランス語検定”。日本の公益財団法人が主催することから国際的には通用しづらいものの、在日フランス企業への就職を目指す人は要チェック!

    DELF・DALF:フランス国民教育省が認定する、国際的に有効な資格試験。細かくレベル分けされ、DELFよりも難易度が高いのがDALF。合格するとフランス語の能力や知識を証明書として形にでき、その効力は無期限に有効!

    TCF:こちらもフランス国民教育省が認定し、英語に置き換えるとTOEICに当たる試験。点数に応じ、受験者のレベルを6段階で判定。DELF・DALFの試験に際し、自分はどのレベルを受験すべきかの判断基準としても有益!

    —なるほど!どれもフランス語習得だけでなく、多くの言語に応用できそうですね。

    Aiko:はい!どんな言語にも応用できるはずです!これらは私も実践してきたことなのですが、その甲斐あってかフランスの企業に就職するという、留学最大の目的を達成できました。私が通った大学では、経営学を生かせる企業と就労契約を結ぶことがミッション。私は日仏をつなぐ、フランスの貿易会社に就職できたんです。

     

    ワーホリの年齢制限に諦めない!ビジタービザをチェック

    ―Aikoさんのお話をきっかけに、フランス生活に挑戦したいと思う人が多くいるはず。ただ、特に社会人のネックになるのが、長期滞在のためのビザではないでしょうか?

    Aiko:フランスへの長期滞在と聞いて、多くの方がパッと思い浮かべるのが「学生ビザ」と「ワーキングホリデービザ」ですよね。学生ビザの場合は現地の学校に入学する必要があり、ワーキングホリデーには年齢制限があります。でも、安心してください。フランスは多様性の国!ビザの種類も豊富です。

    学校に通わない場合に一般的なのが「就労ビザ」ですが、いきなりフランスで働くのは難しいですよね。そこで候補に挙がるのが「ビジタービザ」。これは現地の文化や芸術に触れたり、学校に通わない形での個人的な就労だったり、年齢制限なく、さまざまな目的で申請できるビザです。働くことはできませんが、1年までの長期滞在が可能になります。

    その間にフランスの文化や生活様式に触れ、自分のやりたいこと、できることを見つければ、フランスにはフリーランス(個人事業主)に発行されるビザもあるんです。必ずしも現地の会社に就職する必要はなく、私自身も今はフランスの企業から独立して、フリーランスに発行されるビザで滞在しています。

    ―年齢制限のない「ビジタービザ」。これは励みになる情報ですね!

    Aiko:実際に私のもとに寄せられるのも、ワーホリの年齢制限に関わるご相談が多いんです。それがビジタービザなら解消されますよね。フランスに長期滞在できたなら、一気に世界が広がります。現地で仕事が見つかるかもしれないし、パートナーに出会うかもしれない。そこから就労ビザなり配偶者ビザなり、新たな道が拓けるはずです。

    特にフランスでのお仕事探しにおすすめなのが、『LinkedIn』というソーシャルメディア。これはビジネスに特化したSNSで、求人を見つけることもできれば、Facebookのようにコネクション作りもできます。在仏日本人がどのようにキャリアを築き、どのように働いているのか。モデルケースを見つけるにも打ってつけです。

    ―さすがはAikoさん、ためになる情報ばかりです。ちなみにビザの申請に際し、注意することはありますか?

    Aiko:それはもう、とにかく粘り強くいることです!ビザに必要な書類は日本でそろえ、日本で提出することになりますが、フランス大使館は日本にあってもフランスです。日本のように物事がスムーズに進まず、しっかり申請書類がそろっていても、レスポンスを待ちぼうけすることが日常茶飯事です(笑)。

    でも、それは私を含めた誰もが通ってきた道。フランスに20年、30年と暮らしている方であっても、最初はその洗礼を受けています。しっかり申請書類を用意できた自信があるなら、けっして「私がマズかったのかも?」と弱気にならないでください。待つことも問い合わせることも気長に粘り強く!これがフランスの流儀です(笑)。

     

    窮屈さを感じている人こそ、フランスへBienvenue!

    ―なるほど(笑)。その粘り強さがあってこそ、フランス滞在への道が拓けるのですね。

    Aiko:粘り強さを持つことは、現地で生活を送るにも必須のスキルです(笑)。それに滞在を始めたばかりのころは、どうしてもホームシックにかかりますよね。特に語学学校からスタートした場合、せっかくフランスに滞在しているのにフランス人の友だちができず、言葉が上達しないというケースも少なくありません。

    そうしたときは『Meet up』というプラットフォームがよかったです。世界中のいろいろなサークルやイベントが登録されていて、特にパリでは毎日のようになにかしらの集まりが開催されています。なかでも一押しは、言語交換のコミュニティー。お互いの母国語を教え合うWin-Winの関係が築けるので、気負いなく参加できますよ!

    ―フランス語の習得から現地での友人づくりまで…。具体的なお話が満載で、フランス滞在への意欲が刺激されました!

    Aiko:そう思ってくださる方の背中を押すことが、留学コーディネーターである私の役割です。現地に来れば感じられるように、フランスは多様性の国。そして、多様性の根っこにあるのは個人主義です。自分は自分だからこそ、人は人。個人の考え方や生き方が尊重され、その個人が共生しているのがフランスという国です。

    コロナが大流行していた時期は入国制限もありましたが、今のフランスには「Bienvenue(ようこそ)!」というムードであふれています。日本に住む方もコロナ禍では行動が制限され、自分に向き合う時間が増えたと思うんです。そこで今の状況に窮屈さを感じているなら、フランスはぴったりの国。私が発信する情報も参考に、ぜひ、フランスにいらしてください!

     

    ***

     

    ご自身もフランス留学の経験者であり、今もパリに暮らすAikoさんならではの具体的な情報に、「これなら私も行けるかも!」と思えた人も多いのではないでしょうか?

    自分の可能性を広げるには、まずは挑戦あるのみ。短期にせよ、長期にせよ、フランス滞在を体験してみたなら、Aikoさんの言葉どおり、一気に世界が広がるかもしれません。

     

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