ぐっと涼しくなって、あたたかい飲み物が恋しい季節になってきました。
コーヒーやお茶もいいけれど、最近気になるのが紅茶。普段、自宅やオフィスでは手軽なティーバッグで紅茶を飲むという人も多いとは思いますが、今回はお店の味わいをおうちでも再現できるおいしい紅茶の淹れ方を教えてもらいました。
今回お世話になったのは、紅茶でおなじみの『アフタヌーンティー・ティールーム』。
お店で実際に行われている淹れ方「ゴールデンルール」をティースペシャリストの平野裕子さん(右)と、『アフタヌーンティー・ティールーム』プレスの河田由美子さんに教えていただきました。
ダージリン、アールグレイ…紅茶の違いって?
お店で紅茶を飲むとよく見かける「ダージリン」や「アールグレイ」。見かけるものの違いについては、意外と知らないもの。代表的な茶葉について、それぞれの違いや特徴を教えてもらいました。
【ダージリン】(セカンドフラッシュ)
この名前はインド北部の地名で、茶葉の産地がそのまま名前になっています。青々しくすっきりとした味わいが特徴です。その中でも夏摘みの茶葉をセカンドフラッシュと呼びます。
【アールグレイ】
オイルなどでフレーバーを付けた着香茶と呼ばれるもので、ベルガモットの香りを付けた茶葉がアールグレイです。イギリスのアールグレイ伯爵が好んだことから、このように呼ばれるようになったとか。
【アッサム】
亜熱帯気候の産地で収穫されるそう。しっかりとした茶葉は味わいも力強く、ミルクと相性抜群。
紅茶をおいしく淹れるゴールデンルール
茶葉の種類が分かったところで、実際に淹れ方を教えてもらいました。
【準備する道具】
抽出用ティーポット(目盛りのあるガラス製が便利)
サーブ用ティーポット(冷めにくい陶器製がおすすめ)
茶こし
茶葉
タイマー
ティーカップ、ソーサー、ティースプーン
【淹れ方】
1.ポットをあたためます。
抽出用ティーポットに熱湯を100〜150mlほど入れ、あたためます。少し揺すって側面もしっかりあたためます。
<POINT>キッチンなど表面がステンレスの場所に置くと熱を奪われやすいので、ポットの下に布巾などを敷くとよいでしょう。
サーブ用のティーポットにお湯を移し、こちらもあたためておきます。
2.茶葉とお湯をポットに入れます。
ティーポットに茶葉を入れ、熱湯を注ぎます。お湯は2〜3人分で350ml、それに対して茶葉は5gが『アフタヌーンティー・ティールーム』では基本量となります。
<POINT>茶葉はあらかじめ測りできちんと計量しておくことが重要です。スプーンで○杯などはどうしてもブレが出るので避け、測りを使用するようにしましょう。
<POINT>お湯は必ず沸かしたての熱湯を使うこと。熱湯で淹れることで、紅茶のおいしさである旨みや渋みがきちんと出ます。
3.茶葉を蒸らします。
フタをして3分間、茶葉が下に沈むまで蒸らします。茶葉が上下に動くことを「ジャンピング」といい、おいしく淹れられている証拠。ただし、フタをしてきちんと蒸らせばしっかり抽出できているはずなので、ジャンピングは起こらなくてもOKです。
4.茶こしとカップをあたためます。
蒸らしている間に、サーブ用ティーポットに入れていたお湯で、茶こしを湯通しします。茶こしをあたためるためでもあり、金属臭を和らげるためでもあります。
サーブ用ティーポットのお湯をカップに移し、カップもあたためておきましょう。
5.サーブ用のティーポットに紅茶を移します。
3分経過しました。細くよられていた茶葉がしっかり開いているのが分かります。
ティースプーンで軽くひとかきし、下にたまったお茶の成分を全体に行き渡らせます。
サーブ用ティーポットに紅茶を移します。
<POINT>最後の一滴は「ベストドロップ」と呼ばれ、うまみが凝縮された部分なので最後までしっかり落としきること!
6.カップに注ぎます。
カップに8分目くらいまで注いだら、完成!
