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フランスで出会うM.O.Fシェフがいるパン屋『ドゥ ラ シャペル』

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フランスで出会うM.O.Fシェフがいるパン屋『ドゥ ラ シャペル』

M.O. Fという言葉をご存知でしょうか?Meilleur Ouvrier de Franceの略で、別名「フランス国家最優秀職人章」とも呼ばれています。簡単に言うと「フランス国から認められた称号を持つシェフ」ということ。

私がM.O.Fの存在を初めて知ったのは、パンが好きでパリに行ったときでした。

パンを選ぶ山野ゆりさんの後ろ姿

M.O.F.のコンクールは3年に1度の開催されており、合格者は大統領官邸であるエリゼ宮にてメダルが授与されます。授与した者だけが許されるトリコロールカラーの襟のコックコートの着用が認められ、店先にも由緒あるトリコロールを掲げられるのです。

そんなM.O.Fのパンが食べてみたい!と思い行ってきたのがこちら。15区にある『Au Duc De La Chapelle(オ デュック ドゥ ラ シャペル)』。

『Au Duc De La Chapelle(オ デュック ドゥ ラ シャペル)』

パリの中でも少し治安が不安と聞こえる北部ですが、明るい時間を選び1人で歩かなければ問題ないと思います。駅から少し歩きますが、スーパーなども点在しているので大丈夫。

M.O.Fのパン屋『Au Duc De La Chapelle(オ デュック ドゥ ラ シャペル)』

『ドゥラシャペル』のスーパーシェフのアニスブアザブさんは、90年というM.O.F の歴史の中で最年少でM.O.Fを獲った若き天才!ウィンドウにはM.O.Fしか使用が許されないトリコロールが見えます。

『Au Duc De La Chapelle(オ デュック ドゥ ラ シャペル)』の店内

いざ!中に入るとパンがずらり。

『Au Duc De La Chapelle(オ デュック ドゥ ラ シャペル)』の店内には若きカリスマ、アニスブアザブさんの写真も

あ!左上に若きカリスマ、アニスブアザブさんの写真が!奥の扉ではパンを焼く人の姿。これはもしかして…!

シェフが出てきた!これはまさか!ブアザブさんご本人!!私の鼓動がどんどんと昂ります。

パン屋『ドゥ ラ シャペル』のスーパーアシスタントと山野ゆりさん

拙いフランス語で声をかけてみました。

「一緒に写真を撮って下さい!」彼は快くオーケーしてくれてパチリ。わぁ!うれしい!「ブアザブさん、初めまして!私はパンが大好きです。貴方のパンが食べたくて日本から来ました。」興奮しながら想いを伝えると…

 

「俺ブアザブじゃないよ。」「え…!」

パン屋『ドゥ ラ シャペル』のスーパーアシスタントと山野ゆりさん

己の雑な判断に赤面。「僕は彼のスーパーアシスタントだよ。奥にいるから今呼んできてあげる」なんて優しいのでしょう!

(フランス人はプライドが高いとか意地悪とか耳にしますが、私は1度もそんな風に感じた事がありません!むしろ、みんなとても優しいです。確かにスリとかはありますが、自分で気をつけていれば問題ないし…)

 

そんな風なことをツラツラと考えていると…

パン屋『ドゥ ラ シャペル』のブアザブさんと山野ゆりさん

ご本人登場!わー。全然別人(笑)。

写真の額縁の中の彼と随分イメージが違いました。さすがにそうですよね。彼がM.O.Fを獲ったのは2004年。10年以上前の写真だったんです(笑)。

それにしても感動が止まりません。国の宝、まさかのご本人にお会い出来るなんて!先程アシスタントの彼に伝えた通り、

「貴方のパンが食べたくてパリまで来ました。貴方に会えてとてもうれしいです!」と伝えると「君もパン屋さんかい?うれしいよ、メルシー!」と仰ってくれました。

日本では想像の中で憧れていたご本人が目の前にいるなんて…!気持ち悪くならない程度にブアザブさんを凝視。

 

嗚呼。感激感激。

パン屋『ドゥ ラ シャペル』のブアザブさんと山野ゆりさん

さて!お仕事中のブアザブさんに「また必ず来ます」と泣く泣く別れを告げ、早速焼きたてのクロワッサンを店先で頬張ることに。

パン屋『ドゥ ラ シャペル』のクロワッサン

わぁ!見て下さい!この綺麗なフォルム!

見るからにおいしそうなクロワッサン。その予感は間違いではなく、1口食べてすぐに「…嗚呼。はいはい。そうそう。これは世界で1番おいしいクロワッサンだ」やけに冷静で平坦な気持ちになったのを覚えています。

自分の何もかもがこのクロワッサンに対して潔く正しく降参し「完全に参りました(笑)」と素直に負けを認めたときのような気持ちの良さの中、パリパリとした耳障りの良い音とおいしさが反芻します。クロワッサンを食べてこんな気持ちになるなんて…!

パン屋『ドゥ ラ シャペル』のバゲット

クロワッサンのおいしさから想像するに、バケットもとんでもないことになるのではなかろうか…その予感はサラリと的中。これがとんでもないおいしさを秘めたオバケバケット!何がとんでもないって、芳しい粉の香りがとんでもない!引き立った香りの良さが全てを包んでいるようなバケット。もちろんクラスト(パンの表面)のハードさとクラム(パンの中身)のモチモチの対比も楽しめますし、噛めば噛むほどほんのり甘くなる味のグラデーションも味わえます。でもやっぱり印象深かったのは断然香りでした。流石、M.O.Fのパンは一味違う…!

食べる直前にご本人にお会いできた事も私の中ではスペシャルな経験になり、このパンを食べるためにパリに来て良かったなぁとしみじみ感じる旅になりました。

パン屋『ドゥ ラ シャペル』のバゲットとセーヌ川

パン屋さんが溢れるパリでも、ブアザブさんのパンを食べたら感動に出会えるはず!皆様もM.O.Fのパンを食べにぜひ足を運んでみて下さいね。

 

  • ■お店情報
  • Au Duc De La Chapelle(オ デュック ドゥ ラ シャペル)
  • 住所:32 Rue Tristan Tzara, 75018 Paris
  • 営業時間:5:30~20:30
  • 定休日:土・日曜日

 

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