アレンジも楽しいフレーバーティー
さらにもうひと手間で、楽しめるアレンジをご紹介いたします。秋におすすめのフレーバーティーと、それを使ったアレンジティーです。
今回は、カシスアールグレイを使ったアレンジアイディアをご紹介します。
用意するものは、りんごのはちみつマリネ。スライスしたりんごに、はちみつを絡め一晩置いておきます。りんごの果汁がはちみつに移って、紅茶にぴったりの甘酸っぱいシロップに。
ゴールデンルールで淹れた「カシスアールグレイ」の紅茶に、りんごのはちみつマリネを加えます。カップ1杯に対してスライス4〜5枚、はちみつひとさじくらいを目安に。
カシスの華やかな香りにりんごの甘酸っぱさが重なって、とってもおいしい味わいに。
ここにミルクを入れても◎。最初は「カシスアールグレイ」をそのままで、途中でりんごのはちみつマリネを加えて、さらにミルクを加えて…と、徐々にアレンジしてもおいしいですよ。違いを楽しんでみてくださいね。
ちなみに、ミルクはあたためると特有のにおいが出るので、常温のまま加えるのがおすすめです。
ティーバッグもひと手間でグンとおいしく
職場や時間がない時は、やっぱりティーバッグが便利ですよね。ということで、ティーバッグでおいしく淹れるコツも聞いちゃいました!
- 【ティーバッグでのおいしい淹れ方】
- 1.マグカップをしっかりあたためておきます。
- 2.ティーバッグの茶葉は3gであることが多く、それに対してお湯は200ml。
- 3.先にお湯を入れ、ティーバッグはマグカップの縁から静かに入れます。
- 4.フタをして3分蒸らします。その時、必ずフタをすること。専用のフタがなければ小皿やソーサー紙などを乗せるだけでもOKです。
- 5.揺すらないように、そっとティーバッグを引き上げます。揺すってしまうと、余計な雑味が出てしまうそう。カップに入れっぱなしもNGです。
正しい保存法でおいしさをキープ
おいしい紅茶を飲むには、茶葉の保存法も重要となります。ちょっと意識するだけで、風味をキープすることができますよ。
・茶葉が入っていたアルミパックをそのまま利用します。酸化を防ぐため中の空気を抜き、開封口をクリップなどでしっかりと留めると◎。
・容器に入れる場合は、日光を遮るものがいいのでガラス瓶は避けるとベター。缶が望ましいですが、金属臭が移ることがあるのでアルミパックのまま缶に入れるのがよいでしょう。
・ 保存は常温でOKです。冷蔵庫は他の食品の匂いが移ってしまうので絶対にNG。冷凍庫で保管してもOKですが、解凍した分は必ず使い切ること。
・ 封を開けてから1カ月くらいを目安に飲みきるようにしましょう。
紅茶とマリアージュスイーツをペアリングする楽しみ
最後に『アフタヌーンティー・ティールーム』からこの秋のおすすめの紅茶の楽しみ方をご紹介。
その名も「ポップアップスイーツキャラメルバナナコンビネーション」は、スイーツと紅茶を一緒に味わうことでなんと別の味わいが口の中に現れるというもの。
バナナティー(紅茶)、キャラメルナッツミルフィーユ(スイーツ)、バナナティー(紅茶)の順に食べると、“バナナカスタードパイ”の味わいになるのだとか!紅茶にフレッシュのバナナ、というのも新鮮です。一緒に食べるものとのコラボレーションを楽しめるのも紅茶の楽しみのひとつ。いろいろと試したくなりますね。
ゴールデンルールはちょっと手順が多そうに見えますが、実際にやってみると意外と簡単。ゆっくり淹れる時間は贅沢な気持ちになれますよね。深い味わいに紅茶のおいしさを再発見できるはず、ぜひ一度お試しあれ。
- ■ お店情報
- アフタヌーンティー・ティールーム 玉川高島屋S・C
- 住所:東京都世田谷区玉川3-17-1 玉川高島屋S・C 南館4階 (地図)
- 電話:03-3708-72827342
- 営業時間:10:00~21:00
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